(3)溶剤による方法
昔から行われている溶剤脱脂です。昔は、トリクロールエチレン(トリクレン)やパークロルエチレン(パークロ)などが使われていましたが、毒性のために使用や製造が禁止されました。金属洗浄には、次のようなものが用いられています。
(1) | 脂肪族系炭化水素・・・石油系溶剤 |
(2) | 芳香族系炭化水素・・・・コールタール系溶剤 |
(3) | 不燃性溶剤・・・塩素化炭化水素 |
(4) | 極性溶剤・・・ケトン、アルコール、フェノール |
これらは、専用の溶剤脱脂装置を使って、蒸気の状態で使用する気相脱脂、液状の状態で使用する液相脱脂が、一般的にはこれらの併用が行われています。(【図1】参照)常温のワークは最初に溶剤蒸気で満たされた蒸気相で洗浄され、温度が上昇して蒸気温度になると常温溶剤で冷却し、蒸気相で加熱して乾燥させます。
(5) | 特殊溶剤・・・乳化溶剤、二相溶剤、エマルジョンクリーナー |
水溶液などの液状で、浸漬脱脂が行われます。
(4)化学反応を利用した方法
酸洗い、アルカリ錆び取りです。専用の槽に水溶液を入れて脱錆びや、金属表面の活性化を行います。電解作用を併用する方法もあります。
(1) | 酸類・・・塩酸・硫酸などで、酸化物、硫化物などを可溶性にする。 |
(2) | アルカリ・・・アルカリ塩と錯塩形成剤(グルコン酸、チオグリコール酸塩など) |
(5)機械的除去の方法
(1) | 拭き取り・・・布やすりや不織布(スコッチブライト)を用いて手で拭き取る。 |
(2) | 研磨・機械加工・・・多くは、バフ研磨で、希望する表面状態をつくります。(【図2】) |
(3) | ブラスチング・・・けい砂、スチールグリッド、ガラスピーズなど梨地状をつくります。 |
(4) | 水や空気によるブラスト・・・アルミナ、シリコンカーバイトを使用した、(3)より密な表面状態をつくります。 |