メカニカル部品
- 金属切削面の端部には、必ずと言ってよいほどバリが残ります。このバリは、端部の面取り加工などの処理をしなければそのまま残っており、精度低下や異物付着等のトラブルの要因に繋がる可能性があります。 バリによる位置決めトラブル→ バリが基準面にはさまり位置決め基準面(穴、平面)の精度低下により位置決め精度が低下する。 したがって、バリが基準面にはさまらない位置決め治具構造にすることが対策になります。タグ:
- 製造原価や組立精度の競争などの背景から、ある程度の品質バラツキを持つ部品をうまく使いこなす技術が求められます。ここでは、バリ処理が不完全な部品でも、位置決め作業に影響を受けないワークホールド技術と、位置決めピンの使用事例を解説します。 部品のバリについて 外形で受ける位置決めの場合 位置決めピンの使用事例 部品のバリについて 金属材料を加工した部品には、金属の延びる性質のために端部にバリが生じます(【写真1】)。タグ:
- 位置決めの確実性について解説します。 (1)位置決めされるとは 部品を位置決めするとは、部品にある程度の力を加えて動かないようにすることです。この動かなくするとは、固定力(作用)と、位置決め部品からの反発力(=弾性変形力、反作用)が均等になり動かなくなることです。 しかし、剛体(例えばセラミック材料部品など)の場合には、締結力に対する弾性変形力はほとんど生じません。セラミック材料の破壊靭性値よりも強い締結力を与えると割れてしまいます。タグ:
- 部品を位置決めするとは、部品にある程度の力を加えて動かないようにすることです。この場合、力の大きさや部品の支え方の適不適により部品が変形を生じる場合があります。ここでは、変形させない位置決め法について解説します。 (1)変形が問題になる作業とは 次のような作業や工程で、位置決めによる変形が問題になります。 切削や研削などの機械加工を行うワークを加工治具に固定する場合→加工の精度が出ない 自動機で部品を組付ける場合などのワーククランプ時の変形→安定した自動組付けが出来ない 形状検査を行う場合の検査治具上での変形→検査の信頼度低下 その他:熱膨張・収縮などの物理作用による変形・・・<ここでは省略> (2)なぜ変形が生じるのか 変形を生じる理由は単純です。 固定のための締付力 > ワークを固定する部位の変形強度タグ:
- 力を受ける場合の位置決めには、力の方向に対して適切な方向に位置決め基準面を設けなければなりません。位置決め基準面の設定ミスは、次のような問題に繋がります。 ■位置決め基準面の設定ミスによる問題 (1)位置決め精度の不安定性 (2)ワーク破壊などのトラブル (3)ワークやツール部の破損による不安全事故 したがって、力を受けるワークの位置決め法は、ワークに作用する力の方向と大きさに対して、適切な位置決め手段を設計する必要があります。タグ:
- バリや切粉、位置決め基準面上の付着異物などは、位置決め治具の摩耗を促進し誤差の増大を引き起こします。ここでは、バリや異物の悪影響を回避する位置決めピンについて解説します。 バリや異物の対策の方法 バリや切粉、異物などの悪影響による位置決め精度の劣化を防ぐため、次の3つの方法が挙げられます。 a)除去し易い位置決め基準構造の採用 b)位置決め作業自体でセルフクリーニング c)バリや異物の悪影響の回避構造の採用 以下では、まず、a)について解説します。タグ:
- 多種多様なワーク外形に対応するために、位置決め基準面も色々な形や寸法のものがあります。ここでは、位置決め基準面の基本型について解説します。 位置決め基準面の基本型 (1)一体型位置決め基準方式(【図1】)タグ:
- 機械化・自動化の進歩により、多種多様な加工物(ワーク)が装置上で付加価値を上げる加工がなされています。大は第九世代の液晶ディスプレイ用ガラス基板から、小は数百μmのチップマウント部品に至るまで、ワークを保持して自動加工が実施されます。以降ではワークホールド技術とその原理について解説します。タグ:
