樹脂材料
- *標準寸法は参考値です。入手しやすい材料寸法とは異なりますのでご注意ください。
- 概要 エンジニアリングプラスチックの中では最高峰の耐熱性を誇るポリイミドの発泡体です。 耐熱性、耐火性、耐環境性、低脱ガス性などの優れた特性を有しており、高温環境下における断熱材、保温材、防音材として優れた性能を発揮します。 主な特長 ガラス転移温度(Tg)が、400℃と耐熱性に優れています。 断熱性に優れています。 加工性に優れており、カッターなどで簡単にカットできま
- 概要 防音・制振対策部品は、大きく分けて下記の3種類があります。 防音材
- 超高耐摩耗ウレタン:ブルコラン 従来のウレタンには見られない耐摩耗性や荷重性を備えた超高耐摩耗ウレタン、ブルコラン®です。 標準ウレタンの6倍の耐摩耗性、1.5倍の機械的強度をもちます。(弊社試験による) 耐摩耗ウレタン 独自の配合によりコストを抑えて標準ウレタンの2.5倍程度の耐摩耗性を有するウレタンです。色はこげ茶色です。 ●テーバー摩耗試験結果
- 基礎シリーズ第4弾。材料の選定で、迷わない!樹脂、ウレタン、ゴム、スポンジの特性・選び方をひとまとめ 工業材料とは? エンジニアリング・プラスチック(エンプラ) 透明樹脂・ガラス/ウレタン・ゴム・スポンジ エンジニアリング・プラスチック(エンプラ) 強度、耐熱性に優れたプラスチック プラスチックは、金属材料に比べて、耐熱温度が低い、機械的強度が低い、変形しやすいなどの欠点
- 特長 ウレタン・ゴムのショア硬度の目安 ●硬度の目安 ・硬度の許容範囲:記載値に対して±5です。 ゲルの硬度表記について アスカーCと針入度で表されています。 アスカーCとウレタン・ゴムの硬度表記で使用されているショアAの相関はおおよそ以下の表のようになります。
- 樹脂の射出成形加工では溶融させた樹脂の流動性の善し悪しによって成形条件、特に射出圧力や射出速度、金型温度の設定が大きく左右されることは皆さんも良く体験していることかと思います。 樹脂の流動性を評価する方法にはいくつかの方法がありますが、最も簡易的で目安として利用されているものがメルトフローレート(Melt Flow Rate, MFR)です。 メルトフローレートは、樹脂の試験材料(ペレッ
- プラスチックマグネットは、磁石の微粒子を熱可塑性樹脂とコンパウンドさせた材料のことで、射出成形加工で磁力を有する成形品を作ることができる。 マグネットは、フェライト系、希土類系の種類がある、磁力、磁力の特性などによって選択されます。 主な磁石は、次の通りです。
- 射出成形に使用される熱可塑性樹脂(Thermoplastic resin)は、金型の中に加温されて液状になった状態でキャビティ内へ注入されて、金型の表面に接触することで熱量を奪われて冷却され、固化します。 このときに、液体のときの体積は、固化する際に体積収縮を起こして縮みます。この現象を「成形収縮」と呼んでいます。英語ではshrinkageと言います。 成形収縮は、プラスチック射出成形品を作る
- プラスチック樹脂が商品として世の中で活躍するためには、商品用途に合わせた特性を備える必要があります。樹脂に求められる特性としては以下のような内容があります。金属材料とはまた異なる特性を有しなければならない場合もあります。
- プラスチック樹脂の耐薬品性を評価するための試薬には、次のような薬剤が使用されています。
- プラスチック成形材料の中で、熱可塑性樹脂を射出成形によって金型のキャビティ内へ流動させる場合、溶けた樹脂はある粘度を持った流体としてスプルー、ランナー、ゲートそしてキャビティ内を流動します。流動抵抗によって樹脂の流速や圧力は変化します。そして、樹脂の粘度は金型の表面に接触することによって温度がだんだん低下していって、粘度も時々刻々と低下していき、最後には流動ができない状態まで粘度が低下していきま
- 原油価格の高騰がリビア情勢、中近東の不安定要因さらに今回の大地震によって先行きが不透明な状態となっているようです。そうすると熱可塑性プラスチックの材料価格もコスト高の方向になっていく可能性があります。 原材料コストを低減させるアイデアとしてはナチュラルファイバーコンポジットという方法が考えられます。 ナチュラルファイバーとは、木材や紙等の天然繊維のことです。これらの天然繊維の含有率を3
- プラスチック成形材料は、高分子からできあがっていますが、その化学式によっておおまかに以下のような傾向があることが知られています。
- 透明なプラスチック材料の中でユニークな特性を持つ新素材として、環状オレフィンポリマー(COP)があります。 COPが現在多用されている分野は、レンズ、導光板などの光学用途と医療、検査容器用途が挙げられます。この分野は現在最も安定して成長している産業分野であり、COPの消費量も急成長しております。 COPが多用される背景にはその特徴となる物性があります。 1.光学特性 PMMAに比較し
- ポリカーボネイトは、透明なエンジニアリングプラスチックで、耐熱性が高く、機械強度も強い熱可塑性樹脂です。CD-RやDVD、眼鏡レンズ、自動車のヘッドランプカバーなどにたくさん使用されています。強度や耐熱性など優れた特徴を有していますが、一部の薬品についてはソルベントクラックを生ずる場合があります。 射出成形加工にも適しており、世界中でたくさんの金型が設計製作されています。 ポリカーボネ
- ポリアセタール樹脂は、ポリオキシメチレン樹脂(POM)とも呼ばれ、機械強度が強く、耐熱性も高く、自己潤滑性に富んだエンジニアリングプラスチックの代表的樹脂です。アメリカ合衆国Dupont社が世界で初めて商業化に成功し、現在ではプラスチック歯車、電子部品、自動車部品、精密機械部品などに幅広く採用されています。射出成形加工に適していますが、結晶性樹脂のため成形収縮率が大きく、寸法安定させるための金
- ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)は、電線ケーブルの被覆や雨樋、ホース、水道管などに多用されている熱可塑性樹脂です。射出成形も可能ですが、押し出し成形品が使用量としては多いです。 ポリ塩化ビニル樹脂の製造プロセスを以下に示します。 ※ 参考文献:桜内雄二郎著, P66, プラスチック技術読本,工業調査会(株)
- アクリル樹脂(メタクリル酸メチルエステル)は、透明で強度が高い樹脂で、レンズやプリズム、自動車の反射板などにたくさん使われています。射出成形加工に適しています。 アクリル樹脂の製造プロセスを以下に示します。 ※ 参考文献:桜内雄二郎著,P71,プラスチック技術読本,(株)工業調査会
- ポリスチレン樹脂は、炭素(C)と水素(H)とベンゼン環からなる熱可塑性樹脂です。 家電製品や玩具、文房具、プラモデルなどに多用されています。また、発泡させた発泡スチロールは緩衝材として世界中で多用されています。 射出成形加工に適しており、これまでにたくさんの金型が作られてきました。アクリロニトリルやブタジエンと共重合させたABS樹脂は、家電製品や情報家電製品にたくさん使われています。 ポ
- ポリプロピレンは、軽量で軟質であり、繰り返し曲げ疲労に強い樹脂材料です。耐薬品性にも優れ、自動車部品の内装やバンパーなど、食品容器類、家電製品などに幅広く採用されています。世界のプラスチック使用量がもっとも多い部類の樹脂です。 射出成形加工にも適しており、様々な成形品が開発されてきました。 ポリプロピレンの基本的な製造プロセスを以下に示します。 ※ 参考文献:桜内雄二郎著,
- 汎用樹脂の代表の一つがポリエチレン樹脂です。軟質で透明な樹脂材料で、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)の種類があります。 ポリエチレンは、基本元素が水素(H)と炭素(C)のみからなる素材ですが、天然には存在せず、人工的に作り出された高分子です。 射出成形加工やシート成形で膨大な量の成形品が生産されて世界中で活躍しています。 ポリエ
- プラスチック材料は、水素、炭素、酸素、窒素などの原子が高分子状態に結合して成り立っていますので、有機溶剤などの薬品によっては溶解をする場合があります。成形品の使用環境によっては溶剤が関係する場合、成形品の表面が溶解し、クラック発生して破断したり、表面が侵されたりする場合があります。 プラスチック材料が溶解する目安となる指標としては溶解度パラメータというものがあります。これはSP値という指標
- ポリ乳酸樹脂は、化石系素材を一切使用せず、植物系素材だけで生産が可能で、しかも廃棄後は天然の微生物の働きによって水と二酸化炭素だけに生分解させることができる理想の環境対応プラスチックです。しかし、以下のような疑問点が存在します。これらについては適切な情報がなかなか入手困難で、誤解を招くケースも多くあったようです。現時点で多くの関係者に支持されている説を紹介します。 Q1.ポリ乳酸樹脂はどうし
- ポリ乳酸(Poly Lactic Acid, PLA)は、原材料を100%植物とする熱可塑性プラスチックで、射出成形加工や押し出し成形加工、ブロー成形加工が可能です。しかも、石油や化石系素材を一切使用しないで合成ができるプラスチックです。さらに、このプラスチックは、土中に廃棄すると、土中の微生物(バクテリア群)によって、それらが発する酵素によって水(H2O)と二酸化炭素(CO2)だけに完全生分
- プラスチック成形材料は、石油ベースがほぼ全てでしたが、この数年の間にバイオベースポリマーが様々開発され、今後急ピッチで普及する可能性が高くなっています。バイオベースポリマーといってもたくさんの種類があります。主な素材としては下記の素材が開発されています。
