LCA(ローコストオートメーション)メカニズムの運動を表現する方法を解説します。代表的なLCAメカニズムとして、等速回転運動を往復直線運動に変換した例です(【図1】参照)。
(1)機構の速度
原動側の速度は、機構上の固定節を基準としてその他の節の速度を知ることが出来ます。解析法には移送法、写像法などがあります。なお、LCAでは、単動的な速さよりも一連の作業全体の速さが重要です。
(2)変位・速度・加速度の線図
横軸に時間 t をとり、縦軸に変位 s 、速度 v 、加速度 a をとって変位線図、速度線図、加速度線図を書きます。回転運動の場合は、横軸に回転角( rad )をとることで各位置での変位と速度と加速度の関連がわかります(【図2】参照)。
(3)加速度の取り扱い
速度が変化し加速度(a)を生じると慣性力(質量が運動を続けようとする作用:F)が働きます。
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この慣性力は機構に対して応力の影響を与えます。特に高速になると加速度は非常に大きくなり、静荷重による応力を超えることがあるため、構造強度の増大設計の検討が必要です。また、高速で回転するカムや高速間欠運動部などでは、運動伝達部で追従できなくなったり、振動・騒音などの問題が多く生じます。
(4)振動対策の原則
■振動対策の3原則
1. | 出すな・・・耐振対策(振動がおきにくくする) | |
2. | 透すな・・・共振対策(共振しないようにする) | |
3. | 応じるな・・防振対策(振動の伝播を防止する) |