熱可塑性エラストマーは、TPE(Thermo Plastic Elastmer)と俗称で呼ばれている、ゴム状の軟質特性を持った熱可塑性プラスチックです。
一般にゴムは、熱硬化性であり、射出成形加工は極めて困難であるとされてきました。
しかしながら、射出成形が可能で、ゴム状の成形品が得られれば、低コストで生産が可能であることから、TPEの商業化がさまざまに研究されてきました。
現在では、下記のような種類のTPEが実用化されています。
・ | オレフィン系エラストマー 文房具、雑貨、自動車部品、建築部品などに採用されています。 |
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・ | スチレン系エラストマー | |
・ | ウレタン系エラストマー スポーツ分野、アウトドア分野、医療分野、食品分野などで採用されています。 |
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・ | ポリエステル系エラストマー 硬度がやや高いのが特徴。通信分野、電気分野で採用されています。 |
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・ | 塩化ビニル系エラストマー 耐候性、耐薬品性が良港。自動車分野、建設分野で採用されています。 |
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・ | アミド系エラストマー 硬いタイプと軟質タイプがあります。自動車分野で採用されています。 |
TPEは、金型からの離型が困難ですから、離型の構造を金型において十分に検討をする必要があります。また、金型の温度制御も重要になります。
キャビティ、コアの表面粗さも適切に加工する必要があり、場合によっては表面処理も必要になります。