プラ型用部品
- 金型のエジェクタプレートの作動補助やスライドコアの戻し等の機構では、コイルスプリングなどのばねが利用されています。スプリングは、金属等で作られている弾性体で弾性によって力を蓄えておいて、解放されたときに反発力で部品を移動させることができます。機械部品としては原始的な部品ですが、高性能の精密金型においてもその基本的な機能を活用して、信頼性の高い生産ができるように頑張っています。 さて、スプリングにはどのような機能が要求されているのでしょうか? ここで、求められる機能について整理をしてみましょう。タグ:
- ミスミ「ランナーロックピン・スーパーハードロックタイプ」は、コールドランナーの3プレート構造金型で、ランナーロックをするために使用されるランナーロックピンです。 ランナーロック部の溝が2段に構成されており、かなり強固なランナーロックが可能となります。熱可塑性エラストマーやポリプロピレンなどの軟質プラスチックのように、ランナーロックのロック力を強力に発揮したい場合に適しています。 ランナーロック部のロック力が不足したり不安定ですと、ピンポイントゲートの切断品質がばらついたり、きれいに切断できないという不具合を生じる場合があります。 材質は、SKH51で硬度58〜60HRCに熱処理されています。 ピン直径は、φ2〜8とバリエーションが準備されています。 全長は、10〜100mmです。 ツバカット追加工や全長公差高精度化などのオプション追加工も可能です。 従来のランナーロックピンの保持力では不満足であったユーザー様の期待に応えられる新商品です。タグ:
- ミスミ「ランナー流量調整ピン」は、2個取り以上のコールドランナー金型で、キャビティ間の充填バランスを調整したい場合に活用できる部品です。 ファミリーモールド(2種類以上の成形品を1つの金型で加工する金型)では、各キャビティの体積が異なっているために、ほぼ同時に充填させるためにはランナーやゲートのバランスを図る必要があります。ランナー断面サイズやゲートサイズの調整は、金型の追加工を何回もしなめればならずその手間は大変で、また狙い通りのバランスが計られるかどうかも不透明です。 ランナー流量調整ピンを使用すれば、ランナーの流量を微調整しながら最適なバランスが取れる状態まで、金型を射出成形機に取り付けたままで調整が可能です。 したがって、成形試作の時間を大幅に短縮ができるようになります。 流量調整部は、3種類の形状があります。溝無し(N)、I型、Y型の3種類です。それぞれ用途によって選択が可能です。流量調整部は、パーティング面側から六角レンチで回転させることで位置を微調整可能です。 流量調整部は、ストッパーによって位置を固定することができます。ストッパーは、パーティング面側から開いている穴から六角レンチで、M5のねじを回転させて固定することができます。タグ:
- ミスミ「ボールプランジャ・キャップタイプ」は、スライドコアの位置決めなどに使用する部品です。 従来よりスライドコア等の金型内で移動する部品の位置決めをするために、先端に鋼球が設けてあり、コイルスプリングで鋼球を前後させて位置決めできるボールプランジャが使用されていました。 今回新商品として開発された「ボールプランジャ・キャップタイプ」は、ボールプランジャ本体の底部につば部が設けてありますので、ボールプランジャをプレート等に固定する際に深さの調節が不要になります。位置決めの力もほぼ均一に固定することができます。 プランジャの固定は、一般の六角レンチで締め付けが可能で、作業性も良好です。 ガイドレールへの固定によりスライドコアの側面からの固定も可能となります。 サイズは取り付けねじサイズM4、M5、M6、M8の4種類です。比較的小型のスライドコアにも対応が可能なラインナップとなっています。 保持荷重も600グラム〜2.5キログラム程度ですので、適切な保持力が得られるようになっています。 使用温度範囲は、−30〜80℃となっています。タグ:
