【手順1】有効張力(Fe)を計算します
Fe=g・(m・Lc・μR+(m+M)・(Lc-A)・μR+MA・A・(μc+μR)+m・A・μR)
- Fe
- :有効張力(N)
- Lc
- :機長(m)
- A
- :滞留長さ(m)
※滞留が無い場合は、A=0とします。 - M
- :搬送物質量(Kg/m)
- MA
- :滞留部の搬送物質量(Kg/m)
- m
- :チェーン質量(Kg/m)
- μc
- :チェーンと搬送物の動摩擦係数
- μR
- :チェーンとレールの動摩擦係数
- g
- :重力加速度=9.80665(m/sec2)
表1 摩擦係数表(参考値) *1
潤滑方式 | 搬送物材質 | ||||
---|---|---|---|---|---|
スチール | アルミ | ガラス | 紙 | プラスチック | |
乾燥 | 0.25 | 0.2 | 0.15 | 0.3 | 0.2 |
石鹸水 | 0.15 | 0.12 | 0.1 | - | 0.15 |
潤滑方式 | ガイドレ-ル材質 | |||
---|---|---|---|---|
スチール | ステンレス | 超高分子量ポリエチレン | ナイロン | |
乾燥 | 0.2 | 0.2 | 0.15 | 0.2 |
石鹸水 | 0.12 | 0.12 | 0.1 | 0.14 |
【手順2】条件により調整後張力を計算します
Fs=Fe・Cs
Fs:調整後張力(N) | ||
Cs:負荷補正係数 | 頻繁な発停を繰り返す場合 | =1.2 |
磨耗の激しい用途の場合 | =1.2 | |
多列用途の場合 | =1.25 | |
上記以外の場合 | =1.0 |
【手順3】チェーンの許容張力を計算します
Fadm=FN・Va・Ta
- Fadm
- :許容張力(N)
- FN
- :最大許容張力(N)
- Va
- :速度係数
- Ta
- :温度係数
表2 最大許容張力表
Type | 呼び | 最大許容張力(N) |
---|---|---|
TPCH | 826 | 1650 |
1143 |
表3 速度係数表
表4 温度係数表
【手順4】許容張力と調整後張力を比較します
Fs≦Fadmであれば適用可能です。
【手順5】所要動力を計算します
P=Fs・V/(60・η)
- P
- :所要動力(W)
- V
- :チェーン速度(m/min.)
- η
- :駆動装置の伝達効率
注釈
- *1
- 上記の摩擦係数は張力計算上の要素として使用するために安全率を付加した推定値です。