金型部品の切削加工に用いるエンドミルやバイトなどの切削工具については、各種の専門用語が定められています。切削加工について検討する場合には、これらの専門用語を知っておくことが必要になります。
<スクエアエンドミル>
フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、外周面と端面に切れ刃を持ち、角形状の断面を持ったシャンクタイプのフライスのこと。
<ボールエンドミル>
フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、球状の底刃を持ったシャンクタイプのフライスのこと。
<ラジアスエンドミル>
フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、スクエアエンドミルのコーナー部が円弧形状のRが付いているフライスのこと。
<刃長>
切削工具の切れ刃部の長さのこと。
<シャンク>
エンドミル工具の柄のこと。工具を工具ホルダーに取り付ける部分になる。
<工具径>
エンドミル工具の刃部の外接円の直径のこと。
<ヒール>
エンドミル工具の逃げ面と溝とのつなぎになっている部分のこと。
<チップポケット>
切屑の生成、収容、排出をしやすくするための凹みのこと。
<すくい面>
切削を行う刃面のこと。
<すくい角>
すくい面の傾きを表す角度のこと。すくい角の大きさで切削の状況が変化する。
<外周逃げ角>
外周刃の横逃げ角で、逃げ面の角度を表す角度のこと。
<ねじれ角>
外周刃の軸に対するねじれの角度のこと。
<工具摩耗>
切削加工中に発生する刃に生ずる摩耗のこと。
<すくい面摩耗>
すくい面に発生する摩耗で、クレーター摩耗ともいう。切り屑によってすくい面が摩擦される際に発生する。
<逃げ面摩耗>
逃げ面に生ずる摩耗のことで、フランク摩耗ともいう。切削加工面と工具の接触によって生ずる。
<凝着摩耗>
刃先と工作物が、高温の摩擦熱によって凝着する現象のこと。凝着摩耗によって構成刃先が形成される。