その他加工:洗浄
- 概要 小ロットの洗浄処理のための簡易洗浄器の仕様と洗浄工程設計について解説し、この結果から描ける簡易洗浄器の構想図案(簡易自動化も可能)を示した。 解説 (1)小ロット生産の洗浄に適した簡易洗浄器の仕様 1)装置サイズ 簡易洗浄器は小型加工機で加工する時間内で加工機操作者が手動または簡易自動で洗浄を終えなければならない。このため、簡易洗浄器は加工機の操作場所から手が届く範囲に設置できる装
- 概要 生産方式が大量生産方式から多品種少量生産や1個流し生産への移行が必要となるなかでは精密加工ラインの洗浄工程も多品種化対応が必要となる。従来のロット単位の洗浄工程を多品種少量生産や1個流し生産に切り替えるための注意事項を解説した。 解説 多品種少量生産や1個流し生産に適合する洗浄工程の自動化には、次のような装置仕様が求められてくる。 必要条件-1.ムダの無い作業設計ができる装置仕様(
- 概要 自動化を前提に洗浄品質を安定化させるには洗浄かごや洗浄治具の適正構造が非常に重要。洗浄ワークの特徴(形状、強度、材質など)や要求品質を理解した上で専用設計することが望ましい。 解説 (1)洗浄と品質問題 ・部品やユニットの小型・高集積化や表示品質の高品位化などのニーズにより、これまで以上に洗浄品質の要求も高まっている。 ・洗浄品質に関係がある品質問題では、(1)接着強度低下や(2)
- 概要 精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用されるが、この超音波洗浄の洗浄エネルギーの発生位置を検知し、この最適位置で洗浄できるように洗浄かごを設計製作することがポイントである。 解説 (1)超音波洗浄エネルギー発生位置の検知方法 ・超音波洗浄の洗浄効果を向上させるには、洗浄かごの中で最適な位置に洗浄ワークを設置して洗浄することが重要。 ・したがって、使用する超音波洗浄装置の洗
- 概要 精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用されるが、洗浄エネルギーが大きい最適位置で洗浄できるように洗浄かごを設計製作することが洗浄効果向上のポイントである。 解説 (1)超音波洗浄の洗浄エネルギー ・精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用される。 ・この超音波洗浄の洗浄エネルギーは、洗浄槽の底部に装着されている超音波発振子の性能と配置数でほとんど決まる。 ・この超
- 概要 隙間に残る液状汚れは洗浄処理が難しい。ここでは、隙間に残る液状汚れの洗浄処理のための前処理法を解説した。 解説 (1)取れない汚れの例 ・小さな部品を重ねて洗浄処理した場合や2枚のガラス基板が接着された液晶表示部品の洗浄の場合などでは、工程内の異物、液状薬品や洗浄液などが毛細管現象のために隙間に侵入しやすく、これを除去するのが難しい。 ・隙間に液状の汚れが残った状態で乾燥させてしま
- 概要 生産工程内での洗浄処理の原理・原則を理解した上で、生産技術的に洗浄品質を効率的に実現するかを考えるための流れを解説した。 解説 (1)洗浄の原則 クリーンルーム内での作業の原則は次の3つです。 1. コンタミネーションを持ち込まない 2. コンタミネーションを出さない 3. コンタミネーショ
- 金属の洗浄 電気めっきをはじめ、塗装やコーティング、エッチングなどの表面処理を施すためにはその表面を清浄化する必要があります。一般的にはこれらの工程は、目的の表面処理に対して前処理と呼ばれています。 清浄化の目的は、素材表面に付着した油脂や、生成した酸化膜などの「汚れ」を「洗浄」によって除去して素地の地肌を露出させることです。この工程を確実に実施しないと、素地の上に生成させる各種の皮膜の
- 金属洗浄工程 金属洗浄のプロセスは、被洗浄物の材質や大きさ、汚れの程度や洗浄目的などによって異なりますが、一般には大体、次のようなものであります。 (1)機械的前処理 重度な汚れである赤錆やミルスケール、大気中での熱処理のスケールなどは、従来は酸によるピックリングで除去されていましたが、環境保全の立場から、ショットブラストなど水を使わない汚れ除去方法が採用されています。 表面処理後の
