1.射出成形機の動力源
射出成形機の動力源としては、次に挙げる3つの方法が主に採用されています。
1)油圧式
2)電動式
3)ハイブリッド式
油圧式は、射出成形機が開発されてから現在まで最も多用されてきた方式です。油圧ポンプを電動モーターで作動させて供給される作動油の油圧により型開閉、射出等の機構を作動させます。高圧の型締め力を比較的容易に実現できるなどの利点がある反面、精密な制御が難しい、複数のアクチュエータを同時並行に作動させるのが困難等の不利な面もあります。
電動式は、CNC制御(コンピュータ数値制御)によるACサーボモーター(交流)で駆動させる方式です。この方式では作動油を一切使用しないで、正確な動作を実現可能で、しかもクリーンで静穏な作動ができます。消費電力も油圧式に比較して40~50%とランニングコストも低いメリットがあります。最近では型締め力2000トン級まで電動式が開発されており、350トン以下では今後はこの方式が主流になっています。
ハイブリッド式は、油圧式と電動式の双方を採用した方式で、それぞれのメリットを引き出すことを目的としています。射出側、可動側のいずれかを油圧式にするパターンが一般的です。
5)電気制御装置
射出成形機の動作や成形条件を制御するためのプロセス制御やセンサー検知によるフィードバック制御を行うための制御コンピュータ、画面表示などの制御装置が採用されています。成形条件等はコンピュータに記録することが可能で外部コンピュータとのLAN接続や外部メモリーへの記録などができるようになってきています。