電動モータの仕様に出てくるトルク(Torque)について解説します。
(1)トルクとは
一般に、直線運動は電動モータの回転の力をボールねじやカムーリンク機構などの変換機構により作り出されます。そして、この直進運動が持つ力で移動体の運動制御を行います。このように、直進運動に伴う力に相当するのが、回転運動のトルクです。
(2)トルクの計測法
トルクとは、回転における力をあらわす言葉ですから、回転の力を測れば分かります。【図1】はトルクの計測法です。電動モータ軸に適当な円盤(プーリーなど)を取り付け、その円盤の外周にロープを付け、ばねばかりをロープにかけて回転時の力(トルク)を測ります。
(3)トルクの単位
【図1】で、同じモータでも取り付ける円盤の大きさが変わると、ばねばかりの値も連動して変化することは予想できます。したがって、回転トルクは、回転中心から力の作用点までの距離(=円盤半径)とばねばかりの値(=力)の積で表現します。
単位は
トルク=(力)X(回転中心から作用点までの距離)
トルク=(N:ニュートン)X(m:メートル)
=(N・m:ニュートン・メートル)
ここで、1N(ニュートン)=1/9.8(kgf)
<SI単位表現の場合>
(4)トルクの色々
電動モータでは次のようなトルク用語があります。
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