電気抵抗率18MΩ・cm、微粒子(0.2μm以上)20ケ/mℓ以下、生菌0.2ケ/mℓ以下などという超純水の製造が可能になったのは、伝統的な従来からのろ過機のほかに逆浸透法、限外ろ過法、電気透析法、イオン交換法の改良などの新しい技術の登場によるものです。
【図1】に各種ろ過法によるろ過限界の粒径を下段に示しました。
ろ材として、金網やろ布を用いる「ろ過法」は、お酒や醤油のろ過に昔から使われてきた方法です。これは膜に接している溶液を加圧して膜の両側に圧力差を発生させ、膜を通過するものとしないものとに分離する方法で、これを「ろ過」といいます。また膜を「ろ材」といいます。ろ過限界は「ろ布」使用のろ過で10μm位までの固体です。そこで極細繊維を使ったミクロフィルターが出現し、0.1μm位までのろ過を可能にしました。
さらに、ろ材の目を小さくしてセロファン膜などを用いるとコロイドを分離することができるようになりました。このような分離方法は、通常の粒子よりさらに細かな細菌、蛋白質、コロイドのような微小体をろ過できることから、このような膜を用いるろ過を「限外ろ過法」と呼ばれています。
生体のような半透膜を使った限外ろ過法や、逆浸透法の出現により、高分子やイオンの分離ができるようになりました。
【図2】に限外ろ過の原理を示しました。
水のような、また、それに近い小さな分子は膜を透過しますが、コロイドや蛋白質のような大きな分子は透過しません。