ものづくりQ&A
- カッターマークを手作業で消していますが、時間がかかる上、技術的に難しいため品質が不均一になりがちです。効率のよい方法を教えてください。 ■カッティングファイバーを用いて効率化することが可能 カッターマークがついてしまう理由 超硬スクエアエンドミルで加工すると、取り付け時や加工時の工具の振れ、機械主軸の熱変位などで、工具刃先の先端がワークに食い込む作用が働きます。これにより、引っかき傷のようなカッターマークがついてしまいます。 カッターマークを抑えるのに有効な手段
- マシニングセンターを用いて交差穴のバリ取りを行いたいのですが、工具選定および注意点を教えてください ■1次加工穴方向からバリ取りを行うのが一般的 ・交差穴のバリ発生メカニズム
- バリ取り工程の効率化を図りたいのですが、新たな設備投資をせずに実行できる方法はありますか? ■マシニングセンターでのバリ取り方法 バリ取りを自動化しようとする場合、バレル研磨やショットブラスト、ウォータージェット等の機械装置を用いた方法が考えられますが、 新たな設備投資やマシニングセンターからのワーク移動の手間といった制約条件もあります。 それに対し、マシニングセンターで、切削加工に連続してバリ取りを行える工具として、バリ取りブラシやカッターがあります。 工具の使い分けは、主にバリ根元厚みを目安に行います。 >>バリ根元厚みによる工具選定 はこちら ・バリ根元厚み0.1mm以上の場合
- M4以下の小径になればなるほどタップの折損が多くなってしまいます。 小径のねじをうまく加工するにはどうすれば良いでしょうか? ■切削タップの小径ねじ穴加工の限界 ねじ穴が小径になればなるほど切りくずを排出するスペースが小さくなり、その結果切りくずの詰まりが発生しタップの折損というトラブルが起こってしまいます。
- アルミ合金にタップ加工をする際、工具へのアルミの溶着が原因となってタップが折損したり、ねじの精度が低下するといったトラブルが発生しています。 こうしたトラブルをどのように防げばいいのでしょうか? ■アルミ合金の加工で溶着が発生するメカニズム アルミ合金は一般的に軟質で被削性は良好ですが、材料溶融点が低いうえ延性が大きいため、仕上面や工具に溶着しやすい欠点があります。一般鋼材用のタップで加工する場合、切れ刃のすくい角が不十分で刃先への溶着が著しく発生して加工困難となります。 また、構成刃先による面粗さの劣化や加工精度の低下といったトラブルも発生します。 ■溶着を回避した安定加工のポイント
- ドリルで下穴加工後切削タップでねじ切りを行っていますが、めねじの縮小や拡大、むしれなどが頻繁に発生してしまいます。 精度の良いめねじを加工するポイントは何ですか? ■ねじ精度に及ぼす条件
- リーマでの穴仕上げ加工で、穴径が狙い値よりも拡大したり、縮小するといったバラつきが発生して困っています。 このような穴径のバラつきを抑え、安定した穴仕上げ加工を行うには、どういった点に気をつければいいでしょうか? ■穴仕上げ加工で穴径精度が低下するメカニズム
- 止まり穴加工で、底部コーナーの切削面にビビリ発生・切れ刃の食い込みなどに起因する傷の発生があると、ワークの強度・品質などに影響を及ぼす場合があります。こうした問題に対する解決策を教えてください。 ■ビビリ、傷の発生原因と対策例 止まり穴底面部の切削時に発生する振動は、切削面の粗さ精度低下や傷発生などの直接的な原因になります。そのため、以下のような対策が有効になります。
- 従来は、工具径の10倍を超えるような深穴加工はガンドリルを使用していましたが、加工に時間がかかってしまいます。 ソリッドドリルで高速加工をするにはどのような工具を選定し、どのような手順で加工すればよいのでしょうか? ■正しい深穴加工の方法 ソリッドドリルで深穴加工を行う場合、深穴専用に設計された深穴用ロングドリルを使用します。 ただし、深穴用ロングドリルは溝長・全長ともに長く工具剛性が低下するため、振れの発生に注意が必要です。 深穴用ロングドリルでの深穴加工では、通常の穴加工とは異なり、高精度な前加工と切削条件の調整などが加工のポイントになります。以下に、代表的な深穴加工の手順を示します。
