「はめあい」は軸と穴、位置決めピンと位置決め穴、リンク連結穴と連結ピン、スライダと案内など、2個の機構部品の機能を実現させるために必要な寸法関係です。
(1)「はめあい設計」の狙い
2個の機構部品の機能を実現するためには、例えば位置決めピンと位置決め穴の寸法関係を精度よく加工すればよいが、必要以上の精度要求は加工工数の増大により製作費が高くなります。したがって、2個の機構部品の双方に機能上差し支えない程度の許容限界寸法を選定し、その範囲で製作できればよいこととします。その結果、次のメリットが得られます。
1. | 製作費の低減 | |
2. | 加工部品の検査の容易化 | |
3. | 複数個の製作の容易さと互換性の確保 |
(2)「はめあい設計」用語の解説
(a)部品寸法関係(【図】参照)
1. | 実際寸法 製作された機構部品の仕上がった実寸法 |
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2. | 許容限界寸法 機能を損なわない範囲での最大、最小寸法の範囲 |
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3. | 最大許容寸法 許容限界寸法の中の最大寸法 |
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4. | 最小許容寸法 許容限界寸法の中の最小寸法 |
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5. | 寸法公差 最大許容寸法と最小許容寸法の差 |
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6. | 最大すきま すきまを持つ2部品において穴の最大許容寸法と軸の最小許容寸法の差 |
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7. | 最小すきま (同上)穴の最小許容寸法と軸の最大許容寸法の差 |
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8. | 最大しめしろ しめしろを持つ2部品において軸の最大許容寸法と穴の最小許容寸法の差 |
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9. | 最小しめしろ (同上)軸の最小許容寸法と穴の最大許容寸法の差 |