プラ型用部品
- 射出成形金型で多用されるサイドゲートの寸法の決定の方法を紹介します。サイドゲートは、最もシンプルなゲートデザインで、成形品とゲートは接合していますので、二次加工でゲートは切断されます。サイドゲートは溶融樹脂を安定してキャビティ内に流入させることができ、また保圧も十分にかけられるので成形品のひけを防止することが可能です。 サイドゲート寸法の決定では次の2ステップで検討します。 【第1ステップ】ゲート深さの決定 まず、成形品の肉厚t(mm)を確認します。 次に、成形材料による係数nを表1から求めます 【表1】タグ:
- 成形品のデザインでは、アンダーカット形状(パーティング面の開閉だけでは取り出すことができない形状のこと。例えば、横穴、突起、凹みなど)がどうしても必要になることがしばしばあります。 アンダーカット形状は、スライドコアや傾斜ピンなどの特殊な金型構造で成形品を取り出せるように機械工学的に金型を設計しなければなりません。 最もシンプルなスライドコア構造でアンダーカット処理ができれば設計は楽なのですが、複雑なアンダーカット形状を処理するにはそれなりの金型設計の知恵を編み出さねばなりません。 試作金型などで、とにかく成形品サンプルを早期に入手して、実装テストなどを始めたい場合には、特殊なアンダーカット機構の開発や金型製作をしてしまうと納期が2週間とか長くかかってしまう場合があります。このような場合に、先輩たちが工夫して対処してきたアンダーカット処理方法に「置き中子(おきなかご)」構造があります。タグ:
- アメリカ合衆国(United States of America)では、日本やヨーロッパと異なる長さや圧力の単位を使用しています。日本では、SI単位系が主要に使用されていますが、アメリカではインチ系(長さ)、ポンド系(質量)が現在でも使用されています。これらの単位の互換について解説します。タグ:
- プラスチック成形品を生産販売する企業では、実際にどのような項目にいくらぐらい経費がかかっているのかを慎重に分析して、経営に役立てる必要があります。このような分析のことをコスト分析と言います。コスト分析をすると、以下のような項目が成形品の生産経費として計上されるべきであることがわかります。 <プラスチック成形品のコスト分析> 材料費 直接人件費(作業者) 間接人件費(事務員、管理者) 保険料 金型償却費 機械償却費(成形機) 機械償却費(周辺機器) メンテナンス費 建屋償却費 電気代 水道代 不良対策費 検査費 輸送費 さらに、場合によって以下の費用が計上されます。タグ:
- 金型を作って、成形試作を行ったところ、「ランナーの太さをあと少し細くしておけばよかった!」 とか、「左右のキャビティの充填バランスがどうしても取れないから、ランナーの太さを調整したいのだが…」といった経験はありませんか? 金型にランナーを機械加工して掘り込んでしまうと、それを細くするためには、金型の作り直しや、入れ子修正、溶接などの大掛かりでお金のかかる対応をしなければなりません。 かといって、設計の時点でランナーのサイズを計算でどんぴしゃ決めることは大変困難です。さらに、新しいプラスチック材料で経験が不十分な場合にはなおさらランナーサイズの決定にはリスクを伴います。 このようなリスクを低減し、簡便にランナーの流量を調整できるようにする部品が、「ミスミ ランナー流量調整ボルト RRCB」です。 本製品をランナーの途中に取り付けることで、ねじ部を回転させて流動する樹脂の流量を調整することができます。試作金型における流量調整の見極めをするには大変有効な部品です。 本製品は、2プレート構造金型にも3プレート構造金型にもお使い頂けます。回転部と取り付け穴のクリアランスは、成形材料によってばりの発生が許容できるかどうかで決定します。タグ:
- コールドランナーで射出成形したときのゲート切断を型開き動作を利用して行うためのユニット商品です。 薄肉成形品やひけを嫌う成形品のゲートは、サイドゲートやゲート径の大きなサブマリンゲートなどを使用します。そうするとゲートの切断を後工程で行うのには苦労をする経験をされた方も少なくないと思います。 「型内ゲートカットユニット」は、パーティング面を閉じたままで、ゲート部がらせん溝に沿って回転して、切断する機構となっています。 金型内での切断ができるため、ゲート切断面が均一になります、また切断時のゲートカスの発生も抑制することができます。 ゲートの構造ですが、以下の種類に適用ができます。タグ:
- 金型の冷却水ジョイントの接続本数が多くなってくると・・・ホースがぐちゃぐちゃに絡み合って、金型を成形機に取り付ける段取り時間や取り外し作業にものすごく時間がかかってしまう! こんな経験はありませんか? 金型を設計するときには設計者はキャビティ-コアの設計に全力投入して疲弊してしまっていて、冷却回路のホース接続まで気が回らないことも実は、しばしばあるのです。でも、そんな金型が成形現場へ投入されてしまうと金型の交換の都度、現場では冷却配管の取り付け、取り外し作業に莫大な時間をとられてしまっています。 このような悩みを解決するヒントが「金型用マニホールドKMB,KMS」です。マニホールドには冷却水ジョイントを集中して接続できるように多点の接続穴が設けられています。 また、L字穴タイプもあり、ホースの接続姿勢によって選択が可能です。 材質は、アルミニウムA5302を採用、冷却水の温度変化をキープします。 ジョイントの個数は、1個から4個まで選択することができます。 接続ねじの種類もJIS G,R から選択ができます。タグ:
- プラスチック射出成形金型のキャビティには、毎ショット高温の溶融樹脂が流入してきます。そして、その流入温度は、樹脂の種類によって適切な温度範囲が決まっています。 キャビティの全体の温度は、これらの温度範囲となるように冷却水やスチーム、カートリッジヒータ等で適切に保温されなけらばなりません。 ところが、コアピンやスプルーブッシュなどの一部分では樹脂から伝わってきた熱が徐々に累積していって、放熱だけでは冷められない状態に陥ってしまうことがあります。 そのような加熱状態になってしまうと、タグ:
- プラスチック射出成形につきまとう永遠の課題の一つは、ガス抜きです。これまで60年間世界中でガス抜き対策が講じられてきました。ある程度の経験的な対策は確立されてきました。しかし、科学技術の進歩は、次々と新しい合成樹脂を市場へ投入できるようになってきています。新しい樹脂には新しい成形加工技術や金型技術が必要になりますが、それらが確立されるためには何回もの試行錯誤を繰り返さねばなりません。一方、量産加工の現場ではそんな悠長なことは通用せず、ヒット商品であればあるほど大量の注文が入り込み、ガス抜きをなんとか直ちに改善しなければならないという現実があります。ここまでは、先回の前書きと同じ文章でした。 さて、「ガス抜きアシストユニット(真空発生器)」は、強制的に外部の空圧を利用してガス抜きを行うタイプの商品でしたが、今回ご紹介する商品は、「ガス抜きユニット」です。この商品は、外部の強制排気力を利用せずに、樹脂から発生するガスをキャビティ内から排気させる部品になります。タグ:
- プラスチック射出成形につきまとう永遠の課題の一つは、ガス抜きです。これまで60年間世界中でガス抜き対策が講じられてきました。ある程度の経験的な対策は確立されてきました。しかし、科学技術の進歩は、次々と新しい合成樹脂を市場へ投入できるようになってきています。新しい樹脂には新しい成形加工技術や金型技術が必要になりますが、それらが確立されるためには何回もの試行錯誤を繰り返さねばなりません。一方、量産加工の現場ではそんな悠長なことは通用せず、ヒット商品であればあるほど大量の注文が入り込み、ガス抜きをなんとか直ちに改善しなければならないという現実があります。 ミスミ ガス抜きアシストユニット(真空発生器)は、このような要望に対応すべく開発された商品です。残念ながら、ガスを完璧に抜いて問題を完全解決することまではできません、しかしガスのかなりの量を抜いてガスによる不具合解決を確実にアシストできます。ガス抜き対策の信頼できるアシストユニットとしてご活用ください。タグ:
- 射出成形ではキャビティとコアの冷却が、生産性、生産コストそして品質安定に大きな影響を与えます。それは百も承知であっても、冷却水孔を設けるスペースがないからしかたがない、うまい冷却構造が従来の方法だと適用できないから仕方がない・・・。こんな悩みに解決策を提供できるのがミスミの「スポット冷却パイプ」です。 冷却水や加圧スチーム、冷却油などの流体を冷媒として金型内を循環させる温度調節機構は、射出成形金型の温度調節構造の主流です。流体を循環させるためには型板やキャビティ、コアに孔を機械加工します。機械による孔加工は、ツイストドリルやエンドミルで加工することがほとんどですから、孔は直線孔しか通常は加工できません、曲がった曲線の孔を機械加工することは極めてアクロバティックな方法しか不可能です。タグ:
- ホットランナーは、成形材料のスクラップを発生させない射出成形技術として多用されるようになってきているが、コールドランナー金型とは異なり、金型に加わる熱の出入りについては極めて精密に温度制御が必要になる。金型の部材の熱の出入りを支配するのは、熱の伝わり方である。熱の伝わり方には以下の3つの形態がある。 1.熱伝導(heat conduction) 例)金属どうしで熱が伝導する現象 2.熱対流(heat convection) 例)金属から空気へ熱が対流して伝わる現象 3.熱輻射(heta radiation) 例)金属表面の色や光沢から輻射熱が伝わる現象 ホットランナーの設計では、上記1~3の熱の伝わり方を巧みに組み合わせるノウハウと科学的な知見が重要です。 熱伝導では、ホットランナーを構成するランナー本体やヒーター、加熱チップなどの材質を金属素材の熱伝導率を考慮して選定する必要があります。 金属の熱伝導率を以下に示します。タグ:
- プラスチック射出成形金型の取数の意志決定は、成形品の製造コストや金型投資コストを左右する大変重要な判断です。 一般に、取数が多くなれば成形加工コストは低減します。一方、取数が増大しますと金型の設計製作の難易度が上がります。金型の設計製作の難易度とは略以下の項目のことです。タグ:
- 切削工具には硬くて、摩耗しにくい素材が材質として向いています。工具の材質は、加工物の材質や表面状態とも密接な関係があります。オールマイティな工具素材はありません、加工物との相性や加工品質によって適切に選定をする必要があります。 以下に主要な切削工具の材質を解説します。 【炭素工具鋼】 炭素工具鋼は、SKシリーズの工具鋼です。最も原始的な工具材質です。摩耗しやすく 金型の切削加工ではほとんど使われなくなりました。 【合金工具鋼】 SKS、SKDシリーズが該当します。炭素工具鋼にニッケルやクロム、モリブデン、タングステン等を含有させて、耐摩耗性を向上させています。焼き入れ前の鋼材の切削加工などに使用されます。 【高速度鋼】 SKHシリーズが該当します。タングステン、バナジウム、コバルトなどを含有させた素材です。エンドミルやドリル、バイトに使用されます。焼き入れ前の鋼材の切削に適しています。 【粉末高速度鋼】 高速度鋼の素材を、あらかじめ粉末状態として不純物を取り除いた後に真空溶解させて純度を高くした高速度鋼です。刃先の欠けがしにくくきれいな加工面が得られ、長寿命です。タグ:
- 金型部品の切削加工に用いるエンドミルやバイトなどの切削工具については、各種の専門用語が定められています。切削加工について検討する場合には、これらの専門用語を知っておくことが必要になります。 <スクエアエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、外周面と端面に切れ刃を持ち、角形状の断面を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ボールエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、球状の底刃を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ラジアスエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、スクエアエンドミルのコーナー部が円弧形状のRが付いているフライスのこと。 <刃長> 切削工具の切れ刃部の長さのこと。 <シャンク> エンドミル工具の柄のこと。工具を工具ホルダーに取り付ける部分になる。 <工具径> エンドミル工具の刃部の外接円の直径のこと。 <ヒール> エンドミル工具の逃げ面と溝とのつなぎになっている部分のこと。
- モールド金型の部品のほとんどは金属製であり、炭素鋼をベースとした鋼材が使用されています。こららの素材は、機械加工によって所望の形状に機械工作されて金型部品となりますが、機械工作の中でも最もシンプルで加工効率が良いのが切削加工です。切削加工は、工具(刃物)によって鋼材等を削って加工します。旋盤やフライス盤による加工は切削加工です。切削加工は、そのプロセス自身は長年の金属加工の歴史において世界各地で膨大な量の加工が行われてきましたが、その過程で切削加工の理論体系はかなり確立されてきています。経験と勘による切削加工ではなく、理論に基づいた切削加工を行うことが精密金型の部品加工では必要になります。 そこで、切削加工における専門用語について解説をします。 <工具回転数> 回転工具が、単位時間に回転する回数のこと。 単位 min-1 <切削速度> 工具と工作物の相対速度のこと。 単位 m/min <送り速度> 工具と工作物の相対的移動速度のこと。 単位 m/min <切削抵抗> 工具の刃先が切削加工において受ける抵抗力のこと。 単位 N
- 1.材質試験 カドミウム 100ppm以下 鉛 100ppm以下 2.溶出試験 重金属 4%酢酸(60℃-30min)1ppm以下(Pbとして) KMnO4 消費量 水(60℃-30min)10ppm以下 3.毒性試験 Crl:CD系ラット急性毒性試験 Crl:CDBR系ラット急性毒性試験 Hra:SPF系ウサギ急性毒性試験 4.遺伝毒性試験 復帰突然変異試験 5.細胞毒性試験 6.局所刺激性試験 Hra:SPF系ウサギ眼一次刺激タグ:
- プラスチック成形金型の部品どうしは、直線運動をしたり、回転運動をしたりして、なんらかの摩擦を発生している関係にあります。摩擦による摩擦抵抗の発生や摩擦熱の発生は、部品の作動状態を左右しますので、摩擦の状態は設計の意図するような状態にあるべきです。摩擦は、少ない方がよい場合(スライドコアの作動やエジェクタピンの作動など)と大きい方がよい場合(パーティングロックセットの場合など)があります。 部品と部品が乾燥している状態での摩擦係数を乾燥摩擦係数といいます。乾燥摩擦係数は、部品の材質の組合せによっておおまかな範囲が知られています。通常は、乾燥摩擦係数は、0.15以上の値となります。 以下に材質の組合せと乾燥摩擦係数の目安を示します。タグ: