概要
隙間に残る液状汚れは洗浄処理が難しい。ここでは、隙間に残る液状汚れの洗浄処理のための前処理法を解説した。
解説
(1)取れない汚れの例
・小さな部品を重ねて洗浄処理した場合や2枚のガラス基板が接着された液晶表示部品の洗浄の場合などでは、工程内の異物、液状薬品や洗浄液などが毛細管現象のために隙間に侵入しやすく、これを除去するのが難しい。
・隙間に液状の汚れが残った状態で乾燥させてしまうとシミが残るため、不良品になることがある。
・エアーガンで吹き飛ばしても、エアーが当たらない部分に液体が移動するだけだったり、飛沫状態で飛散して他の品物に付着してシミの原因となる場合がある。
・この様に、隙間に洗浄除去するものが残っている場合は、後工程での洗浄処理で取りきれない汚れとなる場合が多い。
(2)細い隙間の残留液体の除去方法
・隙間の液状汚れを強い空気流で吹き飛ばす方法は、液状汚れは完全に取りきれない場合が多い(図1)。
・発想を変えて、強い空気流で吸引する方法(吸引除去法)は、条件とハードウェアを適切にすると効果的に隙間の液状汚れを除去することができる。また、飛散による二次弊害もほとんど生じない(図2)。
・吸引除去法を利用する場合、吸引ノズルと洗浄ワークの位置関係(距離、方向、他)を適切に選択することが重要。
・吸引した液状汚れが吸引ノズルを通過したあとで、この液状汚れをトラップする工夫が必要。