- 金属イオン封鎖剤 水は、カルシウムCaやマグネシウムMgなどの金属イオンを含有しており、その量が多いと石鹸の泡立ちを妨害して洗浄効果を妨げることは、よく知られております。工業的な洗浄においても、これらのイオンはアルカリと反応して不溶性塩となるので有害であります。 これらの金属イオンを不活性にして洗浄効果を高めるものを金属イオン封鎖剤といいますが、次のようなものがあります。 (1)無機系イ
- (5)乳化力 界面活性剤溶液は、液状の親油性汚れを、微細で安定な小液滴に乳化分散させます。界面活性剤の分子は、疎水基を油滴中に入れ吸着します。これによって生成する乳化物は、O/W型(水中油滴型)乳化物であります。【図1】(a)に示します。 これに対して、油性液中に水滴が乳化した場合には、W/O型(油中水滴型)乳化物になります。【図1】(b)(c)に示します。一般に、このような乳化物をエマル
- (2)界面吸着 分子状に溶解できずに過飽和になった活性剤分子は、親油基の水から離れようとする力と、親水基の水中に留まろうとする力のバランスする自由エネルギーの最小になる位置である水と空気、水と容器との界面に集合・吸着します。 (3)ミセルの形成 吸着すべき界面の得られない残り大部分の活性剤分子は、その不安定な自由エネルギーを最小にするために、親水基を水に向けた集合体ミセルを形成して溶存
- 水系の湿式金属洗浄においては、界面活性剤の存在なしではその効果は期待できません。酸洗い浴、アルカリ脱脂浴、活性化浴などに少量添加された界面活性剤は、金属表面に生成・付着した汚れに対して、浸透、吸着、乳化、懸濁、分散、発泡、表面張力低下などの作用をして洗浄効果を高めています。 つまり界面活性剤は、酸のように酸化皮膜を溶解したり、有機溶剤のように油脂を溶解除去する主役ではありませんが、それらの主
- (3)固形物 金属製品の表面には、次のような汚れが存在しています。すなわち、加工による金属表面の化学変化による生成物、単純に付着したゴミや埃、防錆油や潤滑油などとの油膜に付着したゴミや埃など、有機・無機性の固形物の汚れが付着しています。
- 話題を変えて、金属など表面処理の対象となる素材の洗浄について考えてみましょう。 通常、表面処理は、次のような工程で行われます。 めっきなどの表面処理を施す場合、直ちに、めっきという表面処理ができる訳ではなく、必ずその準備工程が必要です。それが、めっきの前処理工程で、めっき素材表面を、めっきが可能の状態にする工程です。これは、素地(最近は、金属に限らずプラスチック、セラミックなども対象
- イオン交換塔の組み合わせにはいろいろありますが、めっき排水の浄化のための組み合わせ例を【図1】に示します。各イオン交換塔が吸着できるイオンの種類がよく理解できると思います。 このような吸着特性をもとに、次のような分野で使用されて効果をあげています。
- イオン交換樹脂を用いて水を浄化する方法は、純水製造部門などで古くから採用されてきました。これをめっき排水など表面処理の工程に利用しようとするものです。 イオン交換樹脂には、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂があり、これらにそれぞれ強酸性・弱酸性、強塩基性・弱塩基性の樹脂があります。これらのイオン交換樹脂を充填した塔を、イオン交換塔といい、塔の上部から下部に向かって通水します。このとき、イオン
- 向流多段水洗をする前に、僅かな水量で水洗効果の高いスプレー水洗を採用したシステムを【図1】に示します。
- 表面処理工場で使用する水の大部分が洗浄用水といっていいでしょう。前処理から始まって、めっきやアルマイト、化成処理、それらの後処理に至る一連の工程で、それぞれの工程ごとに水洗が行われ、次の工程へ移動しています。この洗浄水の使用量を削減しようとするのが節水対策です。 通常「水洗」は、少しずつ水を流した水洗槽で行われます。つまり、めっき液などが付着した製品を水洗槽中に浸漬して、めっき液を水中に拡