- 1.材質試験 カドミウム 100ppm以下 鉛 100ppm以下 2.溶出試験 重金属 4%酢酸(60℃-30min)1ppm以下(Pbとして) KMnO4 消費量 水(60℃-30min)10ppm以下 3.毒性試験 Crl:CD系ラット急性毒性試験 Crl:CDBR系ラット急性毒性試験 Hra:SPF系ウサギ急性毒性試験 4.遺伝毒性試験 復帰突然
- プラスチック材料には、実は、さまざまな補助材料を添加ブレンドして、実用性に適応した改質が行われている場合が多いのです。補助材料には、その目的によっていろいろな成分が実用化されています。 以下に補助材料の主要なものを紹介します。 1.可塑剤 プラスチックに柔軟性を付与したり、成形加工時の金型内での流動性を向上させるために使用されます。主に低分子物質を用います。 2.熱安定剤 プラ
- プラスチックの性質や強度等を改質するためには、さまざまな方法が考案されています。 その方法は、大きく3つの考え方があります。 化学的改質方法 物理的改質方法 放射線改質方法 改質にはその用途により以下のような具体的な方法が実用化されています。
- プラスチックは、大別して熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂があります。読者のほとんどは、熱可塑性樹脂の射出成形金型た成形加工に携わっていると思いますが、最近では熱硬化性樹脂の射出成形加工も行われるケースも増えてきています。 基本的な事項ですが、熱硬化性樹脂と熱可塑樹脂ではその性質が大きくことなっています。これらを整理してもう一度復習を図りたいと思います。
- WPCとは、Wood Plastic Conposite の略語で、木質の素材をポリマーへ混練させて作った複合材料です。WPCは、木目調の板材や建材として最近利用される事例が増加してきています。 地球環境保護の観点からも、製材所や山林から廃棄される木屑や間伐材を再生利用して成形品を作ることが可能ですので、エコロジーな素材としても注目を浴びています。 WPCには、低充填WPC(木質材充填率3
- プラスチック材料には、ポリマーに何種類かの添加剤を混ぜて、射出成形に用いることがあります。様々な用途向けに添加剤は開発されており、これらを組み合わせて配合することで同一の種類であってもいろいろなグレードの樹脂があるということになります。 以下に主要な添加剤とその目的を挙げてみます。
- 熱可塑性プラスチックは、高分子材料であることが知られていますが、高分子の長さは「分子量」という単位で考えられています。分子量は、材料の種類や製法によって変動します。分子量が大きいほど、高分子の長さは長くなります。反対に、分子量が小さいほど、高分子の長さは短くなります。 分子量の違いによって以下のような物性値の変動の傾向があることが知られています。 分子量が小さい場合の傾向 ○金型内での
- 熱可塑性樹脂は、温度が融点以上になると溶融し、液状になりますが、冷却していくとだんだん粘度が高くなりゴム状態になり、最終的には固化していきます。ゴム状態から固化状態(ガラス状態と呼んでいます)になる境界の温度を「ガラス転移温度」と呼んでいます。ガラス転移温度は、Tgと一般に表示されています。 Tgは、樹脂の種類によって決まる物理量です。Tgを知ることにより成形品がキャビティ内で冷却する時間や
- スチレン系プラスチックは、硬質の射出成形品に多用されている樹脂です。主な種類には以下の材料があります。 (1) ポリスチレン (2) ハイインパクトポリスチレン (3) ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体) (4) m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル) スチレン系プラスチックには、共通して以下のような特徴があります。
- オレフィン系プラスチックは、射出成形に多用されている成形材料です。代表的な樹脂としては下記が挙げられます。 (1)ポリプロピレン(PP) (2)低密度ポリエチレン(LDPE) (3)エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) (4)ポリメチルペンテン(TPX) (5)超高分子ポリエチレン ポリオレフィン樹脂は、共通して以下のような特徴があります。 ◇比重が1以下で軽い。 ◇水に浮く。 ◇柔軟性が
- プラスチック射出成形で使用される合成樹脂材料は、原油や天然ガス、石炭等の天然素材から工業的プロセスを経て製造されています。一般の成形加工業や金型製造業では少し縁遠い存在かもしれませんが、日頃使用している合成樹脂がどのような工程で製造されているのかを知ることは有意義です。今回は、主要な合成樹脂が製造される工程を紹介します。 ※工程は概略のプロセスを示し、実際にはさらに詳細な工程が組み合わされ