- ミスミ「二色成形用スライドコアユニット」は、二色成形用金型(二材質用成形金型)のアンダーカット部を処理するためのスライドコアユニットです。 二色成形では、固定側を共通化しておいた上で、一次側成形(最初の樹脂の成形)と二次側成形(後の樹脂の成形)を、可動側を回転やスライドさせて実施する方法が主流となています。可動側は、一次側キャビティと二次側キャビティの双方に対峙しなけらばならないために、スライドコアの構造は複雑となり、可能な限りアンダーカット部を避ける成形品デザインをすることが推奨されていました。 しかしながら、成形品の機能上、アンダーカット部が必要な場合にはスライドコアの構造を採用しなければならず、その場合には複雑な機構設計を実施しなければなりませんでした。 そこで、ミスミ「二色成形用スライドコアユニット」は、そのような用途において、標準化されたユニットを採用することで、タグ:
- プラスチック射出成形金型の設計では、さまざまな切り口から設計項目を検討する必要がありますが、大局的には以下のような観点から検討をすることが推奨されます。 (1)合目的性 金型に要求されている品質、コスト、生産能力、寿命などの目的を明確に実現できること。 (2)信頼性 金型の品質保証機能、品質安定性、修理時の互換性など成形品の信頼性を確保できること。安心して長時間の連続成形加工ができる操業安定性を有すること。 (3)経済性 成形品を合理的なコストで生産できること。スクラップの極少化、リサイクル性などのトータルコストが極小化できるようにすること。金型のメンテナンス費用(修理費、修理人件費)が極少化できること。 (4)独創性 知的財産権、ノウハウが含まれるような独創的な設計ができることが競争力を生む。 (5)機械加工性 機械加工しやすい形状に設計すべきである。 (6)量産適応性 増面型を起工した場合に互換性を有すること。 (7)維持管理性 メンテナンスのしやすさ、防錆などに配慮されていること。タグ:
- 金属製の金型部品は、使用中にさまざまな原因によって腐食が発生する可能性を含んでいます。金属材料が腐食する原因としては、以下の要因が考えられます。 1. 純化学的腐食 酸やアルカリなどの化学物質との化学反応によって、非金属化合物に変化する場合。 2. 電気化学的腐食 電導性の環境において、金属電池が形成されて発生する腐食。 異なる金属どうしが接触することによって陽極と陰極が発生し、電池が形成されて腐食が進行する。 3. 腐食環境 塩、酸、アルカリ、高湿度。 4. 迷走電流 地下埋設物、大電流を使用する機器の近くでは、迷走電流が金属に流れ込んで腐食を触発する可能性がある。 5. 濃淡電池 環境に濃度差がある場合には、濃淡電池の作用によって腐食が進行する場合がある。 6. 通気差電池 大気中の酸素濃度の差によって電池が形成されて腐食が進行する場合がある。コアピンのすきまでは通気差電池が形成される場合が多いと考えられる。タグ:
- 金属材料は、引張応力や曲げ応力を繰り返して受けることによって、ある繰り返し回数付近で疲労破壊を起こすことが知られています。 プラスチック射出成形金型のキャビティや金型部品もその例外ではなく、応力の繰り返しの累積によって疲労破壊に至る可能性を常に含んでいると考えるべきです。 ではどのぐらいの繰り返し回数によって疲労破壊は起きるのでしょうか?それを明らかにするためには、応力の振幅Sと疲労破壊するまでの繰り返し数Nの関係を示すS−N線図が必要になります。S−N線図は、たくさんの疲労破壊試験を経て作成される線図であり、代表的な一般鋼材については既知となっておりますが、金型に使用される特殊鋼ではS−N線図が正確に把握されているとは限りません。 そこで、そのような場合に目安となる疲れ限度を知るための簡易的な検討方法を紹介します。タグ:
