[2023/11/28公開]
Question
生爪加工治具の使用方法を教えて
生爪加工を検討していますが、生爪加工治具を使用すると簡単に精度が出せると聞きました。使用方法と注意点を教えてもらえますか?
Answer
生爪加工治具とは3爪チャックに加工物を掴んだのと同様に、爪のガタを無くした状態にできる治具です。 ガタを無くして生爪を加工することにより、 加工物の芯出しおよび再現性が向上いたします。使用方法と注意点を以下に記載していますのでご参照ください。
注意事項
生爪加工治具の変形防止のため、チャック圧力は8kgf/cm2以下でご使用ください。逆に極端に圧力が低いと外れてしまいますのでご注意ください。また、生爪加工治具を使用するときの回転速度を上げすぎないようにしてください。目安としては治具外径が300mm程度でしたら500min-1以下、治具外径が100mm程度でしたら800min-1以下ですが、詳細は各商品の最高回転速度仕様をご確認してください。
使用方法
① 生爪をチャックに取り付けます。生爪に番号の刻印がある場合、チャックの爪位置番号の刻印と合わせ取り付けます。無い場合は生爪にチャックの爪位置番号を刻印しておきます。また、油圧チャックの場合はクランプしたときに適正ストロークの範囲内にあるか注意して、3つの生爪が等距離になるように取り付けます。生爪にマスタージョーの基線位置をマーキングしておくと、生爪を外した時に再セットしやすくなります。
② 生爪加工用治具のピンが、生爪取付ボルトの座繰り穴に入る位置に治具本体を回して治具をセットします。
③ チャックを締付けて、生爪加工用治具を固定してください。 油圧チャックの場合、前記したとおりマスタージョーの基線の位置が適正ストロークの範囲内にあることを再度確認してください。
④ 生爪加工用治具のガタや傾きが無いことを確認後、生爪を目的の形状に加工してください。
⑤ 生爪加工後は、チャックを緩めて生爪加工用治具を取り外してください。
⑥ 被削物またはテストピースを掴み、ダイヤルゲージをあてて、面と芯がでていることを確認してください。
⑦ 生爪は被削材加工終了まで、なるべく取り外さないようにします。取り外した場合、基本的には生爪を再加工してください。設置時と同じ爪位置番号とマーキング位置に取り付けた場合は、必ずしも再加工の必要は無く芯と面が出ていることをだけを確認してください。