回転軸が同一平面にあり、その2軸の成す角度が90度以上の機構の場合に、コイルばねを用いて2軸を連結させ、原動軸の回転を従属軸に伝えることができます(【図1】参照)。
このコイルばねを用いた連結—変向機構は、従動軸側の角度が90度以上の範囲である程度自由に変更できるため、伝達角度のフレキシビリティ性を利用して、対象製品のランク分けや組付け調整を要する機構などに応用できます。
多機種化対応を行う場合の従属軸側の軸の連結方式の例を【図2】に示しました。
なお、連結部品にコイルばねを採用しているため、次の欠点を念頭に機構設計に応用してください。
■欠点(回転変向性能の限界)
1. | 2軸が成す角度(図1のθ)が小さくなる(90度以下)になると、回転伝達が不安定になる。 | |
2. | 高速回転や回転速度が変化するものへの採用では精度は望めない。 | |
3. | コイルばねの螺旋方向と軸回転方向を一致させる必要がある。 | |
4. | コイルばねの疲労による破断等が伴う。 |
■応用例
1. | 多機種対応型の回転調整機構 | |
2. | 小さな回転トルク伝達機構 | |
3. | 回転式の簡易調整機構 |