成形加工:射出成形
- [2023/4/10公開] こんな人におすすめ 射出成形工場の作業指導のポイントが知りたい ・指導しているつもりだけど、上手く伝わらない ・若手の育成方法が知りたい ものづくりの根幹は、人である。 射出成形工場では、さまざまな機械・装置が稼働している。これらの操作や管理をするのは人であるため、いくら機械やソフトウェアが進化したからといっても、人の指導は継続的に進めていくべき課題である。 射
- [2023/4/10公開] こんな人におすすめ ・射出成形工場の、見える化が急務な理由を知りたい ・効率改善を何からどんな風に進めればよいか知りたい ・各部署の連携が取れていなく、ムダが多い気がする 射出成形は、工場内の多くの人が協力し合って仕事をしている。 ・受注 ・生産管理 ・製造 ・品質管理 ・倉庫保管、出荷、在庫管理 ・人事、総務など 人が多くなれば生産性は上がる一方で、統率が取り
- [2023/4/7公開] こんな人におすすめ ・射出成形工場のコストダウンのポイントが知りたい ・コストダウンは何から始めればよいかわからない ・コストダウンで考慮すべきことを知りたい 昨今、物価上昇により射出成形工場の管理費は、増え続けている。 製造コストが上がった分、売値に反映できればよいが、ライバル企業との価格勝負や、値上げに対する悪いイメージがあるため、その上昇分を反映できず、利益が
- [2023/3/31公開] こんな人におすすめ ・射出成形の品質管理ポイントを知りたい ・品質のバラツキを抑えたい ・成形不良を未然に防ぐ対策を知りたい 製造業は、バラツキ管理が重要と言われている。 生産した成形品の100%が良品になることはありません。品質基準を外れてしまう成形品は一定確率で発生する。 不良率をいかに低減できるかが製造業のテーマである。 射出成形加工におけるバラツキは、さ
- [2023/3/31公開] こんな人におすすめ ・成形工場の改善を考えている人 ・射出成形工場で導入できる改善を知りたい人 ・どんな改善から始めれば良いか知りたい人 射出成形工場では、射出成形機を使って、ものづくりをしている。 お客さまから注文をいただいた成形品を、契約した品質で、必要個数、指定された納期に間に合うように成形することで、事業が成立する。 客先への売値は予め決まっているので、い
- [2023/3/30公開] こんな人におすすめ ・射出成形におけるスクリュー清掃のコツを知りたい方 ・スクリュー清掃の頻度や消耗具合の確認方法を知りたい方 ・あると便利なおすすめグッズの紹介 射出成形加工は、樹脂をシリンダーで圧縮溶融し、高圧で充填する加工方法である。連続成形を続けていくと、スクリューには樹脂が炭化してこびりついていく。 この炭化物が、剥がれ落ちて成形品に練り込まれてしまう。
- [2023/3/17公開] ものづくり業界は今、以下のようにとても厳しい状況に立たされている。 ・原油高・円安による原料費の大幅値上げ ・人件費の高騰、人手不足 ・もの余り 効率良く生産し、最大の利益を上げられる最適なシステムづくりが求められている。 今までは、製造ラインに人が張り付き、1点1点を目視で検査していた。人件費や管理費の高騰を受け、従来と同じやり方では、利益が出しにくくなってき
- [2023/3/17公開] 射出成形工場において、利益を最大化するには、稼働率アップ(止めない)・歩留まり率アップ(無駄なく使う)・不良率ダウン(不良品を作らない)の3点を最適化することが重要である。 本記事では、「稼働率アップ(止めない)」について解説する。成形機の停止時間を最小にすることで、稼働時間は最大になる。停止時間を最小にするポイントを軸に解説していく。 <こんな方にオススメ> ・
- [2023/3/16公開] 射出成形において、3点セットとスクリューは、成形品の品質に大きく関わる。3点セットは、溶融樹脂の計量と充填をコントロールする部品である。スクリューは、樹脂の溶融と圧縮混錬に大きく影響する部品である。今回は、3点セットとスクリューの予備保全について解説していく。 <こんな方にオススメ> 3点セットとスクリューの交換タイミングを知りたい 3点セットとスクリューが消耗す
- 製造業において、利益を上げるには、効率UPが求められます。 しかし、効率がUPして安全が損なわれては、結果として収益は上がりません。 製造業では安全が全てに優先します。 今回は、射出成形工場で起こりやすい事故、怪我と安全対策を解説します。
- [2021/12/24公開] 昨今、原油高の影響でプラスチック原料の価格はどんどん上がってきている。 プラスチック原料を作るのに必要な素材は原油であるため、今後さらに高騰、供給不足が予想される。 射出成形工場において、原料費は人件費に次いで高額である。一例として、 ポリプロピレン 160円/kg程度 ポリカーボネート 400円/kg程度 エンプラや添加剤の入った原料であれば、2,000円/k
- [2021/12/24公開] 成形工程において異物不良が起こる原因とその対策を解説していく。
- [2021/12/24公開] 異物不良撲滅に近道は無く、日々の積み重ねが重要であるが、ポイントは発生原因を未然に潰すことである。以下に異物不良の原因と対策を解説していく。
- 射出成形現場で使われる品質管理の用語について解説していく。 規格限界 特性要因図 度数分布 ヒストグラム 正規分布 管理図 抜取り検査 パレート図 規格限界 (1)まず 規格とは? 規格とは、言い換えれば基準のことである。購買仕様書(客先要求)やISOの取り組みなどで決められた規則や仕組みとも言える。 例えば
- 製造業における製造原価は、材料費・労務費(人件費)・経費(光熱費など)に分類されるが、射出成形工場における材料費の割合は高く、製品によっては売上単価の半分以上が材料費というものもある。つまり、材料費を適切に管理することが売上の増減に直結するということである。今回は、材料管理の中でも特に重要な粉砕材の管理について、粉砕材の混合比にフォーカスして解説していく。 混合比の求め方 1ショッ
- 射出成形現場で求められる生産管理の基礎知識として、出来高・売上・成形加工費の計算方法を計算例を交えながら解説していく。 まず初めに 生産管理とは? 出来高の計算 売上の計算 成形加工費(時間チャージ)の計算 まず初めに 生産管理とは? 生産管理とは、お客さまからの注文を、納期に間に合うように製造・調整することである。 射出成形における生産管理の主な業務は以下の通りとなる。
- 原料管理は「利益」に直結する大事な業務である。適切な原料管理を怠ると利益を引き下げる原因となる。原料管理の際に注意したい5つの基礎ポイントを解説する。
- 今回は、最小クッション値の役割と不良監視方法について、具体例を挙げながら解説していく。 まず初めに最小クッション値のおさらい 最小クッション値の役割とは? 最小クッション値による不良監視 注意点 まず初めに最小クッション値のおさらい 最小クッション値とは、充填した時のスクリュー先端が一番前に来る位置を指す。分かりやすく、図で見て行こう。 射出成形では、加熱筒にて樹脂を溶融させ
- 射出成形の製造工程は、プラスチック原料を原料タンクに投入することから始まるが、原料タンクが空、もしくはホッパー口から供給がされないと材料切れとなり、製造がストップしてしまう。今回は、材料切れが及ぼす影響、その原因と対策について解説していく。
- どの現場でもミスやトラブルは付きもので、小さいミスから、怪我をしてしまう事故まで、大小さまざまあり、その原因は多岐に渡る。 成形機や周辺機器の消耗・劣化によるもの 業務負荷の集中によるもの 新人による作業、久しぶりの作業、別担当者へ引き継ぎをした作業 作業内容を変更したこと など ミスやトラブルは1つでも発生すると、製造中断/納期遅延/設備破損/怪我などを引き起こしてしまうので、ミ
- 基本的な5つの射出成形法について、イラストを交えながら分かりやすく解説していく。 射出成形 押出成形 ブロー成形 カレンダ成形 圧縮成形 射出成形 射出成形はプラスチック成形の中で最も普及している 特徴:複雑形状製品の大量生産が可能 代表的な成形品:カメラボディ
- スクリュー式射出成形機の構造に関する基礎的な知識を、イラストを交えながら分かりやすく解説していく。 まず初めに スクリュー式射出成形機とは? スクリューの役割 計量 射出 スクリューの構造 スクリューの全体構造 スクリューの先端構造 まず初めに スクリュー式射出成形機とは? スクリュー式射出成形機とは、1本のスクリューでプラスチック樹脂を金
- 射出成形材料を着色するにあたり、基本的な4種類の着色剤とその混合方法について紹介していく。
- [2021/10/18公開] 射出成形現場における火災のリスクとその対策について解説していく。
- 成形機とセットで利用する金型は、成形機と同様に保守管理を適切に行う必要がある。扱いを誤ると、成形品のムラに繋がったり、金型寿命が縮まる原因になる。ここでは、保守管理のポイントとなる防錆・油取とりと保管時のポイントを解説する。 防錆・油取り 金型の保管と記録 防錆・油取り 錆は金型の天敵である。錆が発生してしまうと錆取りが必要となり、日頃の手入れよりもずっと手間がかかってしまう。錆を
- 金型の寿命を延ばしたり、金型破損によるお金や時間のロスを防ぐ為には、メンテナンスは必要不可欠である。また、金型が破損した場合は、適切な対処をすれば被害を最小限に抑えられる。ここでは、破損の種類と修理法、金型の磨き方について解説をする。
- 射出成形業において金型とは、射出成形機や周辺機械と同様に無くてはならないものである。金型が壊れてしまえば製品は作れず、金型の不具合は直接製品に影響を及ぼす。パーティングラインのバリが出ていれば、仕上げにバリ取りをしなくてはいけなくなり、冷却水管が詰まれば、冷却不足により、製品表面は波打ち(現場用語:メラ)、寸法は小さくなってしまう。 良品を成形するには「良い金型」が必須となる。金型の良し悪しを判断
- 射出成形機や周辺機器は、どこまでメンテナンスしているだろうか?新しく導入した設備も年月を重ねるごとに不具合が出るものである。現場からは「忙しさから推奨されている点検整備がおざなりになる」「さまざまな人に使われている」「設備メンテナンスの知識がない」などの声がよく聞かれる。こうした結果、設備にトラブルが発生し、気付いた時には手遅れになることも少なくない。一方で手のかけ方によって寿命が全然違ってくるの
- 成形条件の作り方は、金型形状や不良状況によって様々である。一概に「これが正解」というものはなく、顧客要求に合致することが重要だ。そしてそれは経験に勝るものはない。しかしながら、先に「知識」を付けることでトラブルやミスなどを防止することができるのも事実である。ここでは積極的に条件作りのチャレンジするために知っておきたい基本知識を紹介する。
- 射出成形機(インライン・スクリュー式射出装置)における、スクリューの炭化物蓄積は「練り込み異物」の原因になる。ここでは、その対策として利用されるパージ剤の役割や使用時、段取り替えのポイントについて解説する。 射出成形機におけるパージ剤の役割 パージ剤とは? パージ剤を使用する時のポイント 段取り替えのポイント 射出成形機におけるパージ剤の役割 プラスチック成形/射出成形は、以下
- プラスチック成形/射出成形の製造工程にて発生する成形不良の中で、異物・黒点は最も不良率の高いものの一つである。ここではその対策がなぜ必要か、確認方法、対策について解説する。 異物・黒点とその対策の重要性 確認の進め方 特定した物質別の対策 発生場所別の対策 異物・黒点とその対策の重要性 異物とは、大きく3つに分類することができる。
- 成形現場にて、機器のメンテナンスを怠ると成形品・成形機・金型・周辺機器においていろいろな問題が発生する。その結果生産計画に影響が生じかねない。そこでここでは、成形現場のメンテナンスの基礎知識として必要なメンテナンスの種類や引き起こす問題、メンテナンスの考え方や管理・改善計画について解説する。
- ひけ(sink mark)は、成形品の表面が収縮によって、ほんの少し凹んだりする現象です。外観表面を有する成形品では、品質不良になるケースがあります。ひけが成形品の表面に現れないで、成形品の内部に気泡(空洞)が発生する場合もあります。これはボイド(void)と呼びます。ひけもボイドも溶けたプラスチック樹脂が冷却固化する過程で、異常な収縮を起こすために発生する現象です。 これらの不良を防止す
- 射出成形の条件として、樹脂温度と保圧がありますが、これらには密接な関係があります。射出成形が可能な領域、言い換えれば良品が成形加工できる領域は、無限にあるわけではなく、ある一定範囲の前提が満たされた場合に限定されます。 【図】には、樹脂温度と保圧の2元関係を図示しています。 この図からは、次のようなことが判ります。
- 一般に、成形サイクルを構成している要素は、下記が挙げられます 1.型閉時間 金型が閉まるまでの時間です。金型の開閉時間は、射出成形機の型開きストロークと型閉速度によって左右されます。 金型は、質量がありますので、無闇に型閉速度を早くしすぎますと、金型が閉じる時に運動エネルギーにより金型が破損する可能性がありますから、ブレーキをかけることを考える必要があります。 2.充填時間 充填
- ショートショット(short shot)は、成形品の一部に不完全な充填が起きる現象です。 ショートショットには、性格的に2種類の原因が考えられます。 1つ目は、溶融樹脂が流動する途中で、流動先端部分が冷却固化するために発生するものです。 2つ目は、流動する過程で、流れの状況によって空気溜まり(エアトラップ、air trap)が 生ずるために発生するものです。 ショートショットの解決対策
- 射出成形加工されたプラスチック成形品は、2以上の成形品どうしを後加工で接合して製品にすることがしばしば行われます。一回の射出成形で加工できればよいのですが、アンダーカット形状がある場合などは2部品を作ってから、溶接などで接合しなければならない場合もあります。 プラスチック成形品の接合加工法としては以下の方法があります。 1.熱接着法 金属板を電熱ヒーターで加熱して、成形品を加圧して融着させ
- ポリ乳酸樹脂(Poly Lactic Acid, PLA)は、原材料を植物のでんぷんや糖を100%用いる植物由来樹脂で、石油系原材料を一切使用しない環境に優しい合成樹脂です。しかも、廃棄後は土の中に天然に存在しているバクテリア(微生物)の酵素によって、水(H20)と二酸化炭素(CO2)だけに完全生分解される素晴らしい特性を持っています。水と二酸化炭素は、植物の葉緑体によって光合成を経てでんぷん
- 1.スクリュー回転数 プラスチック射出成形条件におけるスクリュー回転数は、ペレットを混練するためのスクリューの回転数のことです。単位はrpm(回/分)です。 スクリュー回転数が早すぎると溶融樹脂内にエアーを巻き込んでしまいガスが発生しやすくなる場合があります。またスクリュー回転数が遅すぎると十分な混練ができず材料品質がばらついてしまう場合が考えられます。 2.スクリュー背圧 スクリ
- 1.冷却時間 プラスチック射出成形条件における冷却時間は、成形品を金型内で固化させておく時間のことです。保圧が終了すると冷却時間に切り替わります。単位はs(秒)です。 冷却時間が短すぎると収縮が大きくなり寸法が小さくなってしまい、突き出し時に変形してしまう場合もあります。 一方、冷却時間が長いと成形サイクルが長くなり生産性が低下します、つまり成形品の加工コストが上昇することになります
- 1.充填圧力 プラスチック射出成形条件において、充填圧力は、樹脂を金型内へ充填させるための圧力のことで、一次圧力とも呼ばれています。単位は、MPa、またはkgf/cm2です。つまり、圧力の単位となります。射出成形機の最大射出圧力を100%としてその何%であるかを変化させて条件調整をする機械もあります。(例:35%) 充填圧力が低すぎる場合には充填不良(ショートショット)が発生します。充填
- 1.射出成形機の成形条件 プラスチック射出成形機を操作して実際の射出成形加工をするためには成形材料、金型とを用いて成形品の仕様にマッチングさせた状態の成形品を加工しなければなりません。単純に金型内に溶けたプラスチックを射出注入し、固化させて取り出しただけでは、成形品の寸法は大きくばらつき、外観の光沢や転写もむらが生じ、均一な品質の成形品を得ることはできません。 所望の品質の射出成形品を得
- 1.射出成形機の動力源 射出成形機の動力源としては、次に挙げる3つの方法が主に採用されています。 1)油圧式 2)電動式 3)ハイブリッド式 油圧式は、射出成形機が開発されてから現在まで最も多用されてきた方式です。油圧ポンプを電動モーターで作動させて供給される作動油の油圧により型開閉、射出等の機構を作動させます。高圧の型締め力を比較的容易に実現できるなどの利点がある反面、精密な制御
- プラスチック射出成形機は、プラスチック材料を流動状態にして金型のキャビティへ射出注入し、固まった成形品を金型を開いて取り出す加工をするための機械です。射出成形機は今日では世界の主要工業国で競うように多数のメーカーがさまざまな種類の機械を製造販売しており、統一された標準構造で製作されているわけではなく、使用用途や機械の大きさ、精度等によって各種の構造があります。市場で最も普及しており一般的な射出
- プラスチック成形品を射出成形加工した後に、塗装や機械加工などの二次加工を行う場合があります。成形加工のみでは表現できない形状や色彩などはこれらの二次加工を行って最終的な商品に仕上げていきます。二次加工がある場合には、金型の設計においてはこれらの加工に適応したノウハウをあらかじめ盛り込んで成形品をデザインしておく必要があります。 以下に主要な二次加工の種類を挙げます。
- プラスチック成形取出し自動化と品質向上の解説 溶融プラスチックは溶融温度により流動性が大きく変動します。この溶融プラスチックの溶融温度は流動状態で金型内部に注入された後に接触する金型の接触面温度の影響を大きく受けることになります。 金型は冷却液を循環させて金型の初期温度を一定温度の範囲に安定させる条件設定をしています。 この冷却作用は金型から成形品を取り出す作業の時間とその後の放置時間
- プラスチック射出成形プロセスとは(【図1】) ・プラスチック成形品は、熱可塑性樹脂の成形材料をプラスチック射出成形機(【図2】)の樹脂加熱溶融部(【図2】)で溶融させ、その流動化したプラスチック樹脂を高圧で金型(【図3】)に射出注入し、金型内部に形成されたプラスチック溜まり部に充填され冷却固化させることでプラスチック成形品(【図4】)が出来上がります。 ・【図3】の左上の固定側金型は、写
- 自動化により製造物の品質を高度に安定化させることは、自動化の一つの重要な成果です。また、自動化の副次的効果で品質が向上する生産プロセスがあります(【図1】)。この講座では後者の事例について解説します。 解説事例:プラスチック射出成形プロセスにおける成形品取り出しの自動化 ・プラスチック成形品は、溶かしたプラスチック樹脂を金型内部に注入して、冷却固化させることでプラスチック成形品を造りま
- ホットランナーは、射出成形加工時にランナー部を加熱溶融させておいて、スクラップを排出させないで成形加工ができる方法です。ホットランナーの構造は、加熱や射出方式などでいろいろな種類の構造が実用化されています。 主なホットランナーの構造と特徴は次の通りです。
- プラスチック射出成形機は、1921年にドイツで発明されたとされています。当初は、成形材料として、ポリスチレン樹脂、アセチルセルロース樹脂(酢酸繊維素プラスチック)、ポリメタクリル酸メチルエステル樹脂(PMMA、アクリル樹脂)が使用されていたと記録されているようです。 日本では、昭和12年(1937年)に、2オンスの射出成形機が輸入されました。輸入元は、エッケルト・チーグラー社でした。 日
- 成形品の表面に意図的に凹凸模様を施す処理を梨地処理(シボ加工、エッチングとも呼びます)と呼んでいますが、梨地処理は、キャビティの表面をある種の酸と接触させて、化学反応によって凹凸を形成させる処理になります。 梨地処理をすることにより、成形品の表面には凹凸模様が転写され、その結果、光沢感が変化して高級感のある外観を得ることができます。また、ウエルドラインが目立たなくなるという効果もあります。
- 精密な成形品を得るためには、金型のキャビティ表面に加工されている形状や面粗度を、可能な限り忠実に転写させることが求められます。 表面形状の転写が問題となるケースとしては、以下のような事例が挙げられます。 鏡面仕上げを要求される光学部品(レンズ類) エッチングや梨地処理を美麗に転写したい成形品(化粧品ケース、装飾品など) 微細な表面形状を正確に転写したい成形品(マイクロ流路、導光
- プラスチック射出成形機の型締め力が5〜20トンクラスの小型成形機が、国内外で好調に導入されるようになってきています。 これらの小型成形機を使用して、微細で精密な樹脂成形品を生産する需要が急速に伸びているためです。 また、さらに1ランク小さな成形品の成形加工は、「マイクロ成形」と呼ばれています。 マイクロ成形は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、マ
- 成形品を金型から取り出すためには、一般的にエジェクタピンやストリッパープレートを使用します。 成形品を取り出すためには、成形品が金型に密着して残存しようとする力(離型抵抗)よりも大きな力で成形品を移動させる必要があります。 成形品が金型から外れるための離型抵抗は、以下の要素が関連してきます。 成形収縮 キャビティ表面の表面粗さ 抜き勾配 成形品の潤滑性 成形品とキャビティ表
- プラスチック射出成形機は、そのほとんどがインライン方式射出成形機です。この方式は、射出シリンダーの内部に、可塑化スクリューが組み込まれており、スクリューは前進することによって樹脂を射出することが可能です。一般の射出成形加工を行うためには、コストパフォーマンスと要求品質が合致しますので、このタイプの機械が好まれています。 これに対し、プリ・プランジャー式射出成形機という方式は、可塑化スクリュ
- プラスチック射出成形では、細いリブの先端部等にガス焼けが発生し、成形品の一部が黒変し炭化してしまう現象が見られる場合があります。 ガス焼けの発生メカニズムは、金型のキャビティ内部の空気が、キャビティ内部に流入してきた溶融プラスチックによって排気される際に、行き場のない閉塞状態となってしまった場合に、空気が圧縮されるために自己発熱し、それによって燃焼するために発生します。 空気は、気体です
- 樹脂をキャビティ内に充填させるためには、射出シリンダーから圧力を加えながら押し込んであげる必要があります。 樹脂は、加熱されて溶融している状態では、粘り気のある(粘性のある)流体となっています。しかし、粘性は、樹脂がスプルー、ランナーを流れながらキャビティに到達するまでに金型の表面から熱を奪われることにより、低下を始めます。粘性がある限界を越えて低下してしまうと、先端部が冷却により固化し、そ
- プラスチック射出成形金型を設計するためには、使用する成形材料の特性を十分に知り尽くすことが重要です。 特に微妙な品質管理を必要とする成形品の場合にはなおさらです。 成形材料の特性データは、材料メーカーが提供する樹脂データと、実際にユーザーが使用による蓄積で得たデータがあります。 成形材料の特性データの中では、以下のファクターが重要です。 (1)成形収縮率 成形品の寸法を、ねらい通り
- プラスチック成形材料のペレットは、一般的に空気中の水分をある割合で吸水しています。 吸水量が多いと、射出成形機のシリンダーの中で溶融混練している過程で樹脂が加水分解を起こしたり(水を引き金として化学分解を起こす樹脂もあります)、射出成形した際に成形品の表面に銀条(シルバーストリーク)が走ったり、気泡、光沢不良、転写不良などを起こすことがあります。 そこで、成形材料のペレットは、あらかじめ乾
- プラスチック成形品を、他のプラスチック部品と接合して使用する事例もたくさんあります。プラスチック部品どうしを接合する手段には、以下のような方法があります。 (1)接着 接着剤を使用して接合する方法です。プラモデルの接合と原理は同じです。ホットメルト剤を使用して、より強固に接着する方法もあります。 (2)超音波溶着 超音波を接合面に発振させて、摩擦熱によって溶着させる方法です。短時間
- 金型から生み出されたプラスチック成形品は、その表面に着色したり、文字を印刷したりして、機能を向上させる二次加工がなされる場合があります。 プラスチック成形品に施される表面処理には、以下のような種類があります。 (1)塗装 有機系の塗料(いわゆるペンキのような塗料)等を、刷毛(はけ)で塗布したり、スプレー塗装する方法です。 用途によってマスキングを施したり、塗装の雰囲気を特別にしたりす
- 成形品の表面は、キャビティの表面が転写されて美しい形状と光沢が得られるのが理想ですが、場合によっては表面の光沢がくもっていたり、光沢むらが発生することがあります。 特に化粧面であって外観品質が重要な成形品では、光沢不良は重大な欠陥になってしまいます。 光沢不良に対する解決対策としては、下記のような手段が考えられます。
- 気泡(bubble、void)は、成形品の内部に空気の泡が発生する現象です。レンズやプリズムのような透明な成形品では、外観不良や光学特性不良になってしまいます。機械部材では、強度の低下や破壊の原因になったりします。 気泡には、発生原因別に2つの種類に大別されます。 1つ目は、溶融プラスチックの中に空気が混ざってしまったことに起因する気泡です。これは、(bubble)に相当します。
- シルバーストリーク(silver streak、銀条)は、成形品の表面にきらきらした、すじ状の模様が発生する現象です。家電製品や自動車や二輪車の外装部品においては、外観品質不良となる場合があります。 シルバーストリークは、成形材料の中に含まれている空気や揮発ガスが、成形品の表面に現れてしまうことが原因です。 シルバーストリークの改善対策は、下記のような方法が考えられます。
- 焼け(burn)は、成形品の表面に黒い燃焼物が発生する現象です。溶融プラスチックがキャビティ内に充填される際に、キャビティ内部に残存している空気が圧縮された際に発熱し、プラスチックが燃焼することが発生原因です。 焼けは、外観品質の不良や部品形状の欠落、物性低下などの不具合になります。 焼けを解決するための対策案は、下記のような方法が考えられます。
- フローマーク(flow mark)は、成形品の表面に溶融樹脂が流れた跡の模様が残ってしまう現象です。家電製品や化粧品容器などの外観が品質として重要な成形品では、程度次第によっては不良となってしまいます。 フローマークは、溶融樹脂が金型のキャビティ内を流動する途中で、金型の表面と接触する際に冷却される度合いが、樹脂先端部において差が発生することが原因です。 フローマークを改善するためには
- ショートショット(shortshot)は、成形品の一部に不完全な充填が起きる現象です。 ショートショットには、性格的に2種類の原因が考えられます。 1つ目は、溶融樹脂が流動する途中で、流動先端部分が冷却固化するために発生するものです。 2つ目は、流動する過程で、流れの状況によって空気溜まり(エアトラップ、air trap)が生ずるために発生するものです。 ショートショットの解決対策
- プラスチック射出成形金型の設計において、最も重要な事項に成形収縮率があります。 成形収縮率αは、次式で表現することができます。 α=(L0-L)/L0
- 射出成形加工を行っている時に、成形機を一次停止したままにしておくと、射出シリンダーの中の溶融プラスチックが熱分解を起こすことがあります。 熱分解が発生すると、下記の現象が発生します。
- プラスチック射出成形金型では、成形品を所望の品質で生産するための機能が求められますが、それと同時に最小限の生産コストで生産可能であることも要求されます。 プラスチック射出成形加工の成形サイクルは、下記のように定義されます。 成形サイクル(sec)t=t1+t2+t3+t4 t1:射出時間=充填時間+保圧時間(sec) t2:冷却時間(sec) t3:成形品取り出し時間(sec) t4:
- 押出成形は、雨樋やグレー色の排水パイプ、チューブなどの同一形状断面の連続したプラスチック成形品を成形加工する方法です。 押出成形には、専用の押出成形機が必要です。また、成形品の形状を得るために加工された金型も必要になります。押出成形用金型は、一般に押出ダイと呼ばれます。 押出ダイには様々な種類があります。例えば、下記のような種類があります。 ストレートダイ クロスヘッドダイ フ
- 真空成形法は、鶏卵のパッケージやプリンのカップ、包装用器などの薄いプラスチックシート状の成形品を加工する成形法です。 真空成形法は、射出成形法のように原材料ペレットを一旦溶融させることはせずに、あらかじめシート状に成形されたプラスチック板を、加熱された金型に、真空吸引させて変形させます。(【図】参照) 金型には、真空吸引するための穴がいくつか設けられています。プラスチックシートを変
- トランスファー成形法は、熱硬化性プラスチックの成形法の一つです。 前回解説しました圧縮成形法が、熱硬化性プラスチックの成形法としては代表的ですが、金型を閉じて圧縮する際の加圧が不均一になってしまったり、その結果細いピンや金型の一部が変形したり破損したりする可能性があります。 トランスファー成形法は、圧縮成形法のこのような弱点を改良するために考案された成形法です。 金型の内部へのプラス
- インサート成形法は、インサート(金属部品等の挿入物のこと)を金型が開いている間にキャビティに装着し、その後金型を閉じて射出成形する方法です。 真鍮製のねじやシャフトをインサート成形したハウジングや、金属端子や接点をインサート成形した電子部品などの射出成形に使用されています。 インサートは、ばらばらの個別部品として機械加工しておいたものを、手作業やロボットによってキャビティに装着する方法が
- ブロー成形法は、ジュース等のペットボトル容器(ペットは、PETポリエチレンテレフタレート樹脂のこと)などの中空成形品を射出成形する方法です。 シャンプーの容器、しょうゆ等調味料の容器、洗剤容器などの生産に世界中で多用されています。 ブロー成形が可能なプラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネートなどが挙げられます。 ブロ
- 今回から特殊なプラスチック射出成形法について、紹介を行いたいと思います。 まず初回は、二色射出成形法です。 二色射出成形法は、最近では「二材質射出成形法」とか「異材質射出成形法」などと呼ばれる場合もある成形方法です。2種類の熱可塑性プラスチック材料を、それぞれ別々の射出シリンダーから金型内部に順次、射出充填して、2種類の色彩の成形品を生産することができる方法です。 高級デスクトップパ
- 射出成形加工の生産能率を評価する指標の一つとして、「成形サイクル」が挙げられます。 成形サイクルとは、1回の射出成形加工が開始してから終了するまでの単位時間のことを指します。 具体的には、成形サイクルは、下記の構成をなしています。 成形サイクル(sec/ショット)= 型閉時間 +充填時間 +保圧時間
- プラスチック射出成形金型は、射出成形品を生産するためのマザーツールであることは当然ご承知のことかと思います。 射出成形品の品質やコスト、生産能力も金型が大きな影響を与えることも理解ができると思います。 成形品生産システムは、下記のようなサブシステムにより構成されています。 成形品生産システム−−− 射出成形機 金型 金型温度調節装置 成形品取出装置 成形材料供給装置 成形
- プラスチック射出成形金型は、射出成形品を効率よく生産することができるかどうかが、その存在価値を決定するといってもよいでしょう。 では、射出成形品の生産効率を評価する指標としては、どのようなものが適切でしょうか? その筆頭と言える指標は、射出成形品の製造原価でしょう。短い成形サイクルで、しかも多数個取りで、成形不良もほとんど発生しない金型であれば、成形品1個当たりの製造原価は著しく低く抑える
- プラスチック射出成形では、細いリブの先端部等にガス焼けが発生し、成形品の一部が黒変し炭化してしまう現象が見られる場合があります。 ガス焼けの発生メカニズムは、金型のキャビティ内部の空気が、キャビティ内部に流入してきた溶融プラスチックによって排気される際に、行き場のない閉塞状態となってしまった場合に、空気が圧縮されるために自己発熱し、それによって燃焼するために発生します。 空気は、気体です
- 金型を起工する場合には、どのぐらい故障しにくいような構造にすれば良いのかを、検討する必要があります。 具体的には、コアピンの突き当て面や食い切り面の摩耗やコアピンの破損、ガスによる腐食などによる金型の故障を、どのように保証しようかということです。 これらの保証期間を長くするためには、高級な鋼材を使用したり、丁寧な熱処理、特殊コーティング被覆、ステンレス鋼の採用などの手段が考えられますが、
- 1個取り金型では、スプル−に対して型板の半分側のみにキャビティを配置する事例が多くなります。(【図1】の例参照) 型板のサイズが大きくなりますと、片側のみにしか受圧部分がないために、射出成形時に型締め力のバランスが崩れ、成形品の周囲にバリが発生する場合があります。 このような場合にバリを防止するために型締め力を無理に高めに設定したり、あるいは充填圧力を低めに設定したりしますと、思わぬ部分
- キャビティ・コアは、成形品の形状を形作る重要な部品ですが、その作り方には大きくわけて二種類の方法があります。 「一体構造」と「分離構造」がその製作方法です。 「一体構造」は、文字通りキャビティ・コアを一体の部品で製作する方法です。 「分割構造」は、キャビティ・コアを2以上の部品に分割し、組み合わせる方法です。 それぞれの方法には長所と短所があります。【表1】にその一覧を示します。また、
- 樹脂をキャビティ内に充填させるためには、射出シリンダーから圧力を加えながら押し込んであげる必要があります。 樹脂は、加熱されて溶融している状態では、粘り気のある(粘性のある)流体となっています。しかし、粘性は、樹脂がスプルー、ランナーを流れながらキャビティに到達するまでに金型の表面から熱を奪われることにより、低下を始めます。粘性がある限界を越えて低下してしまうと、先端部が冷却により固化し、そ
- 前回説明しました、代表的なプラスチック材料についての成形収縮率の目安について、追加をしたいと思います。今回は、エンジニアリングプラスチック(通称エンプラ)をまとめています。 別表には、主要な熱可塑性プラスチックとその成形収縮率、キャビティ表面温度、射出成形圧力を示します。より詳しくは、成形材料メーカーより、グレードごとの材料カタログや技術資料を入手して、意志決定のための資料とするのが一般的で
- プラスチック射出成形金型の設計をするためには、成形収縮率の決定が重要であることはすでに説明をしましたが、今回は、代表的なプラスチック材料についての成形収縮率の目安について説明をしたいと思います。 【表1】には、主要な熱可塑性プラスチックとその成形収縮率、キャビティ表面温度、射出成形圧力を示します。 より詳しくは、成形材料メーカーよりグレードごとの材料カタログや技術資料を入手して意志決定のた
- 全電動式プラスチック射出成形機は、小型機を中心に急速に普及しています。 全電動式射出成形機は、その機能が格段にレベルアップしたことが、普及の原動力になっているものと思われます。 全電動式射出成形機の特徴は、以下のような点が挙げられます。