材料力学
金型設計の設計コンセプト
金型設計は、成形品を所望の仕様で、要求されたコスト内に収まるように金型のアイデアを具現化していく思考作業ですが、検討すべき内容は、以下のような要素に分類されると思います。 機能設計 成形品の寸法維持 ランナー・ゲート構造の検討 突き出し方法...
Z曲げの角度変動と割れ(曲げ加工の問題点と対策 その5)
1度の加工で作られるZ曲げ加工では、フランジ部分が曲げ戻し変形を受けることから、曲げられた部分は、ウエッブと平行なダイを用いて加工すると【図1】に示すように跳ね上がり、ウエッブ部分と平行にはなりません。SPCC材では、おおよそ2~3度跳ね上...
ボールねじ選定(動きを持つ構造設計-8)
ここでボールねじ選定の算出に大きく関わる条件として、 1. ワークとテーブルの質量(m)(駆動体の質量) 2. 早送り速度 3. 時定数 があります。ここで2. 3.は、加速度の大きさ(α)を決めるものです。 したがって、ボールねじ選定には...
慣性モーメントについて(動きを持つ構造設計-7)
動きを持つ構造設計では、採用する駆動アクチュエータの出力やサイズを選定するために、慣性モーメントや角加速度、摩擦トルクなどの検討が必要な場合があります。ここでは、ボールねじやカムなどの回転運動の機械要素の技術解説にでてくる用語に馴染みましょ...
直進運動と回転運動の諸量比較(動きを持つ構造設計-6)
直進運動の場合は、移動体の位置、速度、加速度は直交座標系(X軸-Y軸座標系)を使用するため、表現法も直感的な理解度も得られやすい。一方、回転運動は直行座標系ではなく、極座標系を使用するため慣れていない面があります。 ここでは、直進運動の直交...
トルクとは(動きを持つ構造設計-5)
電動モータの仕様に出てくるトルク(Torque)について解説します。 (1)トルクとは 一般に、直線運動は電動モータの回転の力をボールねじやカムーリンク機構などの変換機構により作り出されます。そして、この直進運動が持つ力で移動体の運動制御を...
荷重の種類(動きを持つ構造設計-4)
動きを持つ機構では、移動体が動くため次のような変化が生じています。 移動体が位置を変える(=速度を持つ) 速度の変化をもつ(=加速度が変わる) 直進運動では方向が繰り返し変化する そのため、実際の LCA(ローコストオートメーション) 機構...
細い抜き部の曲がり・ねじれ(抜き加工の問題点と対策 その3)
材料の板厚に近い幅を残す加工では、左右を同時に抜くことが金型強度の関係から難しいので、左右を交互に抜き加工するようになります。そうすると、【図1】に示すような形状にできあがることが多くなります。 抜き加工では、板厚方向にかかる抜き力と、横に...
慣性力とLCA(ローコストオートメーション)(動きを持つ構造設計-3)
アクチュエータを持つ簡易自動機( LCA:ローコストオートメーション )では、慣性力を無視して設計することは出来ません。慣性力の大きさが加速度に比例するため、位置決め停止の制御や、生産性の向上のための機械の高速化を必要とする場面に課題として...
抜きによる湾曲(抜き加工の問題点と対策 その2)
打ち抜き加工(ブランク抜き、外径抜きと呼ばれるもの)では【図1】に示すような湾曲(そりと呼ぶこともありますが、そりとは1方向に対する変形として、ここでは湾曲、全周が変形すると区別することにします)が発生します。 抜き加工の初期では、【図2】...
力学とLCA(ローコストオートメーション)(動きを持つ構造設計-2)
アクチュエータを持つ簡易自動機( LCA:ローコストオートメーション )の設計は、機械の寸法や重量、強度などのほかに速度、アクチュエータに必要な負荷の大きさを決めなければなりません。 以降では、操作性・制御性・高精度に優れる電動モータと、出...
成形収縮率の基礎的な理論
プラスチック射出成形金型の設計において、最も重要な事項に成形収縮率があります。 成形収縮率αは、次式で表現することができます。 α=(L0-L)/L0 α :成形収縮率(単位なし) L0 :金型寸法(mm) L :成形品寸法(mm) 一方、...
動きを持つ構造設計-1
簡易自動機( LCA:ローコストオートメーション )は、次の基本構成からなりたっています。 (復習:「 LCA(ローコストオートメーション)の構成要素 」) これまでの解説はメカニズムや機械要素部品の使用法のポイントを中心に行ってきました。...
