クリーンルーム用LCA(ローコストオートメーション)装置の機構素材も、クリーン化三原則に従って選定します。
例えば:
a) | コンタミネーションを出さない材料=錆にくい材料 | ||||||||||||||||
b) | コンタミネーションをためない材料=コンタミネーションを付着させない/しにくい材料 b)の場合、コンタミネーションの要因別付着機構として下記が挙げられるが、1. 2. 3. が主要因。
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以下では、項目3. について解説します。
簡易クリーンブースは、ヘパフィルタユニットの回転モータやカーテン・ドアの開け閉め、キャスタの回転による移動などの動きを持つため、摩擦帯電や剥離帯電が生じます。LCA装置も駆動部があるため摩擦帯電などが起こります。
この帯電エネルギーを簡易クリーンブースやLCA装置の部材にためると、コンタミネーション付着・堆積や静電破壊などのトラブルの原因になります。絶縁体は静電気をためませんが、構成部材の全てを絶縁体の部材には出来ません。したがって、コンタミネーションを堆積させないための帯電防止のための素材と材料構成が重要です。
帯電発生の代表的メカニズム
帯電発生の代表的メカニズムとして、次の2つがあります(【図1】) a)摩擦帯電 b)剥離帯電 |
帯電防止のための機構構造
導電性部材と絶縁性部材が組み付けられて設備となります。この場合、絶縁部材の箇所で静電気の流れが遮断されるため、絶縁部材の手前で帯電エネルギーが蓄積されます。この蓄積された帯電エネルギーは、帯電電荷の反対に帯電した浮遊コンタミネーションを引き寄せ、装置表面や製品表面にコンタミネーションを付着させる問題が生じます(【図2】-a)参照)。また、放電による回路破損の事故などにも繋がります。したがって、発生する静電気をためない構造と部材選定がポイントです(【図2】-b)参照)。
【図3】【図4】に、簡易クリーンブースの帯電を生じ易い部分の解説と、その対策事例を示しました。