「2個の摺動部品が擦れあって摺動する部分からは必ず発塵がある」と考えるのが、摺動機構の摩擦・摩耗・寿命の点からは適切です。したがって、クリーンルームで使用するLCA(ローコストオートメーション)装置の摺動機構部のクリーン化技術は、クリーン化技術三原則の項目-2「コンタミネーションを出さない」の考えで対策が採られます。

図

 この摩擦・摩耗・寿命の経時変化を少なくする技術として潤滑技術があります。クリーンルームで使用するLCA装置の摺動機構部のクリーン化技術も、この潤滑技術が活用されます。

摺動機構部のクリーン化技術

 摺動機構部からの発塵は次の2つが主な要因として挙げられるため、両者の対策を採ることが基本的な考えです。

 ア)2個の固体の摩擦(摩擦の繰り返し)による摩耗粉の発塵
 イ)潤滑用オイル/グリス類の飛散 (【図1】参照)

図1

【図1】より

  • ボールねじは回転運動をするためグリス飛散の影響が大きく、通常グリスの場合は運転後20時間程度までグリス飛散量が多く、その後は高いレベルで安定する。
  • 低発塵グリスを使用すると、初期から発塵が少なく長時間にわたり安定している。
  • 両者ともに、長期間での摩耗を抑制させるには、適時、グリス供給は必要です(【図2】参照)。

図2

摺動部の摩耗発塵を抑えるには 手段の例
摺動機構部を少なくする 摺動/回転/噛み合わせ機構の採用を少なくする
例
・摺動/回転→非接触摺動など
・噛み合わせ(ギアなど)→サーボ機構によるギア数削減
・搬送機構を短くする
摩擦力を小さくする 1.垂直荷重を小さくする
→ベアリングを増やし接触面積を大きくする軽量構造化
2.加速減速を小さくする
→加速減速を小さくして慣性力による
 垂直荷重の影響を小さくする
潤滑剤による摩耗抑制 クリーン用潤滑グリスの採用とメンテナンス
耐摩耗性の高い摺動部品の採用 仕様余裕のある摺動部品(ベアリング類)の採用
セラミックボールなどの採用
振動や機構ガタを抑える 運動速度・加速度を抑える
高精度化
局所排気処理<飛散防止策> 機構構造で対応
ベローズの採用で発塵物の密封