メカニカル部品
- ボルトで2つの部品が締結された状態は、ボルトが伸び被締結部材は圧縮変形を生じており、この状態で引張力と圧縮力がつりあっています。この2つの部品間で締結力がつりあった状態に、外からの衝撃力や振動など何らかの外力が作用すると、ボルトにゆるみが生じる場合があります。ねじのゆるみは、装置破損、不良品の生産、事故などに繋がる重大欠陥の要因となります。ここでは、典型的なねじのゆるみのメカニズムと、代表的なゆるみ防止策について解説します。
- ボルト締結体に外力が作用してボルトがゆるんだり、ボルトが破断する場合のモデルについての基礎を解説します。 (1)ボルト締結体に外力が作用した時の力のつりあい a) 【図1】のボルト締結体に外力F'が作用した時のつりあい状態から、次の2つの式が出せます。タグ:
- ボルトとナットで2個の部品を締結した状態の力のつりあいで、締結状態の適正さ、締付けのゆるみ、ボルト破断などの判断が可能となります。ここでは基本的な解説をします。 (1)ボルト/ナットで締結した時の力のつりあい (a) ボルトとナットで2個の部品を締結した時、ボルト自体は引き伸ばす力(軸力)を受け、2個の被締結体は同じ力の圧縮力が作用します。この状態で、締結部は力のつりあいが取れます(【図1】)。タグ:
- 強度区分が高い鋼製ボルトを選定しても実際の使い方に問題があると、保証されたボルトの強度(引張強さなど)は保証できなくなります。ここでは、ボルトを用いた場合の締結の基本(常識のレベル)を図解します。タグ:
- (2)ステッピングモータとボールねじ駆動 ボールねじ駆動方式は、[1] モータの回転運動をダイレクトに直進運動に変換させる、[2] ボールねじピッチが減速装置の働きをする特徴を持つため、駆動力の伝達率とモータ効率に優れています。 【図4】はY軸にリニアブシュとボールねじを使用した駆動機構です。タクトタイプの短縮や位置決め精度を要する機構に応用されます。 ■補足説明
- これまでのリニアブシュの特徴解説を再整理すると、下記となります。
- (1)リニアブシュの軸受長と案内性能 ミスミのリニアブシュには軸受長さの種類として、[1] シングル、[2] ダブル、[3] ロングの3種と、購入者が独自に設計する [4] (シングル2個使いの専用設計)の合計4種類があります。この軸受長さの違いは、次の案内性能に関係してきます。
- ここでは、リニアブシュの外形形状の違い(ストレート型とフランジ型)の使い分けと組付け時の注意点を解説します。 (1)リニアブシュのストレート型とフランジ型 【写真1】はストレート型、【写真2】がフランジ型です。 【写真2】のフランジ型リニアブシュは、次の利点があります。
- 直動案内は、移載・搬送・位置決め・組立などの自動化における運動要素のなかで最も多用されるものです。ここでは、[1] リニアブシュ、[2] リニアガイド、[3] 無給油ブシュの3種類の直動案内を比較解説しながら、リニアブシュの使いこなし法を解説します。 (1)直動軸受の特徴比較 3種類の直動案内の特徴を大胆に比較すると、次表となります。
- (1)ステンレス鋼製ボルトの機械的性質 1. ステンレス鋼製ボルトの機械的性質 ステンレス鋼製ボルトの機械的性質も強度区分の数値で表現しますが、鋼製ボルトの表現法とは異なります。 【表1】は、ステンレス鋼製ボルトの機械的性質の規定(ISO 3506-1:1997の一部)です。 【表1】ステンレス鋼製ボルトの機械的性質(ISO 3506-1:1997より抜粋) 鋼種 鋼種区分 強度区分 引張強さ Rm,minタグ:
- (1)鋼製ボルトの機械的性質 (1)鋼製ボルトの機械的性質 ISO並びにJISでは、ボルトの機械的性質を強度区分の数値で表現します。【表1】はISO 898-1:1998の一部です。タグ:
- ねじ山が壊れるトラブルの代表例として、次のような事例があります。 (1)ねじ山が壊れるトラブルの代表例 タップ側 頻繁にボルトの取り外しを必要とする箇所では、タップ入口部分のねじ山が壊れてボルトが入っていかなくなる。このような場合は、タップ切りで丁寧に入口部分のみ新たにタップを切って、元から有ったタップに繋がせれば良いが、ボルト側を無理にねじ混むことで内部のねじ山もつぶれて、めねじがバカになるトラブルがあります。 ボルト側 ボルトをナットで締結している場合、ナットから出ているボルトのねじ部に何かをぶつける等の事故で、ねじ山がつぶれると、ナットが取れなくなり、したがって、解体できなくなるトラブルに繋がります。タグ:
- 加工部品のなかでベース板やカバー枠部などには、たくさんのタップ穴が加工されます。この時、タップ穴の配置設計が考えられていないものは、位置だしのミスやムダな加工時間がかかるなどの問題に繋がる場合が少なくありません。したがって、ボルトの配置デザインを見ると装置設計の技術レベルがわかるほど、ボルト配置設計は侮れない項目です。タグ:
- ねじの製図の基本を解説します。 ねじの各部名称 ねじの製図の基本 ねじの表し方 ねじの各部名称タグ:
- ねじのゆるみ止めのなかで信頼性が高い方法に「ダブルナット法」があります。この方法の採用にも理解しておくべき事柄があります。【図1】、【図2】は、代表的なダブルナット法の原則です。この原則を無視すると、見た目は信頼できそうでも、ダブルナット効果は得られません。タグ:
- 表面処理工場で使用する水の大部分が洗浄用水といっていいでしょう。前処理から始まって、めっきやアルマイト、化成処理、それらの後処理に至る一連の工程で、それぞれの工程ごとに水洗が行われ、次の工程へ移動しています。この洗浄水の使用量を削減しようとするのが節水対策です。 通常「水洗」は、少しずつ水を流した水洗槽で行われます。つまり、めっき液などが付着した製品を水洗槽中に浸漬して、めっき液を水中に拡散して除去する方法で行われます。 水洗槽は、1槽ではなく、通常2〜3槽連続したものが使われ、一方から製品が、他方から新鮮な洗浄水が移動する方式「向流多段水洗」が行われています。従って、水洗槽の下流槽の水の汚れはひどく、最上流の水洗水の水質は、いつも綺麗ということになります。 いま、次の条件で、水洗に必要な水量を計算してみましょう。
- クリーンルーム内の環境に限らず、静電気が原因となる帯電/放電による製品破壊(静電破壊)などのトラブルが生じる場合、生産設備面で対策が求められます。以下では、静電気による帯電/放電のトラブルとLCA(ローコストオートメーション)設備における対策の考えを解説します。 (1)静電気による帯電/放電のトラブル 装置上では、部品や半製品がテーブル上に設置されて組立、調整、検査などが行われる。この時、装置および対象半製品には完全な帯電防止処理は望めないため、装置側で静電気トラブルの対策が求められます。タグ:
- 摩擦・摩耗・寿命の経時変化を少なくする技術として潤滑技術があります。ここでは、潤滑油やグリス材料が重要な役割を持ちます。しかし、クリーンルーム(CR)内での潤滑油やグリスの採用は、作業者に付着しての二次汚染や気化ガスとしてのコンタミネーション放出など、厄介な問題を生じる材料ともなります。 ここでは、CRでの使用に適した潤滑油・グリスについて解説します。タグ: