切削加工:基礎知識
- Question 超硬ボールエンドミルを再研磨に出す時の最適な摩耗状況を教えてほしい 社内規定で一定加工時間にて再研磨に出しているが、個人的にはまだ使える気がしている。また、R部の摩耗や欠けが大きいと想定より研磨代が高く、研磨不可などが発生している。 再研磨に出す最適な摩耗状況がわかる基準があれば知りたい。 Answer 超硬ボールエンドミルの再研磨に出す最適な摩耗状況 下記の3つのポイントを参考に、再研磨に出すタイミングを検討してみてください。 摩耗幅は0.4~0.8mmであれば切断せずR部のみの研磨で対応可能(図1-1) 摩耗幅が0.2mm未満であれば再研磨は対応可だが、中仕上加工レベルならそのまま使用可能(図1-2) 欠け含め先端摩耗が1mm以上になる場合は切断が発生しコスト増(図1-3) 切断後にR研磨を再現する十分な刃長が取れない場合は再研磨不可(図2) 図1 刃の摩耗の正面図タグ:
- Question フェイスミルアーバー選定の注意点を教えて フェイスミルアーバーの買い替えを検討していますが、選定の注意点があれば教えて下さい。 Answer アーバーのインロー高さに注意してご選定して下さい アーバーのフェイスミル取付け部はFMA、FMB、FMCで、同じインロー径でも高さが異なる場合があります。 インローの高さが合わないと、止めねじが届かない、キーが嵌合しない、フランジ面が密着しない等で正しく組付きません。 お手持ちのフェイスミルのインローの深さを確認して、適したものをご選定下さい。タグ:
- [2022/02/24公開] Question インサートネジ用タップを選ぶポイントを教えて インサートねじ用のタップは専用のものが必要と聞きましたが、普通のタップとどの様な違いですか? またどの様に選べばよいですか? Answer 先ずは使用するインサートネジを確認して、インサートネジ用タップを選びます インサートネジの種類と呼び寸法を確認します。インサートネジ用タップをネジの呼び寸法から選定します。 インサートネジの確認 専用タップが必要なインサートネジはE-サート(ヘリサート)と呼ばれるヘリカルコイルタイプのインサートです。 図1 専用タップが必要なインサートネジ
- [2022/02/20公開] Question エンドミルに中ベコとフラットという説明の記載がありますが、どういう意味ですか? スクエアエンドミルや自由指定直刃エンドミルには中ベコやフラットというものがありますが、どういう違いでしょうか。 また、どのように使い分けをするのですか? Answer 中ベコ・フラットとは、底刃の形状のことです 底刃の形状の違いを表しており、用途によって使い分けます。 それぞれの特徴や使い分けのポイントは、以下の通りです。 スクエアエンドミルの中ベコとは 中ベコとは、すかし角と呼ばれる底刃を中心に向けて1~3°程度へこませて、逃がしている形状のことです。 切りくずの排出性をよくし、また切削抵抗も少ないので、特に記述がない限り一般的なエンドミルは、中ベコ形状になっています。 図1.底刃が中ベコのスクエアエンドミル
- Question ねじれ角の違うエンドミルをどのように使い分ければよいか? エンドミルのねじれ角は30°・45°・50°と種類がたくさんありますが、どのように使い分ければよいでしょうか? Answer ねじれ角の効果 エンドミルのねじれ角が大きくなると、ワークと切れ刃の接触長が長くなり、単位長さ当たりの切れ刃にかかる負荷が減少するため、工具寿命に有利になります。反面、切削抵抗は大きくなるため、保持剛性の高いホルダの適用など配慮が必要です。
- Question V溝カッターでの加工で、刃が欠けて困っている V溝カッターで加工をするとき、回転数を下げて加工してもすぐに先端が欠けて困っています。 Answer V溝カッターでは、実切削径で回転数を決定するのがポイントです 工具径で回転数を決定すると適正な切削速度より遅くなり、工具に無理な力がかかります。 実切削径で回転数を決定することで、そのような状態を回避します。 図1 V溝カッターの実切削径と回転数のポイントと計算方法
- Question エンドミルのヘリカル加工やトロコイド加工とは? エンドミル加工で、ヘリカル加工とかトロコイド加工などを目にしますが、どういった加工なのでしょうか? Answer エンドミルのヘリカル加工やトロコイド加工とは エンドミルで形状加工する時の、エンドミルの動き方(ツールパス)の1種類のことです。 同じ形状を加工するときでもエンドミルを動かす様々な方法があり、加工法によって加工時間や工具の寿命が異なる場合があります。 ヘリカル加工やトロコイド加工を含め、代表的な5つのエンドミルの加工方法をご紹介致します。
- Question 5軸制御のマシニングセンタを有効活用する為の工具選定方法と使用する上でのポイントを教えてください。 Answer 5軸制御マシニングセンタのメリット・デメリット 5軸制御マシニングセンタでは、3軸の加工では難しい形状、段取り替えを必要とする加工などを、高効率、かつ同一の段取りで切削加工が可能になります。その結果、工程の簡素化、治工具の省略、高精度化などの効果が期待できます。反面、NCプログラミングが複雑になったり、加工形状によっては工具の突き出しが大きくなるなどのデメリットが考えられ、これらの対応が必要になります。
- Question スクエアエンドミルのピンカド、アタリ付の違いは? スクエアエンドミルには、ピンカド、アタリ付の2種類がカタログに記載されていますが、何が違うのですか? また、どのように使い分ければ良いのですか? Answer ピンカド、アタリ付の違い ピンカドは刃先先端まで刃を付けており切削能力が高くなっております。アタリ付は、刃先先端部の厚みを残しています。この効果によりアタリ付は、ピンカドと比較して刃先強度が強くなります。お客様の使用条件に合わせて2種類の刃先からお選びいただきご使用ください。
- ソリッドエンドミル 四角い金属を加工する工具です。 特長 一体型エンドミルで、切れ刃とシャンク(エンドミルの柄部)が一体型で、切れ刃交換式(スロアウェイ)とは逆に刃部が摩耗すれば再研磨、再コーティングして使用可能です。 ハイスエンドミル 一般的に幅広く使用されています。超硬エンドミルに比べ安価なため、一般被削材における少量多品種の切削で、コストパフォーマンスに優れ、高いニーズがあります。
- Question エンドミルのすくい角ネガティブ形状・ポジティブ形状の違いは? エンドミルのすくい角にポジ形状・ネガ形状と記載されているものがありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか? また、加工するにあたりどのように使い分けるのがよいですか? Answer 加工用途により、適材適所な対応が必要 刃先への切削抵抗が少ないポジティブ形状が一般的ですが、高硬度鋼加工などには、刃先強度が必要なため、ネガティブ形状のすくい角のエンドミルを選択される事をおすすめします。
- Question 超硬ラジアスエンドミルを再研磨に出す時の最適な摩耗状況を教えてほしい 社内規定で一定加工時間にて再研磨に出しているが、個人的にはまだ使える気がしている。 R部の摩耗や欠けが大きいと想定より研磨代が高かったり、研磨不可などが発生している。 再研磨に出す最適な摩耗状況がわかる基準があれば知りたい。 Answer 超硬ラジアスエンドミルの再研磨に出す最適な摩耗状況 超硬ラジアスエンドミルを再研磨して利用するには、摩耗幅が0.4~0.8mmのうちに再研磨するのが最適です。 摩耗状況により対応方針が変わりますので、下記の状態ごとの説明をご参考ください。
- 工具劣化や、精度が出ないなど、ドリル加工の「困った問題」について、改善方法をご紹介いたします。
- Question ツーリングを選定するとき、シャンクの規格がBT、BBT、NBT、WBTなど似たようものがあり、自分の工作機械に取付くかどうか選定に迷っています。 Answer 基本的には同じ規格の同じサイズから選定します。同じ規格でしたらメーカが異なっていても互換性があります。 また、異なる規格でも中には互換性があるものもありますので、違いを十分理解したうえでご選定下さい。 選定の参考になるよう、それぞれの規格の特長などをまとめて下記に掲載します。 BT規格 特長 主な使用加工機:マシニングセンタ テーパー:7/24、プルスタッドボルトを引込み機構で引き上げて固定 図1 BTシャンク外形図タグ:
- 切削工具選定時に、「コーティング」の有無で悩むことがあるだろう。コーティングされた切削工具を適切に使用すれば、工具の長寿命化などの効果が見込める。ここでは切削工具のコーティングの基本的な効果と、選定のポイントを紹介する。 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは コーティング工具の選定は、加工内容、被削材との相性を考慮することが重要 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは 切削工具の母材に限らず、物質には「硬さ」と「じん性」の関係がある。「硬さ」と「じん性」は、反する性質であり、両方を兼ね備えた「1つの物質」はない。しかし、昨今の高能率な加工に必要な工具には「硬く、ねばい(欠けにくい)」性質が求められる。それを両立させるために、コーティングが開発されるようになった。つまり「じん性がある母材」に「硬さをもつコーティング」を施す方法で両立させようということだ。もちろんコーティング自体も、硬ければ硬いほど、もろく欠けやすいものになる。タグ:
- Question 内径用旋削ホルダとチップを選定したい 内径用旋削ホルダとチップの選定にあたり、選定方法と注意点を教えてほしい。 Answer 内径用旋削ホルダとチップの選定方法のコツ 旋削ホルダとチップを選定するとき、ホルダを先に選定する方が効率的です。 メーカ各社のカタログは、旋削ホルダに適合するチップを探すのは比較的容易ですが、チップに対応するホルダは、掲載が分散していて比較しづらいことがあります。 内径用旋削ホルダの選定 加工目的に適したそれぞれの条件を選定する。タグ:
- 冷間金型用鋼のブランド対照表 熱間鍛造金型用鋼のブランド対照表 ダイキャスト金型用鋼のブランド対照表 プラスチック金型用鋼のブランド対照表 冷間金型用鋼のブランド対照表
- 日本産業規格 国際規格 外国規格 規格番号名称 JIS ISO アメリカ AISI ドイツ DIN イギリス BS JIS G 4401 炭素工具鋼
- 卓上フライス盤 卓上旋盤 卓上フライス盤 回転する刃物を用いて、さまざまな金属部品加工を行う工作機械です。 さまざまな加工を実現するためにフライス盤にはさまざまな刃物・アクセサリー類が必要になります。フライス盤本体のコストよりもアクセサリーのコストの方が高くなることもあります。タグ: