プラスチック射出成形品の表面の硬さを試験するため方法として一般的に使用されているのは、ロックウエル硬さ試験です。 金型部品用の鋼材の試験方法としてロックウエル硬さ試験は多用されていますが、この場合の測定スケールはCスケールで、硬さは「50HRC」のように表記されます。
プラスチック成形品の硬さを測定する場合、Cスケールを使用した場合には鋼材と比較して大変柔らかいために正確な硬度を計測することができません。
そこで、プラスチック成形品の硬度を測定するためには「Rスケール」または「Lスケール」、「Mスケール」を使用します。
したがって計測した値は、「65HRR」、「80HRL」、「92HRM」のように表記されます。
各スケールは、以下の計測基準によって使い分けられます。
- Rスケール HRR 径12.7mmの鋼球圧子使用
- Lスケール HRL 径6.35mmの鋼球圧子使用
- Mスケール HRM 径6.35mmの鋼球圧子使用
計測資料は原則として温度23±2℃、相対湿度(50±5)%において88時間以上状態調節することが必要になります。プラスチックの種類によっては、ポリアミド(ナイロン)のように吸湿するものがあり、硬度が変動するおそれがあるためです。
また、必要に応じて次の事項を記入することが推奨されています。
- (1)
- 試験した材料の種類、等級及び形状
- (2)
- 試料の厚さ、大きさ及び個数
- (3)
- 試料の作成方法
- (4)
- 試料の状態調節の温度、湿度及び時間
- (5)
- 試験室の温度及び湿度
- (6)
- 硬さ測定回数
- (7)
- 平均値
- (8)
- 測定値の範囲又は標準偏差
- (9)
- 試験年月日
- (10)
- その他の特記事項