- 現在穴加工の工程は、(1)センタードリルによる位置決め → (2)ドリルによる穴加工 → (3)カウンタシンクで面取り を行っていますが、工程を短縮して効率化したいと思っています。良い方法はありませんか? ■位置決めと面取りの同時加工による効率UP
- 面取り加工(左ページ)と同様に、六角穴付ボルトの取り付け穴を加工する際、穴加工と座繰り加工を同時に行える工具があれば、加工時間短縮につながりませんか? ■段付きドリルを活用した工程短縮 ボルト穴と座繰りの同時加工にも、段付ドリルが使用されます。下穴を加工する小径部分と、座繰り部を加工する大径部分とを持った複合工具です。
- 穴加工後には必ず面取りを行うように指示されています。穴加工と面取りを同時に行える工具があれば、加工時間短縮につながりませんか? ■段付きドリルを活用した工程短縮 下穴と面取りの同時加工は、段付ドリルを使って行われるのが一般的です。段付ドリルは、下穴を加工する小径部分と、面取り部を加工する大径部分とを持った複合工具です。
- 50HRC以上の高硬度鋼の穴加工は、細穴放電加工、およびワイヤー放電加工でおこなっていますが、加工時間が長くて困っています。 ドリルによる高硬度鋼の穴加工が実現すれば、加工時間が大幅に短縮できます。高硬度鋼用の工具の選択、条件などについて教えてください。 ■高硬度鋼加工用ドリルによる放電レス加工の実現
- 現在はどんな穴加工でも、切りくずがつながらないように1mm単位でステップ加工を行っています。 ステップ加工からノンステップ加工に切り替えたいのですが、どのぐらいの深さまでならノンステップで加工可能なのでしょうか。 また、ノンステップ加工を行う上でのポイントはどのようなところにあるのでしょうか? ■ステップ加工の効果(弊害とメリット) ステップ加工は切りくず排出効果が期待できますが、反面、ステップ時に発生する刃先と切削面の擦り現象による工具寿命の低下、加工時間が長くなるための加工能率低下などのデメリットが考えられます。特に、ステンレス鋼などのような熱伝導率の低い被削材の場合は、極端にドリルの寿命が低下する恐れがあります。
- ドリルで下穴をあけた後、穴の面粗度を向上させるためにリーマ加工を行っています。特に高い径精度を求められる穴ではないため、下穴加工の際に穴の内面をきれいに仕上げてくれるようなドリルがあれば、加工時間の短縮に役立つのでは、と思います。 ■一般的なドリルの構造と穴加工
- 穴径公差の図面指示が「H7」となっていることが多くあります。 リーマによる仕上げ工程も含めると長時間の加工が必要となり、今回高速化の方法を検討することになりました。H7公差穴加工の高能率化・高精度化を実現する方法を教えてください。 ■リーマ加工による加工速度向上の限界 穴仕上げに多く用いられているリーマは、切削とバニシングの両機能により穴を所定の寸法と面粗度に仕上げます。そのために、(1)ドリルによる下穴精度で最終の穴精度が左右される、(2)バニシング機能があるため加工速度を高めるには限度がある、などの制約条件が考えられます。
- ゲート部の加工に放電加工で時間を掛けずに、また複雑な切削プログラムの使用を避けたいです。どのようにすればよいのでしょうか? ■ピンポイントゲートブッシュの加工 ドリルによる下穴加工後に、ワークを旋盤に取り付け専用工具で加工します。 〔加工手順〕 数サイズのドリルにて段加工を行う。 ゲートのSR部、先端部をそれぞれ専用工具にて仕上げを行う。 ■サブマリンゲートの加工
- ポケットの底部や、ワークと工具の干渉が気になる箇所での穴加工ではロングドリルを使用していますが、曲がりや折損などのトラブルが発生して困っています。そのような難しい加工箇所での穴あけを、安定して行うにはどうしたらよいのでしょうか。 ■ロングドリルによる一般的な加工方法とその問題点 工具干渉が気になる箇所での穴加工やワーク深部の穴加工では、ロングドリルによる穴加工、ロングリーマによる穴仕上げ加工が一般的です。 しかし、エンドミル等と比べて芯厚の薄いドリルでは、溝長が長くなれば長くなるほど工具剛性は低下し、加工が不安定になるというデメリットが生じます。
- ハイスドリルでは加工能率が低いため、超硬ドリルの使用を検討しています。 ステンレス鋼の穴加工で超硬ドリルを使用する場合、折損トラブルの発生が気になりますが、何か有効な対策はありますか? ■ステンレス鋼加工のポイント