メカニカル部品
- 穴、軸のはめあいの種類は、おのおのの寸法許容差によって分類されています。 「はめあい」の種類と記号 穴の場合は穴径が大きくなる正の寸法許容差の側から絶対値の大きな順にアルファベットの大文字でAから始まり、基準寸法と一致するHまでと、H以降の負の寸法許容差で絶対値が大きいほうへZCまで28種類の記号が定められています(【図1】a)参照)。 軸の場合は、穴の場合と反対に、軸径が小さくなる負の寸法許容差の側から絶対値の大きな順にアルフアベットの小文字でaから始まり、穴と同様にhで基準寸法と一致させ、以降は軸径が正の寸法許容差を持つほうへzcまでの記号で分類されています(【図1】b)参照)。タグ:
- 適用範囲 めっき皮膜の化学成分 めっきの密着性 めっきの耐摩耗性 めっき後の水素ぜい(脆)性除去 等級およびめっきの最小厚さ めっき皮膜の硬さ めっきの耐食性 めっきのはんだぬれ性 めっきの呼び方
- 「はめあい」の解説に入る前に、寸法公差を説明します。 数学に出てくる数値、例えば50は正確に50ですが、設計図に示される図面寸法の数値(例えば50)は、その設計物の指定された寸法の目標値です。何らかの加工で製作される機械部品は、目標値(これを呼び寸法という)に対して加工誤差を伴います。この加工誤差の許容範囲を示す寸法値が公差です。 一般公差について この公差は、設計図面の中で特に公差指示が必要な箇所にのみ記入し、そのほかの部分の寸法には標準的な公差(一般公差)を適用するものとして寸法表示を省略します。削り加工部品の公差の場合などでは、必要精度に応じて精級、中級、粗級と3種の公差規格が定められています(【表1】>:JISB0405より)。 表1.削り加工部品の一般公差表(JISB0405より) (単位:mm)タグ:
- 「はめあい」は軸と穴、位置決めピンと位置決め穴、リンク連結穴と連結ピン、スライダと案内など、2個の機構部品の機能を実現させるために必要な寸法関係です。 (1)「はめあい設計」の狙い 2個の機構部品の機能を実現するためには、例えば位置決めピンと位置決め穴の寸法関係を精度よく加工すればよいが、必要以上の精度要求は加工工数の増大により製作費が高くなります。したがって、2個の機構部品の双方に機能上差し支えない程度の許容限界寸法を選定し、その範囲で製作できればよいこととします。その結果、次のメリットが得られます。タグ:
- ローコストでハイパフォーマンスな機構を製作するためには、「はめあい設計」に強くなることが望まれます。ここ以降では、機械設計エンジニアでもとっつきにくい「はめあい設計」について、LCA(ローコストオートメーション)との関係を主に解説します。 (1)「はめあい」とは 2個の機構部品は、次の3つの関係でなりたっています。 固定・・・・・・・・・・・・例:固定ピンの圧入 位置決め・・・・・・・・・・例:治具の位置決め 案内(回転、しゅう動)・・・例:ベアリング挿入穴 上記の3つの場合の2個の機構部品のはまりあう寸法関係を「はめあい」といいます。 (2)「はめあい」の生い立ち 「はめあい」の狙いは、機能上差し支えない範囲に2部品の寸法関係の許容限界を取り決めることで、過剰品質とせずに互換性を持たせることができる設計値を示すことです。タグ:
- 倍力メカニズムに利用される「てこ」を連結させて「複式てこ」として応用する場合を解説します。これは単純なシーソー型の法則による倍力作用と、力の方向を変える変向作用を同時に実現することが出来ます。 【図1】−a)は、複式てこ方式の倍力メカニズムの解説図です。腕の長さの比と力の釣り合いの関係から倍力(F)の式が導かれます。 【図1】−b)は、複式てこ方式を応用した簡易治具(道具):ブロックホルダです。レンガやブロックなどの四角形の重量物を効率よく運ぶ道具に利用されます。
- 倍力機構の最もシンプルな形は遊園地にあるシーソー型です。この単純形では倍力メカニズムは支点から力が働く点までの距離(腕の長さ)の比で決まります(【図1】)。シーソー型の応用例は瓶ビールの栓抜きが挙げられます。 ベルクランクとは、シーソー型の倍力機構が曲がった形状ものです。倍力メカニズムはシーソー型と同じ法則ですが、クランクが曲がっているため、腕の長さを力の作用方向に対して垂直にとるために変化してきます(【図2】-a))。ベルクランクは、大工道具の「釘抜き」に全く同じ形状で利用されています。
- ここでは、ピストンークランク機構を基本構造とするプレス機の倍力機構の例を解説します。 下図の【a】がプレス機の概略図です。『クランクOA』には偏心ディスクが用いられ、回転中心Oよりも下にディスク中心(重心)が来たときに、偏心ディスクの重量がプレス加工に作用するようにしたものです。 【b】は【a】のプレス機をスケルトン法で表現したものです。この【b】の『節A』における力のベクトル成分と、プレス機の加工点『B』における力のベクトル成分の比較から、倍力作用がえられることが分かります。偏心ディスクを用いることで、プレス機の下死点近傍(プレス加工エリア)で『節A』に作用する『接線力F0』を大きくさせ、その力をピストンにより垂直方向に変向して『プレス力FP』を形成します。
- 小さな力で大きな力の作用が得られる機構を倍力機構と呼びます。この倍力機構を構成する機械要素には、リンク、てこ、ねじ、くさび、ギヤ、滑車などがあります。ロボットコンテスト(通称:ロボコン)の軽量アームには、単純な機構で倍力効果が得られるリンク機構が良く用いられています。 また、重量物を持ち上げるのにてこを使用するのも倍力機構の応用例です。この場合は、重量物を小さな力で持ち上げることができますが、重量物の移動距離に較べて長い距離を持ち上げなければならなくなります。 このように、倍力機構を用いても仕事量(物体を移動させる力と移動させた距離の積)は変わりません。第92回では、リンク機構を応用した倍力機構を紹介します。 4節回転連鎖のリンク機構(【図1】-a))で、節Aでの力のベクトルを考えてみます。 【図1】-b)は、倍力作用の効果が大きく得られるリンク機構の配置図です。 【図1】-c)は、倍力作用の効果がわずかなリンク機構の配置図です。 両者を『節A』での力のベクトル成分の比較で解説します。
- 回転軸が同一平面にあり、その2軸の成す角度が90度以上の機構の場合に、コイルばねを用いて2軸を連結させ、原動軸の回転を従属軸に伝えることができます(【図1】参照)。 このコイルばねを用いた連結—変向機構は、従動軸側の角度が90度以上の範囲である程度自由に変更できるため、伝達角度のフレキシビリティ性を利用して、対象製品のランク分けや組付け調整を要する機構などに応用できます。 多機種化対応を行う場合の従属軸側の軸の連結方式の例を【図2】に示しました。
- 適用範囲 用語の定義 等級・種類および記号 クロメート皮膜の耐食性 クロメート皮膜の呼び方 クロメート皮膜の質量測定方法(JIS H 8625(1993) 附属書1より) 適用範囲 この規格は、電気亜鉛めっきおよび電気カドミウムめっきに防食の目的で施した有効面*1のクロメート皮膜について規定する。
- 原動体の力を従動体に伝える場合に、機構設計上の配置や大きさなどの制約を解消させる機構要素として変向機構があります。これは原動体からの力や運動の方向をそのまま利用せず、向きを変える機構のことです。ここでは2回に分けて代表的な変向機構を紹介します。 (1)ベルクランクを用いた変向機構 【図1】は90度のベルクランクで同一平面にある2個のリンクの運動方向を変更させた例です。 ここでベルクランクとは、2個のリンクを同一平面内である角度で連結させた連結部品のことです。図1では原動体(2.)の上下往復運動を従動体(3.)の水平往復運動に変向した例です。 【図2】は自動車のエンジン部に採用されている変向機構(クランク)です。
- 欠歯歯車を用いた間けつ運動機構では、従動軸側が原動軸からの力を受けて間けつ運動した後、回転せず停止した状態のままとなるよう錠止機構(爪やフックなど)を持たせます。ここでは、摩擦車を用いることで制動機構のない簡便な間けつ運動用「からくり治具の素」を紹介します。
- 等速で回転している原動軸から伝わる運動を、周期的な始動と停止運動を行う間けつ運動に変換させるための「からくり治具の素」を解説します。
- 回転運動を左右方向の揺動運動に変換させる「からくり治具の素」を紹介します。 【図1】はその代表機構図です。この機構を用いて、基本的な機構設計を解説します。 リンク機構において0軸(駆動軸)を中心に回転するクランク(1)と、もう1方の回転軸0' 軸を中心として揺動するリンク(3)とを連結リンク(2)で連結させると、0軸側のクランクの1回転に対してリンク(3)が左右に揺動運動を行ないます。このリンク(3)の揺動範囲(A点〜B点)はクランク(1)と連結リンク(2)が1直線状に重なった位置で決まってきます。 【図1】では、a点で2部品が直線状になり、揺動するリンク(3)は右端位置A点に移動した後に反転運動に変わる。またb点で再度2部品は直線状に並びB点が決まってきます。
- 硝酸ばっ気試験方法(有孔度試験)[附属書1(規定)] 耐食性試験 下地めっきの種類および最小厚さ [附属書2(参考)] 硝酸ばっ気試験方法(有孔度試験)[附属書1(規定)] 適用範囲 金属および非金属素地上に行った工業用金および金合金めっきの有孔度を、硝酸蒸気の雰囲気中で暴露する試験によって調べる方法について規定する。 使用器具 容器は、試験片に適切な大きさのデシケーターを使用する。 操作 1) 試験片の汚れをエタノール、ベンジン、ガソリンなどの溶剤を用いて除去し乾燥させる。 2) デシケーターの底部に適量の硝酸を入れ、磁製板の上に試験片を載せ、ふたをする。 3) 約23℃で1時間放置する。 4) 試験片をデシケーターから取出して、静かに水洗いして乾燥する。
- 回転運動を回転軸に垂直方向に直線運動変換し、その運動がもつ力を増大させる倍力機構の「からくり治具の素」を紹介します。 【図1】がその機構図です。 応用例 接着剤膜厚の均一化のプレス機構 印刷用プレス機構 平坦度修正機構 標準部品の選定のアドバイス 【図1】の部品ではシャフト(30度台形ねじ、左右ねじ)(1)、ナット(2)、プレス板(3)、リンク(4)、ナックルジョイント(5)、ハンドル(7)が標準部品で構成できます。
- 回転→直線変換機構の代表的な機械要素にカムがあります。カムの応用例について紹介します。 カムの優れた特徴は下記です。 カムの軌跡を伝達される出力端で、速度・加速度・躍動などの運動特性を任意に実現できる。 リンク機構との組合せでシンプルな構造で小型・軽量・高剛性の機構が実現できる。 複数の動作をオーバーラップして制御可能なため、全体のサイクルタイムを短くできる。 信頼性が高い 以上の特徴から、応用例では、高速端子圧入機の圧入機構や自動車エンジンの給排気弁の高速で複雑なタイミング制御(【写真1】)に採用されています。【写真1】では板カムをリンク機構で変位拡大させ、高速応答性を保証させるために、ジャンピング防止用バネがセットされています。
- 適用範囲 各種密着性試験法へのめっきの適用例 密着性試験方法のあらまし テープ試験方法 曲げ試験方法 熱衝撃試験 適用範囲 この規格は、金属素地上に施した電気めっきおよび化学めっきの密着性試験方法について規定する。
- 回転運動はねじにより直線運動に変換できます。ここではねじの構造を工夫することで直線運動を多様に制御できる「からくり治具の素」を紹介します。ここでは「おねじ」と「めねじ」をカムと考えて利用しています。 【図1】は1本の送りねじシャフトに2個の逆ねじを持たせた「からくり治具の素」の機構図です。 右端のハンドルを回転させると、逆方向の2つのねじと対をなす2個のめねじ側のスライドブロックが反対方向に直線運動します。ハンドル1回転で2倍のピッチの移動を生む倍速機構としても応用できます。