ここで事例としている簡易自動機(LCA:ローコストオートメーション)は、X軸(下段)とY軸(上段)の2個の直動ユニットを直角に組付ける必要があります。組付けで精度を出す場合は、精度を出しやすい設計を行うことが設備の低価格化のポイントです。 ここでは3回に分けて、2軸の直動ユニットの直角組付け方法を解説します。
組付け精度の実現アプローチ
X-Yテーブルを構成する個々の部品(リニアガイド、ボールねじ、リニアブシュ/シャフトなど)自体は、直進精度などが保証されていますが、これらの部品を組付けてX-Yテーブルを製作するには、X軸とY軸を直角に組付ける必要があります。この組付け精度の実現アプローチが悪いと、高精度に組付ける作業に多くのムダが生じ高い装置になるばかりでなく、信頼性が低い・メンテナンスがやりにくいなどの欠点を伴います。
次のアプローチが設計・製作における基本です。
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組付け精度の出しやすい設計とは(【図1】参照)
一人前の装置設計者は、装置に要求される性能(ここでは直角精度に絞る)を設計図面に盛込みます。そのためには次の項目のイメージを描けることが重要です。
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この1.、2.のイメージを元に、設計者は図面に組付け精度の出しやすさを盛込んでゆきます。
何故、組付け精度の出しやすさを図面に盛込むのか?
組付け精度を構成する部品を加工する工作機械は、部品の加工長に対してミクロンオーダーの精度を持っています。そのため、組付け時に習熟を要さずに、精度良く組付けできるガイド形状などを、高精度に部品に持たせることが可能です。
どのように部品図面に組付け精度を盛込んでゆくのか?(【図2】参照)
次の設計思想で行います。
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