- エロージョンとは、機械的に起こる磨耗作用のことで、コロージョンとは、腐食のことです。直訳すると、「磨耗的腐食」ということになります。 配管中を流れる水のように、腐食環境が流動していると、配管内面をこすることになり、流速が低ければ磨耗は起きませんが、流速が高ければ磨耗します。また、流体中に粉体など固体を含む場合には、激しく表面をこすり、機械的磨耗が生じます。 炭素鋼について考えますと、炭素鋼は水や水溶液中で腐食しやすく、腐食すると、表面に錆びが発生します。この錆びは、ステンレス鋼のように、これ以上の錆びの進行を阻止するほどの耐食性はありませんが、錆びが全くない状態に比べると、腐食速度を大幅に低減できます。 しかし、このような状態のときに、流体による磨耗作用が働けば、その腐食生成物は削りとられることになり、新たな炭素鋼の表面が出現します。これに、水中に溶存している酸素が働けば腐食は当然促進されます。つまり、エロージョンによって錆びが取り除かれ、コロージョンによって錆びが発生じるという複合的な作用によって、いずれか一方の作用だけのときよりも、はるかに腐食速度は大きいものになります。
- ローラコンベヤの設計前に、搬送ワークの特徴を十分に把握したうえで、ローラコンベヤの構造を決める必要があります。 (1)ローラコンベヤの条件 搬送物は外形、重量、壊れ易さなどありとあらゆる条件が伴います。したがって、コンベヤ設計に着手する前に満足すべき条件<下表例>の整理が重要です。タグ:
- 短納期要求が強くなる背景から、仕様変更が恒常的に出される弊害が多くなっています。ここでは、仕様変更に素早く対応するための、設備設計者の活動のポイントについて解説します。 仕様変更により生じる弊害最小化のための変更管理対処法 仕様変更によるデメリットの最小化を図るため、仕様決定の段階で、相手側に対しては仕様書文面に契約事項として明文化させてもらうことが好ましいです。 しかし、それでも仕様変更は否が応でも生じるため、「予防」→「予見」→「対処」の3段階の実践が重要です。タグ:
- ここでは自社内での見積仕様書作成の進め方に原因があるトラブル事例とその原因と対策について解説します。 見積仕様書作成プロセスでの意思疎通の不備に起因するトラブル事例 上のトラブル事例は、失敗を経験することで対処法は身につくものですが、この手のトラブルは相手側、自社側ともに損失が甚大となるため、OJT(仕事を通じてのトレーニング)で事前教育するのが好ましいです。 « 前の講座へ 次の講座へ »タグ:
- 仕事の環境がボーダーレスに向かっている現状では、自動機の購入側、販売側の双方ともに色々なトラブルを引き起こす場面が増えつつあります。次のような背景が影響しています。 仕様書に係るトラブル増大の要因 仕様書に係るトラブル増大の要因は次のように大分類できますが、中でも『イ)の要因(情報共有化の不備)』が意外に多いことに注意を要します。タグ:
- 購入仕様書の配布を受けた受注希望企業は、見積仕様書<下記参照>と見積書で回答を出す必要があります。購入仕様書に回答を出すとは受注競争に参加することです。したがって、営業部門が責任部門となり、技術部門は技術的に優れた提案書を営業に提出する関係になります。タグ:
- 企業は、それぞれ専門の部門機能に組織的に分かれて仕事をします。企業が製作物品を購入する場合も、それぞれの組織機能をうまく活用して、より適切な製作物品を無駄なく調達することが好ましいです。タグ:
- 良い購入仕様書とは、製作された購入物品に対して発注者、請負業者、製造業者の3者全員が満足できる購入仕様書であることと言えます。そのためには、3者に不必要な無駄(下記記載)を生じさせない購入仕様書となっていることです。タグ:
- (2)めっきの電流密度 めっき槽内で、陽極から陰極に向かって流れる電流の強さは一様ではありません。両極の形状や表面積、1本の引っ掛けでは、懸垂されている上下の位置、両極の相対する距離、めっき液の流動状態や温度分布などによって異なります。 そしてめっき皮膜の電着速度に最も大きな影響を与えるのが、陰極電流密度(A/dm2)です。 【図1】に、これらの関係を示しました。 電気の性質として、当然、尖った部分には電流が集中しますし(高電流密度)、凹んだ部分には電流が弱く(低電流密度)、時には全く流れません。この結果は、品物の各部位のめっき皮膜の厚さのバラツキとなって表れます。電流の流れない部分には、めっきが付きません。
- 仕様書には3種類あると前号で説明しました。このうち、購入仕様書が最初の仕様書となるため、これをテーマに解説します。 購入仕様書の記載項目 次の項目が記載されます。下記項目の(1)〜(10)は技術担当者が、(11)〜(13)は購買担当がそれぞれ作成する役割になります。タグ: