メカニカル部品
- 「2個の摺動部品が擦れあって摺動する部分からは必ず発塵がある」と考えるのが、摺動機構の摩擦・摩耗・寿命の点からは適切です。したがって、クリーンルームで使用するLCA(ローコストオートメーション)装置の摺動機構部のクリーン化技術は、クリーン化技術三原則の項目-2「コンタミネーションを出さない」の考えで対策が採られます。 この摩擦・摩耗・寿命の経時変化を少なくする技術として潤滑技術があります。クリーンルームで使用するLCA装置の摺動機構部のクリーン化技術も、この潤滑技術が活用されます。タグ:
- クリーンルーム用LCA(ローコストオートメーション)装置の機構素材の選定はクリーン化三原則の考えに従って行います。なかでも特に、次の2項の対策が重要です。 *コンタミネーションを出さない *コンタミネーションを堆積させない 次表は、クリーン化三原則とLCA装置の機構部素材との関係を解説しています。タグ:
- 帯電発生の代表的メカニズム 帯電防止のための機構構造 クリーンルーム用LCA(ローコストオートメーション)装置の機構素材も、クリーン化三原則に従って選定します。 例えば:タグ:
- クリーンルーム環境で使用するLCA(ローコストオートメーション)装置の機構部の配置構成は、次の2つの知識を重視して設計します。タグ:
- 高いコストパフォーマンスのクリーン環境を得るには、必要な空間に安定したクリーン環境を作り出すことです。局所クリーン化技術がこの考えにあっています。ここでは『 クリーンルームの構造解説(クリーンルーム対応LCA:ローコストオートメーション-3)』で解説したマイクロエンバイロメント(SMIFなど)ではなく、局所クリーン環境をLCA(ローコストオートメーション)思想で設計する考え方を解説します。 (1)局所クリーン化技術 局所クリーン化技術は、クリーン化したい対象に応じた簡易クリーン環境を設計・製作する技術で、次の3種類が代表的な形式です。タグ:
- (1)クリーンルームの基本構造 クリーンルームは、その清浄度により基本構造が違ってきます。一方向流方式の高品位クリーンルームは天井裏、室内、床下ピットの3つの階層構造(【図1】)から成り、その他は床下ピット構造を持たない構造が一般的です。 (a)室内 生産作業を行う場所である。室内の清浄度は、エアーフィルタから供給された清浄エアーが時間当たりに室内容積のエアーを何回置換させるかで制御される。したがって、コンパクトな室内が高効率となる。 (b)天井裏 天井裏にクリーンルームの清浄度を維持させるための機材(フィルタ、ダクト、空調機・ユーティリティ、他)を設置し、空気の循環経路(SA:サプライエア)として利用される。タグ:
- (1)クリーンルームとは クリーンルームは、高性能エアーフィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタ)で空気中の浮遊微粒子を除去した空気を室内に供給されている室です。室内圧力を高く(正圧)することで、外部からの浮遊微粒子の侵入を防止します。 (2)クリーンルームの種類 クリーンルームの種類は、気流の流れ方で分類すると、次の3つがあります(【図1】参照)。タグ:
- ここでは設計・製図作業プロセスで生じやすいミスの種類を、具体的に書き出しました。 (1)設計プロセスのミス LCA(ローコストオートメーション)設計者が設備仕様書を受け取った(または、自ら作成した)後に、設備の構想を進めながら具体的に設計・製図を終えるまでのプロセスは、大きく次の2つに分けられます。 ■LCA設計製図プロセス 設計プロセス 仕様を工学的に成り立つ構造に持ってゆく思考作業 製図プロセス 設計プロセスで描き出した構造案を図面化する作業 この2つの設計・製図段階で生じ易いミスには、次のようなものが挙げられます。タグ:
- LCA(ローコストオートメーション)におけるばねの設計対象は、ほとんどが圧縮コイルばねか引張りコイルばねです。この2種類のばね設計では、以下の項目が検討課題となります。ここではa)、b)、c)について解説します。タグ:
- ばねの両端固定法は、ばねの挙動安定性を得るために重要です。圧縮コイルばね、引張りコイルばねともに、ばねの両端部での好ましい固定方法があります。ここでは、両ばねの固定方法とその特徴を解説します。 (1)圧縮コイルばねの固定方法 圧縮コイルばねの両端固定方法は、ばねの保持状態の自由度や座屈回避、荷重点のズレ防止などの観点から、下のような固定方法(【図1】)が採用されます。なお、中央の(b)両端固定方法は、製造の容易さの点から、ミスミ:コイルスプリングワッシャ(SPGCCなど)を利用するか、ガイド穴を両端に持たせ、そこにばねを落とし込んで保持する方式が一般的です。タグ:
- 焼き入れとは、鋼を変態点(800℃以上)に加熱して、炭素を鉄の中に十分に固溶させてから、焼き入れ油や水などの中で急速に冷却して、炭素が過飽和に固溶した状態のまま常温に移行させる操作の熱処理です。通常、炭素鋼や合金鋼などの機械構造用鋼に適用されます。 従来の焼入れは、加熱炉中で800℃以上(鋼種によって異なります)にワーク全体を加熱して、急冷する操作ですが、冷却速度が仕上がりの硬さを左右します。 これに対して表面焼入れは、ワーク表面の温度を変態点以上にまで急速に加熱し、内部温度が上昇する前に、急冷して表面だけを硬化(マルテンサイト組織にする)させる熱処理方法です。【表1】に、表面焼入れの種類とその内容を示します。
- 表面熱処理 熱処理は、古代より冶金術の中で発展してきた技術です。熱処理の中でも表面に主眼をおいた表面熱処理についてご紹介しましよう。 金型や工具の中には、通常の焼入れ焼き戻し処理では所望の硬度に達しないものがあります。したがって、これらの寿命は短命となります。これを解決する手段として表面熱処理を施します。 表面熱処理のあらまし 表面熱処理とは、JISでは「金属製品の表面に、所要の性質を付与する目的で行う熱処理」とされていますが、【表1】に示しますように、表面焼入れと熱拡散処理に分類できます。いずれも加熱によって表面処理を行うもので、処理物の表面では原子の拡散現象が必ず生じています。 表面焼入れは、表面の必要な箇所だけを加熱するもので、処理層内では原子の拡散現象は生じているが、化学成分は変化しません。 熱拡散処理は全体を加熱しますが、表面から異種原子が侵入して、内部に向かって拡散します。
- ばね定数( k )の、ばねに質量( M )のブロックを載せた状態での、ばねの振動特性について解説します。タグ:
- イオンプレーティングは、真空蒸着装置の基板と蒸発源との間に、蒸発材料をイオン化する装置を付加したものです。真空槽に、アルゴンなどの不活性ガスを導入し、10-1〜10-2Paの雰囲気で、蒸発した蒸発材料の原子をグロー放電のプラズマ中でイオン化し、これに電気エネルギーを与えて加速し、基板に衝突させて皮膜を形成するものです。次のような特徴をもっています。
- 引張りコイルばねは、圧縮コイルばねのように、非線形特性を持たせることが出来ません。しかし、初張力を造りこむことができます。 (1)初張力のある引張りコイルばねについて 引張りコイルばねでは、無荷重の状態でもコイル同士が密着する方向の力:初張力をもたせることができる。 この初張力は、密着状態に成形するときに、コイル同士が密着する方向に作用する素線のねじれを生じさせて得られる。 冷間成形で密着巻き加工によりばねを成形する場合は、多少なりとも初張力がついてしまうが、初張力を積極的に形成させたばねを初張力をもつばねという。 初張力を持たないばねと持つばねの荷重—たわみ特性は次のようになる。(【図1】) 【図1】の引張りばねの荷重-たわみの関係式は【式A】で表され、初張力をもつ引張りばねの荷重-たわみの関係式は【式B】で表される。 【式A】 荷重P(N)= ばね定数 k(N/mm) x たわみ量 δ(mm)タグ:
- (1)荷重と変形の関係 ばねにかかる荷重:Pとたわみ(変形量):δが比例(線形)関係にあるとき、「フックの法則」の関係にあるといいます。このときの比例定数:kを「ばね定数」と呼びます。【図1】に荷重と変形の関係を示します。この図において、傾きがばね定数:kを表します。 P = k x δ k:ばね定数 この性質を利用して、ものの重さを測定する「ばねばかり」や、必要な力で作動する安全弁用ばねなどが設計・製作されます。タグ:
- 「ばね」は各種機構に組込まれて、ばねそれぞれの役割を演じていますが、目立つ要素部品というより影の役柄という立場です。しかし、信頼性、高速運動性能、小型軽量化、操作性などとの関係が深く、これからの技術進歩においても重要なLCA(ローコストオートメーション)の部品です。
- 高精度の測定や位置決めを要する装置構造では、アッベの原理にしたがい、測定線(位置決めワーク)と目盛線(リニアスケールなど)を、同一直線上に配置させることが設計原理として好ましいです。タグ:
- (1)精度と誤差について 誤差と精度の言葉の関係は、測定結果や計測器の性能を満足いく性能ととらえるか、逆に性能不備としてとらえるかで使い分けられる概念です。 ■誤差とは 測定値から「真の値」を引いた値。ただし、誤差を伴わない「真の値」が得られないので「近似値」を誤差として取り扱う。 (2)「正確さ」、「精密さ」、「精度」について(【図1】参照) ■「正確さ」とは 偏りが小さい程度であること。真の値と測定値の平均との一致の度合い。 ■「精密さ」とは ばらつきが小さい程度であること。真の値とは関係なく測定値の一致の度合を示すもの。 ■「精度」とは 計測器が表す値、または測定結果の正確さと精密さを含めた総合的な良さのこと。タグ: