プラスチック成形品は、使用後に廃棄物として処分されるか、リユース(再利用)、リサイクルされる運命にあります。
プラスチック成形品の素材のほとんどは、今日では石油由来であり、成形品は燃焼処理等をしない限り、半永久的に分解せずにそのまま地球上に残ってしまいます。
このような状況は地球環境を破壊することにつながりますので、プラスチック成形品も環境保護のために何らかの法規制を敷いて、循環型社会を構築すべきであるとの考えが支持される社会になってきています。
日本では、循環型社会基本法が2000年6月に施行され、この法律を基本として各種の循環型社会を目指すための法律が制定されています。
これらの法律には、以下のようなものがあります。
1. 容器包装リサイクル法
ペットボトル、プラスチック容器等のリサイクルに関する法律です。
2. 家電リサイクル法
テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機を対象とした消費者からの引き取り、回収等を規定した法律です。
3. 自動車リサイクル法
使用済み自動車のリサイクルに関する法律で、2005年1月から施行されました。
4. 建設リサイクル法
建築資材等の廃棄物に関する処理、再利用に関する法律です。
5. 食品リサイクル法
食品関係の廃棄物、生ゴミ類の再資源化を促す法律です。
6. 資源有効利用促進法
自動車、パソコン等の14種類の製品について、部品再使用や部品点数削減を義務づける法律です。
7. 廃棄物処理法
企業が廃棄した廃棄物の適正処理や不法投棄防止を義務づける法律です。
8. 循環型社会形成推進基本法
9. その他
上記の法律に規定された内容を遵守することは、プラスチック成形品の製造メーカーでは社会的義務であり、ルール違反には罰則規定が設けられている内容もあります。
金型としては、リサイクルマークの刻印加工や識別記号の彫刻加工などが必要になってきます。
また、今後は製造年月日や製造番号等を成形品に転写するためのデートマークセットも、部品管理のために必要になってくることが予想されます。