表面処理工場で使用する水の大部分が洗浄用水といっていいでしょう。前処理から始まって、めっきやアルマイト、化成処理、それらの後処理に至る一連の工程で、それぞれの工程ごとに水洗が行われ、次の工程へ移動しています。この洗浄水の使用量を削減しようとするのが節水対策です。
通常「水洗」は、少しずつ水を流した水洗槽で行われます。つまり、めっき液などが付着した製品を水洗槽中に浸漬して、めっき液を水中に拡散して除去する方法で行われます。
水洗槽は、1槽ではなく、通常2〜3槽連続したものが使われ、一方から製品が、他方から新鮮な洗浄水が移動する方式「向流多段水洗」が行われています。従って、水洗槽の下流槽の水の汚れはひどく、最上流の水洗水の水質は、いつも綺麗ということになります。
いま、次の条件で、水洗に必要な水量を計算してみましょう。
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水洗槽が1槽の場合を【図1】に、2槽の場合を【図2】に、3槽の場合を【図3】に示しました。1槽では30,300ℓ/h必要であった水洗水量が、2段水洗では340ℓ/hとなり、3段水洗では76ℓ/hと激減し、多段水洗の効果が分かります。
以上は、次式によって計算しました。
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