フランジ成形
【図1】に示した形状がフランジ成形の基本形です。 横から見た形はL形状となり、全て同じです。上から見たときの加工線形状(加工線)に違いがあります。直線、円弧の違いです。円弧は凸と凹があります。直線と円弧の凸と凹の変化で、【図2】に示すように...
絞りでの耳の発生(絞り加工の現象・原因・対策 その6)
絞り製品の加工では、【図1】に示すような縁の平らな製品をイメージしますが、実際には、【図2】に示すように凹凸ができます。この凹凸の高い部分を、耳と呼んでいます。普通は4カ所に耳が発生します。低い部分は材料の圧延方向の45°に位置する部分です...
絞り加工の割れ(絞り加工の現象・原因・対策 その4)
円筒絞りで最も多い割れが、【図1】に示す「底抜け」と呼ばれる割れです。材料はダイ面を移動しながら変形して、ダイに入り、ダイ形状に成形されます。このとき、材料はダイ面の移動中には周方向の圧縮を受け、ダイ肩部では曲げ変形を受けます。共に材料の変...
もっとも軽い構造体コンセプト(搬送のLCA:ローコストオートメーション)
ここでは建築家、エンジニア、思想家のR.バックミンスター・フラー(1895~1983)が提案した「最も軽い構造体」について解説します。 (1)最も軽い構造体 R.B.フラーの提案した「最も軽い構造体」は正三角形の梁で構成されます。正三角形の...
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プレス機械のストローク長さ(プレス機械と金型の関係 その6)
プレス機械のストローク長さは、仕事の内容によって使い分けられます。抜き加工では短く、10~80mm位です。曲げや絞り加工では、製品の加工高さに注意して、ストローク長さを選ぶ必要があります。 絞り加工の例で解説します。【図1】を参照して下さい...
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プレス機械のトルク能力(プレス機械と金型の関係 その5)
クランクプレス等の機械プレスでは、ストローク位置によって発生圧力が変化します。この点が、ストロークのどの位置でも圧力が変化しない油圧等の液圧プレスとの大きな違いです。【図1】はクランクプレスの圧力・ストローク曲線です。 スライドのストローク...
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位置・速度・加速度と慣性力(LCA:ローコストオートメーションメカニズムの構想法-その5)
LCA(ローコストオートメーション) メカニズムの運動を表現する方法を解説します。代表的なLCAメカニズムとして、等速回転運動を往復直線運動に変換した例です(【図1】参照)。 (1)機構の速度 原動側の速度は、機構上の固定節を基準としてその...
エジェクタピンの座屈に対する強度計算演習
オイラーの式を使って、エジェクタピンの座屈に関する強度計算の演習を行ってみましょう。 問題 【図】に示すストレートエジェクタピンの座屈強度について検討してください。 ただし、エジェクタピンの材質はSKH51とし、硬度は58~60HRCとしま...
エジェクタピンの座屈に対する強度計算
エジェクタピンには、溶融したプラスチックがキャビティ内に充填される際に、ピンの先端部に圧力が作用します。 エジェクタピン自体は、細長いピン形状をしていますので、このような形状の端部に強い圧縮荷重が作用しますと、ピンの途中から曲がったり、破壊...
曲げ部強度の関係から(曲げ加工のいろは その6)曲げの注意形状(3)
曲げで、【図1】に示すように、バリ面が外側にあると割れが発生しやすくなります。特に曲げ線の両端に現れやすいです。イメージしやすいバリを表現に使いましたが、曲げの両端面(切り口面)の状態が悪いと材料の伸び限界が下がり、割れが発生しやすくなる。...
ヘミング曲げの展開(曲げ加工のいろは その3)
ヘミングは180度折り返す曲げ加工です。その展開計算の方法は【図1】に示す簡易的な方法が一般的によく知られています。この方法ではヘミング寸法AとBを足し算して、補正値fを引くものです。補正値の中身は、180度曲げ部の展開長さと板厚減少寸法を...
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カール曲げの展開(曲げ加工のいろは その2)
カール曲げ形状は【図1】のようになります。展開計算では、3/4円を形成する部分(L1)と、残り部分(L2)に分けて計算して、L=L1+L2として展開長さを求めます。 L1部分の展開長さの求め方を【図2】で説明します。まず、中立面までの距離を...
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V・L曲げの展開(曲げ加工のいろは その1)
【図1】に示すような形状の曲げ展開をするには、直線部分(図にA、Bで示した部分)と曲げ部分(Xで示した部分)に分けて計算します。直線部分は変化が無いのでそのままの数値を使います。曲げ部分について計算して、直線部分と合計して、展開長さ(L=A...
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絞り金型の構造:逆再絞り型(金型構造のいろは その23)
逆再絞りを【図1】「加工内容」の図で説明します。加工前の形状は普通の絞り加工で作ります。その形状を加工途中の図のように、外側が内側になるように絞っていきます。 加工後の製品は、加工前の形状の内側が外形になります。このようにすることで製品の材...
絞り金型の構造:再絞り型1(金型構造のいろは その21)
絞り加工では、1回に絞れる(径を小さくできる)割合には限度があります。そのために、何回かの絞りを重ねて目的の径にします。この繰り返し行う絞り加工を「再絞り」と呼びます。再絞りに使用する金型を「再絞り型」と呼びます。初絞りの次当たりの工程では...
キャビティ・コアの形状変更
キャビティやコアの設計を進める上で、部品形状の変更を検討した方が良い場合があります。例えば、下記のような場面が考えられます。 コアピンの破損を防止したい場合 成形品の離型をしやすくしたい場合 金型の組み立てをしやすくしたい場合 金型のメンテ...
サポートピラーの効果的な配置方法
サポートピラーは、可動側型板の底面の射出圧力による、瞬間的なたわみを防止するために取り付けられる支柱のことです。 可動側型板のたわみを低減するためには、以前に解説しましたように、適切な型板底面の厚さを確保することが基本となりますが、サポート...
可動側型板の受け板厚さの決定方法(計算例)
前回解説した可動側型板の受け板厚さの決定について、ケーススタディを行ってみましょう。 問題 右図に示す構造の可動側型板において、受け板の厚さhはどのぐらいとするのが適当でしょうか。 ただし、型板その他の部材の材質は、S50C、使用する樹脂は...
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可動側型板の受け板厚さの決定方法
前回は、可動側型板(受け板)のたわみ量の計算方法を紹介しましたが、今回は、逆に型板(受け板)の厚さを計算する方法を解説します。 金型設計をする際には、むしろこちらの計算方法の方が有益かもしれません。 基本的には、前回に使用した計算式を受け、...
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可動側型板のたわみ計算(計算例)
問題 右図に示す構造の可動側型板は、最大どのぐらい、たわみが発生すると予測されますか。 ただし、型板その他の部材の材質は、S50Cとする。 解答例 最大たわみδmaxは、次式で計算されます。 右図より下記のデータが前提条件として与えられます...
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可動側型板のたわみ計算
射出成形品のパーティング面の周囲にバリが発生したり、成形品のスプルー付近の高さ寸法がプラスしてしまった経験はありませんか。 計算の前提となる可動側型板の形状を【図1】に示します。 最大のたわみδmaxは、型板の中心線上に発生します。 計算式...
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金型の剛性を強くするためには?
プラスチック射出成形金型には、溶融樹脂の充填の際に高い内部圧力を受け、また型締めの際にも高い圧縮応力を受けます。さらに、大きな金型になると自重により曲げ応力を受けたりもします。 外部や自重による応力に対して、変形や破壊が発生しないようにする...
曲げ応力のケーススタディ
コアピンの曲げ応力についてケーススタディを行います。 前回までに曲げに関する基礎知識を解説いたしましたので、今回は、ケーススタディを行ってみたいと思います。 問題 【図1】に示すピンの根本には、最大でどのぐらいの曲げ応力が作用しているか? ...
アウトカット加工(3)ブランクのつなぎ方(抜き加工のいろは その9)
アウトカット加工では、切り欠き加工を中心に外形形状を加工します。そうしますと、【図1】に示すように、ブランクの中央でブランクどうしがつながるのが自然です。この形を「中央キャリア」または「センターキャリア」と呼びます。 キャリアとは、材料送り...
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金型部品の断面係数
曲げ応力の予測に重要な金型部品の断面係数について解説します。 プラスチック射出成形金型の変形や曲げに関する強度計算を行う際に、「断面係数」という用語がしばしば登場します。 力学計算をより正確に理解しながら進めることができるように、「断面二次...
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金型部品の断面二次モーメント
曲げの予測に重要な、金型部品の断面二次モーメントについて解説します。 プラスチック射出成形金型の強度計算を行う際に、「断面二次モーメント」という用語がしばしば登場します。 力学計算をより正確に理解しながら進めることができるように、「断面二次...
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金型部品の熱膨張(計算例)
前回解説した金型部品の熱膨張について、ケーススタディを行ってみましょう。 問題 20℃の機械加工室において製作されたコアピンの全長が30.52mmであった。このコアピンを150℃に昇温させた場合、熱膨張によりどのぐらい伸びるか? ただし、コ...