- 使用後に、土壌中や海底などで、微生物によって生分解するプラスチックが各種開発されて市販が進んでいます。このような種類のプラスチックは、環境保護に優れた効果を発揮できる素晴らしい素材であり、今後も幅広く、かつ大量に利用されていくものと考えられています。 現在では、下記のような応用製品に既に採用されて、市場へ展開をしています。
- プラスチックは、炭素や水素、酸素などからなる高分子であり、その多くは加熱によって燃焼します。燃焼のしやすさ(しにくさ)は、プラスチック製品の使用環境によって大変重要な因子となります。 プラスチックの燃焼性は、様々な試験方法があり、用途によって使い分けられています。 以下に主要な試験方法について概説します。
- ポリグリコール酸(PGA)は、石油を原材料として合成される脂肪族ポリエステルで、生分解性の特徴を有するプラスチックです。 ポリグリコール酸の最大の特徴は、酸素ガスや炭酸ガスを透過させにくい性質に優れている点が挙げられます(ガスバリア性)。ガスバリア性が良好なプラスチックは、炭酸飲料やビール、薬品、液体調味料などのプラスチック容器が備えるべき特性として、重要な意味合いを持っています。 ポリ
- 現代社会では、自動車や家電、食品容器、医療用具などの生活に不可欠な製品の無数の部品に、プラスチック素材が利用されています。しかし、工業用途で使用されるプラスチックが、化学合成によって人工的に生産が可能になったのはわずか135年ほど前であって、人類の歴史の中ではつい最近になって見出された素材なのです。 初期のプラスチック素材は、天然に存在する有機物でした。代表的なものとしては、ゴムの樹液から
- プラスチックの強度を改善するためにガラス繊維を添加したプラスチックが使用されていますが、通常のガラス繊維の長さは0.3〜0.6ミリ程度に止まっています。しかし最近では、ガラス繊維長さを6〜15ミリと極めて長くして添加する長繊維強化プラスチックが開発されています。 長繊維強化プラスチックの特徴は次の通りです。
- プラスチックの強度を強化するために、材料にガラス繊維を添加したプラスチックが射出成形で使用されています。ガラス繊維は、それ自身がプラスチックよりも強度を有していますが、ガラス繊維のみでは耐衝撃性が低くもろい特性がありますので、プラスチックと混合されることにより、もろさの弱点を回避した成形材料として実用に耐えられるようになります。 ガラス繊維入りプラスチックは、射出成形の際に以下のような現象が
- 生分解性プラスチックは、土中やコンポスト中、海底等において、微生物の働きによって水や二酸化炭素に分解されます。 その分解の機構は、以下のような段階を経てなされることが分かってきました。 生分解性プラスチック ↓ 水、pH、温度+微生物 ↓ 低分子化合物(脂肪酸、アルコールなど)+微生物(メタン細菌=いろいろな種類がいる) ↓ 水、二酸化炭素、メタン アルコールからの化学反応は、例え
- 生分解性プラスチックは、土中やコンポスト中、海底等において、微生物の働きによって水や二酸化炭素に分解されます。 その分解の機構は、以下のような段階を経てなされることが分かってきました。 生分解性プラスチック ↓ 水、pH、温度+微生物 ↓ 低分子化合物(脂肪酸、アルコールなど)+微生物(メタン細菌=いろいろな種類がいる) ↓ 水、二酸化炭素、メタン 脂肪酸からの化学反応は、例えば以
- プラスチック射出成形品の表面の硬さを試験するため方法として一般的に使用されているのは、ロックウエル硬さ試験です。 金型部品用の鋼材の試験方法としてロックウエル硬さ試験は多用されていますが、この場合の測定スケールはCスケールで、硬さは「50HRC」のように表記されます。 プラスチック成形品の硬さを測定する場合、Cスケールを使用した場合には鋼材と比較して大変柔らかいために正確な硬度を計測するこ
- バクテリアや生物によって生分解されるプラスチックが開発されて、さまざまな素材が使用されるようになってきています。生分解性プラスチックで、現在利用が始められているものには、以下のような材料があります。
- プラスチック材料は、過度の熱エネルギーを受け、高温になると燃焼をする材料が多い特徴があります。したがいまして、プラスチック材料の燃えやすさ(燃えにくさ)は様々な試験方法によって定義され、その素材が燃焼環境的に使用可能かどうか判断する指標となっています。 プラスチックの燃焼に関する試験方法や法令には世界各国で様々なものが規定されています。実際にプラスチック材料を選定する場合にはこれらの規格につ
- プラスチックは、ある特定の溶剤に対して溶解したり、残留応力(ストレス)が残っている場合に亀裂(クラック)を生ずる場合があります。これはプラスチック自身が石油化学的に生成される物質であることから、特定の溶剤と化学的に反応してしまうために生ずる現象です。 下記のプラスチックでは、以下のような溶剤に対して、クラックが発生する危険性があります。
- 医療用のプラスチック成形品を射出成形して製造するためには、日本国内では薬事法に規定されている「医療用具」の製造許可を受けることが必要です。 これは、プラスチック製医療用具の安全性を法令で規定し、医療事故の防止を図るための制度趣旨によるものです。 医療用具を製造するためには、下記の手続きが必要になります。無許可での製造は、法令により罰せられる場合があります。
- 医療用のプラスチック素材の物性や安全性を試験評価する方法を紹介します。
- 医療器材用プラスチックには、高い安全性や信頼性の他にも使用用途を満足させるために、様々な角度からの物性が必要になります。例えば、下記のような物性が医療器材の備えるべき特性として必要になってくるのです。
- 注射器や薬瓶などの医療用器材には、プラスチックが多用されうようになってきています。医療用器材は、私たちの健康を守り、病魔から逃れるための医療を実施するために必要不可欠な道具であり、そのような人体に直接関与する部品でもあるために、安全性、信頼性が科学的に保証されている必要があります。 また、最近の新たな感染症の出現等とも関連して、一度使用された医療用具を洗浄、消毒して再使用することは限定され
- シクロオレフィンポリマーは、透明度が優秀で、耐熱性があり、金型の表面転写性も良好なため、レンズ類の射出成形品として採用事例が増えてきています。 フラットパネルディスプレイ(FDP)用導光板、光ピックアップレンズ、ディスクなどの光学部品に多用されています。薄型液晶テレビや携帯電話端末関連の光学部品への応用が急増しています。 その背景には、下記のような優れた特性があるからです。 1.優秀な
- ポリカーボネート樹脂は、透明な高強度エンジニアリングプラスチックとして、さまざまな成形品に使用されています。耐衝撃性、寸法安定性も良好ですが、一部の溶剤については分解してしまう弱点があります。このような長所と短所を考慮して、広範囲な分野で実用されています。 近年ではポリカーボネート樹脂の需要量は増加の一途をたどり、今後も需要は増えていくと予想されます。 金型設計上では、流動性が極端に悪
- 液晶ポリマー(LCP、Liqud Crystal Polymer)は、良好な耐熱性を有するスーパーエンジニアリングプラスチックとして電子部品、コネクターに採用されています。 液晶ポリマーは、成形品が薄肉であっても良好な流動性を示しているため、コネクター類などの薄肉小型精密成形品の射出成形も可能です。 表面実装方式(SMT)ではんだ付けされる部品では、今後、「鉛フリーはんだ」が環境対策として
- LSR(液状シリコーンゴム)は、加硫ゴムを代替する軟質素材として廃棄物環境対策や人体安全性の観点から注目されている素材です。 この素材は、原材料コストが高いために高付加価値成形品には使用されるものの、一般的な安価な成形品には使用されにくい傾向がありました。 しかし、環境対策コストや安全性が重要視される社会が到来した結果、液状シリコーンゴムの採用はヨーロッパを中心に急速に普及が進みつつありま
- 熱可塑性エラストマー(TPE、Thermo Plastic Elastmer)は、射出成形が可能なゴム状の成形材料で、各種の用途で実用化されています。 熱可塑性エラストマーには、いくつかの種類があって、特性ごとに応用分野が異なってきます。 以下に主な種類と特性を紹介します。
- 射出成形加工が可能な生分解性プラスチックの代表格として、ポリ乳酸(Poly Lactic Acid,PLA)があります。 ポリ乳酸は、さつま芋やじゃが芋、とうもろこしなどのでんぷんを素材とし、乳酸菌による発酵プロセスを経て、化学合成される植物由来のプラスチックです。射出成形が可能で使用後は、土中へ埋設することで、バクテリアによる生分解によって、水と炭酸ガスのみに分解されます。 つまり、「空
- プラスチック原材料の中でも最近、射出成形材料として使用される頻度が多くなっている材料としては、次のようなものがあります。当然に、これらの材料を使用する金型の新規生産も、増加していると考えて良いと思います。 (1)ポリカーボネイト(PC) 国内生産量41万トンと大量に生産されており、液晶テレビモニター、DVDプレーヤー、携帯電話筐体、導光板、TFT関連、電池パック、プリンター部品、自動車用
- 生分解性プラスチックの代表的な樹脂の一つとしてポリ乳酸があります。ポリ乳酸は、植物由来の生分解性プラスチックで、以下の合成プロセスによって化学合成され、また生分解作用によってリサイクルがなされます。
- プラスチック成形品は、使用後に廃棄物として処分されるか、リユース(再利用)、リサイクルされる運命にあります。 プラスチック成形品の素材のほとんどは、今日では石油由来であり、成形品は燃焼処理等をしない限り、半永久的に分解せずにそのまま地球上に残ってしまいます。 このような状況は地球環境を破壊することにつながりますので、プラスチック成形品も環境保護のために何らかの法規制を敷いて、循環型社会を構
