形状記憶ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)以上に温度を上げると柔らかくなり、Tg以下に温度を下げると硬くなり、形状が固定されます。再度温度をTg以上に暖めると、最初に賦形した形状に自律的に回復する機能を持っています。
このような変化は、形状記憶ポリマーの弾性率の変化によってもたらされます。
形状記憶ポリマーはこのような特徴を応用して、以下のような部品に採用されています。
- スプーン
- 歯ブラシ
- 人工毛髪
- 付け爪
- 締結部品
- 玩具
- 宇宙展開構造体
- エンジン用オートチョーク
- 医療用カテーテル
- 靴
- 制振部材
- 眼鏡部品
- スイミングウエア
- おむつカバー
- 生鮮食品鮮度保持容器
- 花粉症対応マスク
形状記憶ポリマーは、形状記憶以外にもガス透過性、屈折率、誘電率、体積膨張率、エネルギー散逸特性などに優れた特徴を有しています。
今後は、宇宙用途、医療用途、生活用品などに、そのユニークな特性を活かした商品開発が進められていくと考えられます。
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- 参考文献:『形状記憶ポリマー複合材の開発』プラスチックス、2006年1月号(島村宏之、石澤淳一郎、林俊一)