ボールねじは鋼球を用いた転がり軸受の技術に基づく製品設計のため、製品の寿命時間に関する算出式など、理論体系がしっかりしています。

(1)転がり軸受の寿命

  • ボールねじも一般の転がり軸受と同類と考えた場合の寿命について考えます。転がり軸受の主な機能には、次の5項目が挙げられます。
    (1)摩擦が小さい
    (2)回転が滑らかで静か
    (3)精度が良い
    (4)負荷能力が大きい
    (5)剛性が高い
  • これらの諸機能の持続性能(耐久度合い)を、寿命(広義の寿命)と考えても良い。
  • この諸機能の持続性能を損なうものが、各種の欠陥、損傷や劣化(精度劣化、騒音増大、トルク増大、フレーキング、摩耗など)
  • 騒音増大やトルク増大などは、ボールねじに関連する機構部の設計や取扱い、組付け精度などの不適切さに起因することが多い。
  • しかし、転がり疲れに起因するフレーキングについては、適切な設計と組付けを行っても生じる劣化であり、これを狭義の寿命としてJISに定義されている。
    ■軸受の狭義の寿命の定義
    軌動輪あるいは転動体のうちのいずれかに転がり、疲れによる材料の損傷が起こるまでに回転した総回転数

(2)標準的なボールねじの寿命(狭義の寿命)

 高い予圧ボールねじ以外の標準的なボールねじの場合、寿命時間は下記の算出式で大よその判断が付けられます。

高い予圧ボールねじ以外の標準的なボールねじの場合の寿命時間の算出式