- 熱可塑性エラストマーは、TPE(Thermo Plastic Elastmer)と俗称で呼ばれている、ゴム状の軟質特性を持った熱可塑性プラスチックです。 一般にゴムは、熱硬化性であり、射出成形加工は極めて困難であるとされてきました。 しかしながら、射出成形が可能で、ゴム状の成形品が得られれば、低コストで生産が可能であることから、TPEの商業化がさまざまに研究されてきました。 現在では、
- 生分解性プラスチックは、土中や大気中のバクテリアや微生物によって、生物学的に分解されるプラスチックのことです。 従来の石油化学によって合成されるプラスチックは、微生物によって分解されることはなく、半永久的に廃棄物として残存するものと考えられてきました。ところが、最近の化学技術の発達によって、微生物によって水や二酸化炭素に分解されるプラスチック材料が開発されるに至っています。一部の材料は既に
- 生分解性プラスチックは成形品を土中等へ埋設すると、バクテリアや細菌類によって生物学的に分解される特性を持ったプラスチックです。 このような特徴は、石油由来のプラスチックと比較しますと、環境保護には最適な特性であると言えます。 生分解性プラスチックには、透明性、耐熱性などの工業上必要とされる特性を有する素材も開発が進められており、家電製品、OA機器部品、食品容器、自動車内装部品などに採用さ
- プラスチック成形材料は、一般にペレット状態に加工されて、紙袋などに入れられて原材料メーカーから搬入されてきます。 ペレットには、大気中の水分が吸湿されていますので、水分が多く含まれたままで射出成形加工してしまいますと、樹脂の種類によっては加水分解を発生したり、物性が低下したりする場合があります。また、銀条(シルバーストリーク)が成形品の表面に発生したり、ガスによるショートショットや焼けが発
- プラスチック材料のLCA(ローコストオートメーション)への利用は、次のようなプラスチック材料の特質を活用しています。 (1)プラスチック材料の主な機械的特質と応用事例 プラスチック材料の主な機械的特質は下記が挙げらます。
- プラスチックは、人類の進化と共に様々な形で使用されてきました。今回は、読み物としてプラスチックが歩んできた歴史を振り返ってみましょう。
- プラスチックマグネットは、磁石の粉末を樹脂やエラストマーに混ぜた成形材料です。射出成形加工によって、形状の自由度の高い磁石成形品を生産することが可能です。 焼結磁石に比較すると、軽量で薄肉形状の製品にも対応が可能です。しかし、磁力そのものは焼結磁石の方が大きな値を示します。 磁石の粉末には、下記のような種類が使用されています。 (1)フェライト系 バリウム・フェライト ストロン
- ポリサルホンは、耐熱水性が良好な透明樹脂です。酸やアルカリにも強く、機械的特性も安定しています。 食品や医療用の安全性が良好なので、この分野では採用例が増えています。 ただし、有機溶剤に対しては弱いので注意が必要です。 ガラス繊維強化も行われています。 主な用途は次の通りです。
- 液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)は、耐熱性の良好な結晶性樹脂です。 ガラス繊維を30〜40%程度強化することで、荷重たわみ温度は270〜310℃程度まで上昇させることができるので、表面実装用対応用の精密電子部品に採用されています。 電気特性や振動吸収性能も良好です。自己消火性もあります。 溶融粘度は低く、流動性が良好なので、射出成形はしやすい樹脂です。
- ポリプロピレンは、軽量で耐熱性の良好な結晶性樹脂です。半透明なグレードもあります。 ポリプロピレンは、特にヒンジ部の繰り返し疲労特性が良好で、他の樹脂に比べて優れた特徴を持っています。また、食品関係に使用しても安全性が良好なので、様々な容器類に利用されています。 ガラス繊維による強化も可能で、自動車部品にはこのタイプが多用されています。 溶融時の粘度が低いので、金型を製作する場合には、入
- ポリスチレンは、耐薬品性が良好な透明樹脂です。射出成形加工ができる樹脂として古くから多用されてきました。 家電の普及に従って、様々な分野で使用されている身近な存在でもあります。 粒状のゴム成分を分散させることによって、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が開発されたことで、大型家電の筐体に採用されるようになってきています。 また、食品容器関連ではいろいろなジャンルで実用化されています。透明な
- 最近商品化された透明なプラスチックです。非晶性樹脂であって、軽量、耐薬品性も良好です。 光学的特性では複屈折率が低く、アクリル樹脂と同水準の性能を有しています。また、吸水率も低く、耐熱性があるのでスチーム滅菌もできますから、薬品関連にも使いやすい特徴を持っています。 射出成形性にも優れており、光学分野や医療分野で実用化が進んでいます。 金型の転写性能も優秀です。 これからの新しい透明樹
- ABS樹脂は、非晶性樹脂であって、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンからなる共重合体です。 汎用プラスチックの中では、安定した強さと美しい光沢が得られ、家電製品を中心に幅広く使用されています。 成形品の表面にめっきを施したり、スパッタリングも可能です。 ただし、屋外での耐候性が優秀ではない点が指摘される場合もあります。 ポリカーボネイトやPBT、ポリアミド等と、ポリマーアロイを構成
- アクリル樹脂(メタクリル酸メチルエステル、PMMA)は、透明な非晶性の樹脂で、レンズや照明関係に古くから利用されています。 最近では、素材に他の化学成分を加えて改質が行われ、性能が向上されているグレードも各種開発されています。 アクリル樹脂の最大の特長は、光線透過率が優れている点です。樹脂の中では最も優れた性能を有しています。 また、表面硬度も高いので傷に対して抵抗力があります。コーティ
- ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ペットボトルに使用されている透明な飽和ポリエステル樹脂です。 耐薬品性、耐熱性が良好であるので、食品容器類を中心に利用されています。 また疲労強度も良好で、電気特性も優れています。 ガスバリア性は極めて優秀です。 しかし、フェノールやクレゾールには侵食されます。 射出成形やブロー成形で使用されています。 主要な用途は、次の通りです。
- PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)は、荷重たわみ温度が260℃近辺まで耐えられるスーパーエンプラです。 架橋型、半架橋型、直鎖型の種類があります。 はんだの融点よりも荷重たわみ温度が高いので、リフローはんだ用の表面実装対応の電子部品に多用されています。 流動性が良いために、射出成形ではバリが発生しやすい特徴があります。 金型温度は130〜150℃まで上げる必要がありますので、金型
- ポリカーボネイトは、透明で、強度が高い耐熱樹脂として、広い分野で応用が図られています。 最近では、ABS樹脂等とアロイにしたタイプも、工業用として多用されています。 非晶性であって、光線透過率も良好でありレンズやカバー類には好適な樹脂の一つです。強度的にも優秀で、特に耐衝撃性はプラスチックの中でも上位に位置しています。 ただし、有機溶剤には侵されるので、グリス類や溶剤が塗布されるような場
- POM樹脂(ポリアセタール、ポリオキシメチレン)は、破壊強さ等の機械的特性や耐磨耗特性などが優れたエンジニアリングプラスチックです。 POMには、単独重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)があります。 ホモポリマーとコポリマーでは、強度、耐熱性、成形条件などに差があります。 POM樹脂の最大の特長の一つとして、自己潤滑性があります。歯車や軸受けなど、常時、摩擦を受ける部品において
- PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)は、耐熱性が良好で、機械強度の高いバランスのとれた樹脂です。 結晶性であり、有機溶剤や油類にも耐える特徴を有しています。 電気抵抗や誘電率も変化しにくく、電気電子用途にも多用されています。 ただし、加水分解を起こすために、高温の湯中での連続使用では注意が必要です。 ガラス繊維の強化によって、強度は改善されます。 主な用途は次のとおりです。
- ポリアミドは、ナイロン(商標名)として著名ですが、PA6、PA66、PA46、芳香族ポリアミドなどの種類があります。 特徴としては、摩擦磨耗特性が優れているので、騒音が発生しにくく、安定した摺動が得られます。 また有機溶剤や油に対する性能も優れています。 一方、吸水性や吸湿性が大きいので、成形品の寸法変化が見られます。 ガラス繊維による強化で、耐熱性や強度が改善されます。 主要な使用
- 熱可塑性プラスチックは、ご存知のように冷却固化する過程において成形収縮が発生します。 成形収縮の度合いは成形収縮率と呼ばれており、プラスチックの種類によって概ねの値が知られています。 ガラス繊維等の充填物(フィラー)が含まれていないナチュラル材料では、成形収縮は、あらゆる方向について、ほぼ均等に収縮が発生すると考えて、金型設計の際には、キャビティの寸法を計算していますが、ガラス繊維等が含ま
- プラスチック成形材料には、強度を向上させる目的などで、様々な充填材や強化材がコンパウンドされます。 主な充填材には下記のようなものがあります。 ガラス(Glass) 炭素(Carbon) 炭酸カルシウム(Calcium carbonate) タルク(Talc) 雲母(Mica) 鉱物(Mineral) けい素(Silicon) 硼酸(Boron) クレイ(Clay)
- ポリメチルペンテン(Polymethylpemtene)は、立体規則性ポリオレフィンであり、透明性のある成形材料です。 家電、医療機器、食品関係で採用されることが多い、結晶性プラスチックです。食器洗浄機部品、耐熱電子レンジコンテナ、アイロンの水入れ、回路基板、ピペット、注射器、ビーカー等に使用されています。 主な特徴は、下記の通りです。
- ポリエーテルイミド(Polyether imide、PEI)は、電子産業において活用されている成形材料です。非晶性プラスチックであり、ポリカーボネイトとポリマーアロイとして使用される例もあります。 主な特徴は、下記の通りです。
- ポリアミドイミド(Polyamide-imide、PAI)は、荷重たわみ温度が180℃程度であり、高温で高い強度を有する成形材料です。 ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイトなどで強化したグレードは、高温環境において優れた摺動特性があります。 産業用途事例としては、油圧機器シール、リレー、ソケット、スイッチ、ボビン、ギヤ、ベアリング、内燃機関エンジン部品、ジェットエンジン部品、SMT部
- ポリエーテルサルホン(Polyethersulfone、PES)は、耐熱水性に優れた非晶性プラスチックです。 食品産業用部品や排水用部品、半導体超純水関連部品、電子部品、ヘッドランプリフレクター、調理機器部品などに採用されています。 ガラス強化される場合もあります。 下記のような特徴があります。
- ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)は、英国ビクトレックス社が開発した芳香族系熱可塑性プラスチックです。 融点が330℃程度であり、優れた耐熱性を有しています。ガラス繊維で強化することにより、強度を向上させて使用される例が多いようです。 用途としては、半導体や液晶パネルの製造装置部品、プロジェクターのランプ筐体、電池用パッキン、IC用ソケット
- ポリイミド(Polyimide、PI)は、耐熱性が特に優れた成形材料です。荷重たわみ温度は、250〜360℃とプラスチック材料では最高水準にあります。つい最近では、射出成形が可能なグレードも開発されてきています。 ポリイミドは、全芳香族ポリイミド、半芳香族ポリイミド、熱硬化性ポリイミドがあります。射出成形用には、半芳香族ポリイミドが主に使用されているようです。 実用的な用途例としては、
- シンジオタクチックポリスチレン(Syndiotactic Polystyrene,SPS)とは、メタロセン触媒を利用して合成されたポリスチレンです。 シンジオタクチックの意味は、立体規則性があるという意味で、下記のような優れた特徴があります。 実用的な用途例としては、計器の筐体、洗面化粧台部品、浴室部材、エアコン部品、自動車用ソレノイド部品等があります。この樹脂は、1985年に出光興産
- 筑波大学教授 白川英樹先生がノーベル化学賞を受賞されたことは、皆さんの記憶にもまだ新しいと思います。 白川先生の研究されていた内容は、導電性プラスチックに関するものです。導電性プラスチックは、電池材料や電子部品材料として、今後有力な材料として期待されています。 導電性プラスチック(高分子)は、下記のような種類があります。 ポリアセチレン系 ポリフェニレン系 複素環高分子 イオ
- プラスチック成形材料には、その性質を安定させたり、特徴を付加するために様々な添加剤が使用されています。 プラスチックは、温度、湿度、光、放射線などによって劣化を起こすことが知られておりますが、劣化から材料を防御したりするためにも添加剤は使用されています。 以下に、プラスチック成形材料に使用される主要な添加剤を紹介します。
- 射出成形加工の原材料であるプラスチック材料は、原油や天然ガス等に含まれている成分を化学合成して生産されています。 実際に射出成形金型を設計する上では、プラスチック材料の成分や化学構造式は、さほど気にかける存在ではありませんが、ここで少し原材料の化学構造式について、振り返ってみましょう。 【表1】には、主要なプラスチックの化学構造式を示しています。 構造式の中の記号は、以下の意味を示し
- 一般に、荷重たわみ温度が150℃以上のエンジニアリング・プラスチックのことを、「スーパーエンプラ」と称しています。 スーパーエンプラは、21世紀の新しい製品に多用されるものと予測されている近未来の材料です。 スーパーエンプラの代表的な材料の概要は下表の通りです。