金属の洗浄工程において、洗浄用水の水質は極めて重要です。洗浄する製品がどのような用途に、どのような目的で使用されるかによって要求される清浄度は異なります。
電子機器、光学部品、半導体など精密洗浄が要求される分野では、洗浄用水中の極く微量の不純物の存在でも、製品の精度、歩留まりなどに影響するので、いかなる浮遊物、溶解物も問わない、限りなく純度の高い水が要求されます。これを超純水と呼んでいます。
その水質の一例は、電気抵抗率18MΩ・cm、微粒子(0.2μm以上)20ケ/mℓ以下、生菌0.2ケ/mℓ以下などであります。
超純水製造装置の一例を【図1】に示します。
まず最初に、原水である市水や井水の比較的大きな粒子をろ過して除き、逆浸透装置へポンプで圧入し、ここでイオン類を除きイオン交換塔での負荷を減少させるほか、他の有機物などの溶解成分を除きます。次に脱気装置で炭酸ガスを除きます。混床式純水装置であるイオン交換塔で最終的に電気抵抗を標準値まで高めます。ここで得られた純水は、一次純水槽、紫外線殺菌装置、残留する微量のイオンを除くポリッシャー(イオン交換樹脂塔)、ミクロン以下の微粒子を除く限外濾過でろ別し、ユースポイント(使用場所)に供給されます。
このようにして製造された超純水は、空気中に保存すると、空気中の炭酸ガスや酸素などが溶解するほか、各種菌類が繁殖しますので、なるべくオンラインで使用し、貯蔵しないのが原則ですが、工程上やむを得ない一次純水貯槽などでは、紫外線殺菌灯を照射して殺菌するほか、窒素ガスを充填して空気を遮断します。