(4)スプレーパターン試験
汚れたガラス表面に息を吹きかけることにより、清浄度を区分することから発展した方法で、冷清水を、塗装用ガンのような噴霧器で細かいミストにして、テストパネルに吹き付けます。吹き付ける距離は、表面での溢出を防ぐために、約60cm位がいいでしょう。汚れの残っている部分は、地図のように描かれ、一目瞭然と分かります。
勿論、この試験に用いる圧縮空気は、完全に油分、水分、埃などが除去されたものを用います。吹き付け後、乾かない程度に、テストパネルを傾けて余分な水分を取り除きます。これに要する時間は、経験的に、汚れのひどいものほど短く、清浄な面ほど長くかかるのが普通です。
この判定法の改良版に、箱の表面に100目の碁盤目の線を描いた透明なアクリル板を有する「覗き箱」を作り、スプレーしたテストパネルを箱内に立て、汚れの地図をマジックインキで手早く写しとり、清浄度何%(または洗浄度何%)と数値化できる方法があります。【図1】に、この方法でスケッチしたパターンを示します。
5)アトマイザー試験
この試験は、スプレーパターン法を改良したものです。スプレーパターン法との違いは、試料が乾いた表面に対して行うことと、スプレー水に染料を加えるため、表面が乾いてもパターンが残り測定に便利なことです。 この方法は、【図2】に示したように、450mmHg程度の空気圧で蒸留水を霧化して、試験板に対して約60cmの距離から吹き付けます。時間は30~45秒で、綺麗なところと汚れたところが明白になるように行います。
その後、加熱ランプで乾かすと、染料によって水滴の存在したところが染まってパターンが出現します。この方法は、通常の濡れ法と違って、アトマイザーによる水滴が細かいので、微細な汚れまで発見することができます。