- ガス軟窒化処理とは、プラスチック成形金型のキャビティ表面に窒化鉄皮膜を形成させて、硬度が高く磨耗しにくい表面を得る処理のことです。 処理の方法はアンモニアガス(NH3)と吸熱変性ガスを反応ガスとして使用し、520〜580℃の温度で加熱、保持して炭素鋼の表面に窒素化合物を生成させます。 この処理により得られる表面皮膜の硬度は600〜1100HVと硬く、耐摩耗性が良好です。ガラス繊維を含んだプラスチック用の射出成形金型では特に顕著な耐摩耗性が発揮されます。 磨耗量を比べると、冷間ダイス鋼では磨耗量が10倍程度差が出る場合もあります。 処理皮膜の表面は灰色になりますが、より表面粗さを細かくしたい場合には皮膜形成後に研削加工で再仕上げをして使用する場合もあります。 耐磨耗性をさらに改善させるためには母材の硬度を高めておくことが有効である場合もあります。 処理に伴う部品の寸法変化量は、PVD処理等に比べて少ないという利点もあります。タグ:
- プラスチック射出成形金型に使用される金属材料の熱に関する性質のデータを示します。 冷却時間や成形品の表面転写性に関して金属の説的性質は密接な関係があります。タグ:
- 最近のプラスチック射出成形加工では、新しいスーパーエンジニアリングプラスチックや添加剤を含んだプラスチック材料を使用し、高速充填で金型内に樹脂を注入する成形加工が増えてきています。このような傾向が増えることによって、量産加工中に金型に発生する現象の一つに、ガス溜まりやエアベント詰まりがあります。 ガスは成形材料の内部から発生し、金型の表面や入れ子の隙間、エアベントに付着して徐々に蓄積をしていきます。そのような状態が数千〜数万ショット続きますと、成形品の表面が曇ってきたりショートショット(充填不良)が発生するようになってきます。このような状態を脱却するためには、金型を成形機から降ろして分解清掃メンテナンスを行わなければなりません。そして金型を再度成形機へ載せて、金型をヒートアップして成形条件を安定させるためには、少なくとも30〜2時間ぐらいの時間が必要になります。 つまり、金型内のガスが蓄積することを効果的に改善できれば、プラスチック射出成形加工の生産性は飛躍的に改善できるといえます。タグ:
- 先回に引き続き、プラスチック射出成形金型の成形品重量と成形品の最大寸法からゲート径を導く計算式を用いて、ゲートサイズの目安をを求める検討をしてみます。 問題 PBTガラス30%入り製の電子部品成形品金型があり、サブマリンゲートゲート1箇所で金型を設計したいと考えている。この場合、成形品の平均肉厚は0.6mm、重量が0.85gfになると想定される場合、サブマリンゲートの直径はいくらぐらいを目安とすべきか? 検討例 以下の計算式により検討を行う。タグ:
- 先回に引き続き、プラスチック射出成形金型の成形品重量と成形品の最大寸法からゲート径を導く計算式を用いて、ゲートサイズの目安をを求める検討をしてみます。 問題 PBTガラス30%入り製の電子部品成形品金型があり、サブマリンゲートゲート1箇所で金型を設計したいと考えている。この場合、成形品の平均肉厚は0.6mm、重量が0.85gfになると想定される場合、サブマリンゲートの直径はいくらぐらいを目安とすべきか? 検討例 以下の計算式により検討を行う。タグ:
- プラスチック射出成形金型の成形品重量と成形品の最大寸法からゲート径を導く計算式を用いて、ゲートサイズの目安をを求める検討をしてみます。 問題 ABS製の容器射出成形品金型があり、ピンポイントゲート1箇所で金型を設計したいと考えている。この場合、成形品の平均肉厚は1.5mm、重量が30gfになると想定される場合、ピンポイントゲートの直径はいくらぐらいを目安とすべきか? 検討例 以下の計算式により検討を行う。タグ:
- プラスチック射出成形金型でのキャビティへの樹脂注入口であるゲートの大きさを決定するためには、成形品のサイズ、体積、樹脂の種類、成形条件などによって、金型設計者が経験に基づいて意思決定する場合が多いと言われています。 概略のゲートサイズの目安を決めるファクターとしての計算式が確立していれば良いのですが、実際には上記のようなさまざまなファクターが複雑に関連しあっているために、技術計算でゲートサイズを確定することは困難です。 しかし、特定条件下において目安となるゲートサイズを計算で求める試みは、世界で何例か公表されています。 今回は、成形品重量と成形品の最大寸法から、ゲート径を導く計算式を紹介します。タグ: