FRPとは、Fiber Reinfoeced Plastics の略称で、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等)にガラス繊維やカーボンファイバー等を混ぜて強化して成形品を造る方法です。モーターボートや住宅建材などの大型の強度が必要な成形品に採用されています。FRPの製造方法では、金型を使う場合は限定的で、大半は金型を使用しないで成形品を造ります。
FRPの製造方法には以下のような方法が実用化されています。
1.バルクモールド法(BMC)
ガラス繊維のショートファイバーを熱硬化性樹脂と混ぜて、熱硬化樹脂専用の射出成形機で射出成形するか、トランスファー成形機で射出成形を行う方法です。比較的短い成形サイクルで量産加工ができますが、金型の設計ではノウハウを駆使しなければなりません。
2.ハンドレイアップ法
ガラス布を切断して型(マスター)の上に手で積み上げて、樹脂をはけやローラーで塗布して、硬化した後にマスターから取り外しで製造する方法。
3.スプレイアップ法
ガラスロービングを切断したものを、2液性の樹脂と一緒にスプレーガンからマスター型へ吹き付けて、硬化した後にマスターから取り外して製造する方法。
4.マッチドダイ法
ロービングを切断し、熱硬化性樹脂を吹きつけて加熱してプリフォームをつくる。そしてこれを金型に入れてからプレスで加圧加熱する。
5.フィラメントワインド法
熱硬化性樹脂に浸漬したロービングをマンドレルに巻き付け、加熱硬化してマンドレルを引き抜いて製造する。
6.シートモールド法(SMC)
熱硬化性樹脂とガラス基材をフィルムではさんで、ローラーを通して連続シートとし、切断して金型内に積んで、プレスで加圧加熱して製造する。
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- 参考文献:青木正義,プラスチック成形品設計,(株)工業調査会