動力伝達要素
- 【手順1】有効張力(Fe)を計算します 【手順2】条件により調整後張力を計算します 【手順3】チェーンの許容張力を計算します 【手順4】許容張力と調整後張力を比較します 【手順5】所要動力を計算します 【手順1】有効張力(Fe)を計算します Fe=g・(m・Lc・μR+(m+M)・(Lc-A)・μR+MA・A・(μc+μR)+m・A・μR)
- 選定方法 寿命 検討(選定) 計算(寿命計算例) 定格寿命計算例 選定方法 ストローク、および下記定格一覧から、LXアクチュエータの呼び形式を選定。 使用速度が、(表2)に示した最高速度以内になるようにボールねじリードを決定。(この時点では、仮選定となります) レール部に作用する荷重を検討し、「計算(寿命計算例)」の「等価荷重」にある①式 もしくは②式に代入。
- 機能と特長 ベアリングとV溝(70°)が一体構造です。 専用の両刃レールは台座付きであり、直接プレートに取り付けて使用できます。 ミリサイズでの展開です。 使用例基本構成 荷重・寿命計算の例 <使用型式> ホイール:MVH25 レール:MVR25 <使用条件> 下図の様に中心からのオフセット50mmで30Nの荷重を運搬します。
- 以下の選定手順は、ヘッドプーリ *1 とテールプーリ *2 に同サイズのプーリを用いることを前提としています。 (ヘッドプーリとテールプーリのサイズが異なる場合でも手順3までは同様です) ヘッドプーリが駆動プーリとなるようにしてください。 また、ベルトの取り付けと張力管理のため、従動側は押しねじ等によりアラインメントと軸間距離が調整できる構造としてください。
- ベルト部位の名称 ベルト交換時期の目安となる事例 ベルト部位の名称
- 早期破損要因とその対策 プーリアライメントについて 早期破損要因とその対策 異常の現象 要因 処置 ベルト側面異常摩耗 プーリアライメント不良 プーリシャフトの平行度不足 プーリフランジの曲がり アライメントを再調整する
- 選定されたベルトの心体の許容応力の適否を、下記の手順により確認してください。 1. 有効張力の計算 2. 所要動力 3. 電動機出力 4. ゆるみ側張力より計算した最大張力 5. 初張力より計算した最大張力 6. 許容応力の確認 1. 有効張力の計算 有効張力は公式1により計算します。
- 【手順1】使用条件の確認をする 【手順2】チェーンの決定 【手順3】許容張力を確認する 【手順1】使用条件の確認をする 下記の条件に適合しているか確認をしてください。
- 基礎シリーズ第5弾。てこの原理で地球も動かせる?倍力機構の概要&てこ、トグル、クランク機構を用いた使用事例をご紹介
- 基礎シリーズ第5弾。てこの原理で地球も動かせる?倍力機構の概要&てこ、トグル、クランク機構を用いた使用事例をご紹介 倍力機構とは / てこ機構 トグル機構 倍力機構の使用例 倍力機構② トグル機構 トグル機構は2つのリンクとスライダーから構成されるリンク機構の一種であり、入力によって部材が入力方向に移動し、倍力構造によって出力が増大する機構です。
- 基礎シリーズ第5弾。てこの原理で地球も動かせる?倍力機構の概要&てこ、トグル、クランク機構を用いた使用事例をご紹介 倍力機構とは / てこ機構 トグル機構 倍力機構の使用例 今月の特集では、倍力機構の定義、倍力機構に使われている機構と例を分かりやすくご説明いたします。 最後には、地球を動かせるために必要なてこの長さを計算した結果も公開していますので、ぜひご一読ください!
- カップリングとは? バリエーションと特徴 カップリングの選定方法 カップリングとモータの種類 カップリングとは? カップリングとは、モータと回転軸(シャフト)を繋いで動力を伝える カップリング(軸継手)とは、軸と軸をつなぐために使われる機械の要素部品です。例えばモータの出力軸と発電機とをつなぐ場合や自動車の回転軸と車軸とをつなぐ場合などに使用されます。
- カムフォロア / ローラフォロアとは バリエーションと特徴 ユーザーの声 カムフォロア / ローラフォロアとは カムフォロアやローラフォロアは従来自動機、専用機のカム機構として多く使用されてきましたが、近年工作機械・印刷機械・プレス機械、搬送装置、コンベアなどのガイドローラとしても幅広く取り入られています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
- ボールねじは大きく「研削ボールねじ」と「転造ボールねじ」の2つに分類できます。ボールねじを構成する部品は「研削ボールねじ」と「転造ボールねじ」では大きな違いはありません。したがって、ボールねじの製造方法の主な相違点は、(1)ねじ軸の造り方、(2)ボールねじの性能に応じた性能の造りこみと検査の2つといえます。以下に概要を解説します。 (1)ねじ軸 ねじ軸の製造プロセスを単純化すると、次の流
- ここでは、超精密位置決め用ボールねじの寿命(広義の寿命)について、事例を用いて解説します。 与圧ボールねじの場合の寿命異常について 国内のモノづくりの高付加価値化指向に伴い、ボールねじの性能は超精密高剛性性能の使用頻度も増加しています。この様な製品の場合には、前回の寿命時間の算出値とは異なる、局部的な損耗等による性能劣化(位置決め性能の劣化)が寿命となってきます。 以下のデータは、
- ボールねじは鋼球を用いた転がり軸受の技術に基づく製品設計のため、製品の寿命時間に関する算出式など、理論体系がしっかりしています。
- ボールねじの静音化は、ボールねじが使用される環境が過去の生産工場のみではなく、オフィスや病院、食品産業の生産ラインなど静かな環境(すなわち、騒音レベルの低い環境)で使用される場面が増えている事によります。さらに、静音化は省エネや長寿命化にも繋がる機能向上のため、必然的な性能アップのニーズです。 (1)ボールねじの静音について 転がり軸受や転がり軸受方式の直動案内のリニアガイドとボールねじ
- ボールねじの高速化は、電子部品の実装機やロボット、NC工作機械の重要ニーズへの対応課題の一つです。ここでは、高速化のための技術について解説します。 (1)ボールねじの高速化 ボールねじはモーターの回転を直線運動に変える機構要素のため、高速化は次の2つの手段となります。 (1)1回転に対する直線運動距離を長くする → 大リー
- 送りねじは、回転運動を直線運動に変えたり、大きな力を発生させるために使用する機構要素です。送りねじの種類と求められる性能は、次の内容です。
- 高精度でかつ高剛性が求められるボールねじには、方向変換時のガタをゼロにする目的で「予圧ボールねじ」が選定されます。ここでは、予圧の測定法と実際の測定・管理データ等で予圧管理について解説します。 (1)予圧動トルクの測定法
- ボールねじの送り精度を向上させたり剛性を増大させる手段に、ボールねじの「予圧」があります。ボールねじのねじ溝と鋼球の間にある僅かな隙間の状態が、ボールねじの特性を大きく変えます。 ミスミのFA用メカニカル標準部品カタログでは、ボールねじ選定表の「軸方向すきま」の欄に *予圧品 *0.005mm以下 *
- ボールねじの精度に関係する用語を解説します。
- ボールねじの精度は「精密ボールねじ」について、JIS B 1192で規定されています。ここではボールねじの精度と等級について解説します。 ボールねじの精度を決める主項目は「リード精度」(注記参照*)です。この「リード精度」と「外観」の2項目の評価を「ボールねじの等級」と呼んで品質の区分をします。
- ボールねじは、ナットの内部で鋼球をねじ軸のボールねじ溝に沿って循環させることで、ナットを直進運動させています。このナット内部での鋼球の循環方法により、ボールねじの運動特性が変わってきます。ここでは鋼球の循環方式について解説します。 鋼球の循環方式には、次のような方式があります。
- 標準的なボールねじは、次の部品構成で組立てられています。 この構成は、リニアガイドの構成と比較すると理解し易いでしょう。リニアガイドは単純にレール案内に沿って直進運動するユニットですが、ボールねじは、ねじ軸の回転でナットを直進運動させるユニットです。
