(6)蛍光試験
この方法は、汚れに蛍光染料を加え、洗浄後、その残渣に紫外線を当てて蛍光を発光させ、写真または目視によって観察するものです。蛍光染料を含んだ油が蛍光を発する光の強さは、油の量に比例しますので、清浄な金属面での発光は、全くないので黒く写り、油が残存していれば発光し、その強さによって残存油の量を示します。
従って、蛍光染料の入っていない通常の汚れの検出には、この試験は適用できませんので、製品の清浄度を調べるというより、洗浄液の老化状態や洗浄工程が適切かなど、洗浄系の適否を判別するのに使われ、効果を発揮します。
通常、図1に示すような、ルミノグラフ写真装置を使って評価しています。この装置を使うと、洗浄前の油の付着量の平均0.113mg/cm2のものを洗浄して、肉眼で識別できる残油量は0.004mg/cm2であることが分かっております。
(7)接触角試験
金属表面に0.05mℓの水滴を落とすと、金属表面が清浄な場合には、水はほとんど完全な円形で、端部が波状に平らに広がりますが、薄く油が存在すると、広がりの直径は小さく、端部は波状になりません。油の汚れが多い場合には、広がりは円形にはなりません。
この方法によると、完全な清浄面と、溶剤に0.01%の油を溶解して汚した金属面との差を判定できるといいます
この原理を応用して、清浄化した試料に1滴の水を垂らし、接触角(【図2】)を測定することによって汚れを定量的に評価することができます。
汚れの原因である溶剤中の油の濃度と接触角の関係を【表1】に示しました。
【表1】溶剤中の汚れ量と接触角
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