- 物を浮かさずに移動させるときに起きる摩擦抵抗は、コロの発明で画期的に小さくなりました。砂を撒いて大きな石を引きずるよりも、コロの上に石を載せて引く方が各段に弱い力で動かすことができます。前者が直動すべり軸受で、後者が直動転がり軸受に当たります。 ボールねじは、直動転がり軸受の原理を応用し回転運動を直進運動、または、その反対に変換できる機械部品で次のような特徴を持っています。 ボールねじの
- ボールねじの基本構造は、2007年から133年前の1874年にプレス機用の直動送り機構として米国特許が出されています(【図1】)。 実用普及は1950年代に米国製自動車のステアリング部品に採用されてからです。【図2】は、ハンドル軸の奥の部分にあるボールねじ応用機構のステアリング装置の構造例です。
- ローラコンベヤの設計前に、搬送ワークの特徴を十分に把握したうえで、ローラコンベヤの構造を決める必要があります。 (1)ローラコンベヤの条件 搬送物は外形、重量、壊れ易さなどありとあらゆる条件が伴います。したがって、コンベヤ設計に着手する前に満足すべき条件<下表例>の整理が重要です。
- (1)カップリングとは モータと回転駆動機構を結合する機械要素の一つがカップリングで、高度なデジタル制御装置の導入とともに回転伝達機構に対して、高精度・高剛性・高速化の要求が向上しています。 (2)カップリングの役割 回転モータと軸(ボールねじなど)を連結させる場合、高精度に連結できても可動時には次のような変動状態が生じます。
- エアーシリンダのピストンロッドを、可動体に連結させる方法を紹介します。 エアーシリンダのピストンロッドとの連結方法 (1)直動機構の連結方法の原則 直動機構は、次の2方式が代表です。
- 軸の固定には、2本の軸を連結させる方式や、動力やトルク伝達のために軸とボスを締結させる方法があります。ここでは後者の動力、トルク伝達のための締結方法をまとめて紹介します。 (1)軸とボスの締結方法 軸に取り付けられる機械要素側をボスと呼びます。以下に軸とボスの締結方法の代表を示します。 ■キー締結法(【図1】参照)
- 摩擦締結式メカロックには、モータ軸とスプロケットの締結法(動きを持つ構造設計-36)で紹介したテーパスリーブ形状以外に、シングルコーン形状、ダブルコーン形状があります。 以下にそれぞれの構造や特徴を解説します。 (1)シングルコーン形状メカロック(MLM、MLMP、MLHS)の構造と特徴 テーパ形状のインナーリングを持つ加圧フランジを、ロックボルトの締付けナットが加工されたテーパ形状の
- 同軸で回転する2つの物体(軸とハブ:軸とスプロケット、歯車、プーリなど)の締結方法には、(1)キー締結法、(2)ねじ締結法、(3)摩擦締結法などが挙げられます。
- ワーク搬送コンベヤのベルトの動きは一定の低速運動が通常のため、ここでは駆動源として、減速比60のギヤヘッド付きインダクションモータを採用しています。この動力をコンベヤを動かす平ベルト用プーリに高効率で伝えるために、ここではチェーン伝動機構(【写真1】)を採用しています。 (1)チェーン伝動機構の特徴比較 代表的な動力伝達方式の比較表を示します。ここでは、高い伝動効率と設計のし易さ(軸
- ワーク搬送コンベヤの場合は、コンベヤ上に搬送物を載せて移載させるため、コンベヤ裏面側に搬送物を支える構造が必要です。ここでは、コンベヤ高さに対する位置調整が簡単で、ローコストな搬送物支持部品(搬送ブラケット)を解説します。 (1)搬送ブラケットとコンベヤの配置関係 ここで事例としたワーク搬送コンベヤの場合は、次の3種類の姿勢がコンベヤ上の3箇所で生じます。それぞれの箇所で非接触センサがワ
- ここでは、ワーク搬送コンベヤのコンベヤ張力の調整が簡単にできる張力調整機構とその設計を解説します。平ベルトを持つ機構は摩擦伝動で回転トルクを伝達させる装置であるため、コンベヤ張力、プーリとベルトの接触角、摩擦係数が重要な設計パラメータとなります。特にコンベヤ張力は摩擦力に直接影響する項目であり、この調整が不適切な状態ではベルトの蛇行などのトラブルが多発するため、コンベヤ張力調整機構は非常に重要
- ここでは3ステーションの自動停止機能を持つワーク搬送コンベヤ(【写真1】)を事例に、LCA(ローコストオートメーション)の機構設計を解説します。 (1)ワーク搬送コンベヤを構成する主な機構要素 コンベヤ上に運ばれてきたワークを位置決めし搬送する簡易自動機(LCA)で、例えば、搬入—位置決め/検査ー排出前停止などの一連の操作のための補助装置として応用できます。次の機構要素で構成されていま
- ステッピングモータ(ここでは5相タイプ)は、1回転を500ステップに分割し、基本ステップ角0.72度を制御単位として、回転角度と速度を簡単に制御することができるモータです。ここでは同一のステッピングモータ励磁方式の切り替えによる高精度化手法を紹介します。
- ここでは、ボールねじの両端軸受の構造と設計のポイント、便利な調達法を紹介します。 (1)ボールねじ軸の両端支持法 ボールねじ軸の支持方法は、固定—固定、固定—支持、固定—自由の3種類がありますが、一般的には固定側と支持側の両端支持法です。それぞれボールねじにモーメント荷重、ラジアル荷重が過大に負荷されないよう軸受との組付け精度が重要です。 固定側では軸受内輪をはめあい寸法で軸に固定し、
- 回転モータの回転トルク(力)や回転数(移動距離)をボールねじに正確に伝動させる場合、採用した伝動機械要素の特徴で組立作業の難易度、精度、寿命/信頼性などが変わってきます。ここでは、カップリング継手について解説します。 (1)カップリングの役割 回転モータとボールねじの2本の軸を連結させる場合、初期状態(静止状態)で如何に高精度に連結させても、可動状態では次のような連結状態の変動要因があり
- ここでは、小型・安価でモータの使い方が簡単なステッピングモータとタイミングベルトを採用した1軸ロボット(【図1】参照)を例に、ステッピングモータの必要精度を解説します。 (1)モータに必要な回転精度の算出 モータの回転運動を直進運動に置き換える機構の場合、直進運動機構に必要な位置決め精度と、それを制御するためのモータの回転精度の関係は次式で算出できます。
- ステッピングモータとACサーボモータの使い分けについて、位置決め制御方式や駆動機構の剛性の違いの面で解説します。 (1)「位置決め制御方式」の面での使い分け 位置決め制御方式は、ステッピングモータ(動きを持つ構造設計-11)、サーボモータ(動きを持つ構造設計-12)で解説しています。 位置決め精度は、その位置精度を一定時間保つ性能が必要です。2種のモータの位置停止精度の原理を説明
- ステッピングモータとACサーボモータの使い分けについて解説します。 (1)「回転速度—トルク特性」の面での使い分け 2種のモータの回転の原理と構造の違いから、「回転速度—トルク特性」に違いがあります。このトルク特性の違いに対して、LCA(ローコストオートメーション)構造上の直動伝達機構(ベルト機構、ボールねじ機構など)、移動ストローク長、稼動体重量や位置決め時間、精度のそれぞれの条件に見
- サーボモータもステッピングモータ(動きを持つ構造設計-11)も、それぞれの名称がモータの特徴を表現しています。ステッピングモータは、ステップ状(正確にはパルス状)の指令信号に応じて回転が制御されるモータです。今回のサーボモータは、サーボの語源Servant(召使い・・・言いつけどおりに働く意味合い)のように回転制御できるモータといえます。 そのために、ステッピングモータにはない回転検出器(エ
- シーケンスプログラムで駆動制御ができる電動アクチュエータは、運動制御が可能なため「位置決め性能」や「多機種化対応」に優れています。また回転方向変換やブレーキ機能付き、トルク検出式など多彩な付加機能を持つモータもあります。ここでは、LCA(ローコストオートメーション)に適する制御が簡単なステッピングモータについて解説します。 (1)ステッピングモータとは モータの回転制御(回転角度、回転速
- 小型モータの用途は、電気を回転力に変換し動力用モータとして使用する場合と、回転位置や速度を制御して使用する制御用モータに分類できます。LCA(ローコストオートメーション)のアクチュエーアとしては後者の用途が多いでしょう。 ここでは、各種の小型モータの特徴を紹介します。
- 動きを持つ構造設計では、採用する駆動アクチュエータの出力やサイズを選定するために、慣性モーメントや角加速度、摩擦トルクなどの検討が必要な場合があります。ここでは、ボールねじやカムなどの回転運動の機械要素の技術解説にでてくる用語に馴染みましょう。 (1)慣性モーメント 直進運動と回転運動の運動方程式の比較から、
- 直進運動の場合は、移動体の位置、速度、加速度は直交座標系(X軸-Y軸座標系)を使用するため、表現法も直感的な理解度も得られやすい。一方、回転運動は直行座標系ではなく、極座標系を使用するため慣れていない面があります。 ここでは、直進運動の直交座標系と比較しながら、回転運動の極座標系の表現法を解説します。 (1)直進運動の諸量 直進運動の諸量とその単位は次の表です。
- 電動モータの仕様に出てくるトルク(Torque)について解説します。 (1)トルクとは 一般に、直線運動は電動モータの回転の力をボールねじやカムーリンク機構などの変換機構により作り出されます。そして、この直進運動が持つ力で移動体の運動制御を行います。このように、直進運動に伴う力に相当するのが、回転運動のトルクです。 (2)トルクの計測法 トルクとは、回転における力をあらわす言葉
- 動きを持つ機構では、移動体が動くため次のような変化が生じています。 移動体が位置を変える(=速度を持つ) 速度の変化をもつ(=加速度が変わる) 直進運動では方向が繰り返し変化する そのため、実際のLCA(ローコストオートメーション)機構には変化を持つ荷重状態が生じています。ここでは静止状態と運動状態の荷重の種類を紹介します。
- アクチュエータを持つ簡易自動機(LCA:ローコストオートメーション)では、慣性力を無視して設計することは出来ません。慣性力の大きさが加速度に比例するため、位置決め停止の制御や、生産性の向上のための機械の高速化を必要とする場面に課題として現れます。 (1)運動方程式と慣性力 質量mの物体に加速度αが作用するとき、その物体に働く力Fとの間に次式(運動方程式)が成り立つ。
- アクチュエータを持つ簡易自動機(LCA:ローコストオートメーション)の設計は、機械の寸法や重量、強度などのほかに速度、アクチュエータに必要な負荷の大きさを決めなければなりません。 以降では、操作性・制御性・高精度に優れる電動モータと、出力/重量比が大きく速度調整が容易な空圧シリンダを例に、力学とLCAを解説します。 (1)直線運動機構と力学の関係 【図1】は代表的な直線運動機構です。
- 簡易自動機(LCA:ローコストオートメーション)は、次の基本構成からなりたっています。 (復習:「LCA(ローコストオートメーション)の構成要素」)
- 倍力メカニズムに利用される「てこ」を連結させて「複式てこ」として応用する場合を解説します。これは単純なシーソー型の法則による倍力作用と、力の方向を変える変向作用を同時に実現することが出来ます。 【図1】−a)は、複式てこ方式の倍力メカニズムの解説図です。腕の長さの比と力の釣り合いの関係から倍力(F)の式が導かれます。 【図1】−b)は、複式てこ方式を応用した簡易治具(道具):ブロックホ
- 倍力機構の最もシンプルな形は遊園地にあるシーソー型です。この単純形では倍力メカニズムは支点から力が働く点までの距離(腕の長さ)の比で決まります(【図1】)。シーソー型の応用例は瓶ビールの栓抜きが挙げられます。 ベルクランクとは、シーソー型の倍力機構が曲がった形状ものです。倍力メカニズムはシーソー型と同じ法則ですが、クランクが曲がっているため、腕の長さを力の作用方向に対して垂直にとるため
- ここでは、ピストンークランク機構を基本構造とするプレス機の倍力機構の例を解説します。 下図の【a】がプレス機の概略図です。『クランクOA』には偏心ディスクが用いられ、回転中心Oよりも下にディスク中心(重心)が来たときに、偏心ディスクの重量がプレス加工に作用するようにしたものです。 【b】は【a】のプレス機をスケルトン法で表現したものです。この【b】の『節A』における力のベクトル成分と、
- 小さな力で大きな力の作用が得られる機構を倍力機構と呼びます。この倍力機構を構成する機械要素には、リンク、てこ、ねじ、くさび、ギヤ、滑車などがあります。ロボットコンテスト(通称:ロボコン)の軽量アームには、単純な機構で倍力効果が得られるリンク機構が良く用いられています。 また、重量物を持ち上げるのにてこを使用するのも倍力機構の応用例です。この場合は、重量物を小さな力で持ち上げることができますが
- 回転軸が同一平面にあり、その2軸の成す角度が90度以上の機構の場合に、コイルばねを用いて2軸を連結させ、原動軸の回転を従属軸に伝えることができます(【図1】参照)。 このコイルばねを用いた連結—変向機構は、従動軸側の角度が90度以上の範囲である程度自由に変更できるため、伝達角度のフレキシビリティ性を利用して、対象製品のランク分けや組付け調整を要する機構などに応用できます。 多機種化対
- 原動体の力を従動体に伝える場合に、機構設計上の配置や大きさなどの制約を解消させる機構要素として変向機構があります。これは原動体からの力や運動の方向をそのまま利用せず、向きを変える機構のことです。ここでは2回に分けて代表的な変向機構を紹介します。 (1)ベルクランクを用いた変向機構 【図1】は90度のベルクランクで同一平面にある2個のリンクの運動方向を変更させた例です。 ここでベル
- 欠歯歯車を用いた間けつ運動機構では、従動軸側が原動軸からの力を受けて間けつ運動した後、回転せず停止した状態のままとなるよう錠止機構(爪やフックなど)を持たせます。ここでは、摩擦車を用いることで制動機構のない簡便な間けつ運動用「からくり治具の素」を紹介します。
- 等速で回転している原動軸から伝わる運動を、周期的な始動と停止運動を行う間けつ運動に変換させるための「からくり治具の素」を解説します。
- 回転運動を左右方向の揺動運動に変換させる「からくり治具の素」を紹介します。 【図1】はその代表機構図です。この機構を用いて、基本的な機構設計を解説します。 リンク機構において0軸(駆動軸)を中心に回転するクランク(1)と、もう1方の回転軸0' 軸を中心として揺動するリンク(3)とを連結リンク(2)で連結させると、0軸側のクランクの1回転に対してリンク(3)が左右に揺動運動を行ないま
- 回転運動を回転軸に垂直方向に直線運動変換し、その運動がもつ力を増大させる倍力機構の「からくり治具の素」を紹介します。 【図1】がその機構図です。 応用例 接着剤膜厚の均一化のプレス機構 印刷用プレス機構 平坦度修正機構 標準部品の選定のアドバイス 【図1】の部品ではシャフト(30度台形ねじ、左右ねじ)(1)、ナット(2)、プレス板(3)、リンク(4)、ナックルジョイ
- 回転→直線変換機構の代表的な機械要素にカムがあります。カムの応用例について紹介します。 カムの優れた特徴は下記です。 カムの軌跡を伝達される出力端で、速度・加速度・躍動などの運動特性を任意に実現できる。 リンク機構との組合せでシンプルな構造で小型・軽量・高剛性の機構が実現できる。 複数の動作をオーバーラップして制御可能なため、全体のサイクルタイムを短くできる。 信頼性が高い
- 回転運動はねじにより直線運動に変換できます。ここではねじの構造を工夫することで直線運動を多様に制御できる「からくり治具の素」を紹介します。ここでは「おねじ」と「めねじ」をカムと考えて利用しています。 【図1】は1本の送りねじシャフトに2個の逆ねじを持たせた「からくり治具の素」の機構図です。 右端のハンドルを回転させると、逆方向の2つのねじと対をなす2個のめねじ側のスライドブロックが
- クランク回転を直線変換し、その直線運動のストロークを2倍に増長させる「からくり治具の素」を紹介します。 【図1】がその機構図です。 構造は、「回転→直線変換機構1(からくり治具の素)」の標準的なスライダ・クランク機構のスライダを歯車に置き換え、さらに、スライダのガイド構造を固定ラックと可動ラック構造に変えたもの。原動軸側のクランク運動が歯車に伝達され、この歯車が固定ラック上を回転転動
- 前回ではスライダ・クランク機構の応用として、スライダのしゅう動ストロークの調節が可能な、多機種化の対応性を持つ機構例を紹介しました。ここでは、スライダ・クランク機構のロッド/スライダ部が簡単に交換可能な構造の「からくり治具の素」を紹介します。 【図】がロッド/スライダ部の交換が可能な機構図です。ロッド先端にクランクの回転端のヒンジピンに簡単に連結ができるU字型フックを製作したものです。
- 【図】aは、スライダとクランクをロッドで連結した代表的な回転運動→直線運動変換機構のスライダ・クランク機構です。この機構は、自動車のエンジンの往復直線運動を回転運動に変える機構としても利用されています(【図】a参照)。 【図】bは、【図】aと同様の機能を持ち、かつ、スライダのしゅう動ストロークの調節が可能な機構例です。しゅう動ストローク調節ねじは、回転ディスクの回転軸中心上に配置します。し
- からくり治具の素である運動機構のメカニズムは、駆動エネルギーを運動制御に変えるメカニズムで、運動の伝達と動力の伝達の2つの機能を持っています。1つの「からくり治具の素」は、その強度や材料を適切に選定することで、加工用にも制御用にも利用できます。 からくり治具の素が作り出す運動の種類は下記が挙げられます。