メカニカル部品
- ① 先進国型ものづくり産業の動向 ② インダストリー4.0 を読み解く インダストリー4.0の展開計画 ① 日・米・独それぞれの先進国型ものづくり産業の動向タグ:
- 量産ラインの中での加圧加熱工程では、前後の工程との同じ生産タクトを実現させ貯蔵バッファを持つことなく生産する工法が求められる。ここでは、多層加圧加熱処理技術を解説する。 (1)多層加圧処理技術 1)剛体の多層空気圧加圧法 ・2枚のガラス接着物を1個の製品の事例の場合、複数個のガラス接着物を積層させて加圧処理することで、前後の生産タクトと同じタクトを実現することができる。 ・この積層状態での一括加圧処理では、ガラス接着物の板厚バラツキの影響で積層された個々のガラス接着体には均一な接触応力はかからない(図1)。 ・ガラス接着体の板厚バラツキを吸収し均一加圧を得るために、D549で解説した圧力緩衝材と同じ作用を持つスペーサ(圧力緩衝シート)を各ガラス接着体の間に入れることで解決できる(図2)。 ・スペーサに求められる材質は、(1)板厚が薄く均一、(2)局所的な硬さバラツキがないこと、(3)耐久性(何回も利用できる)、(4)ゴミなどを出さない、(5)帯電しない、(6)安価などが挙げられる。 ・試作程度ではスペーサとして「紙」も使用できるが上記の(3)、(4)の点で量産には不適切。タグ:
- 加圧法が圧力プロファイルを決めるといってよい。しかし、加圧法が同じでも(1)被加工物のサイズに対する加圧面の大きさや(2)圧力緩衝材の弾性特性などで加圧プロファイルは変化する。加工法と圧力プロファイルについて解説する。 (1)加工法と圧力プロファイル 1)加圧法-Aの場合 ・加圧法-Aは被加工物の外周より内側の領域を加圧する場合で、被加工物の内側を加圧緩衝材で加圧している。 ・この場合の圧力プロファイルを図の下に示した。加圧緩衝材の外周端で接触応力が最大となり、中心方向に接触応力が減少する。 ・加圧緩衝材を介することで、加圧プレートとベースプレートの対抗面の必要平行精度と機構全体の剛性にある程度の余裕を持たせることができる。タグ:
- 生産技術のなかで均一な圧力をかけた状態で加熱処理をする工法が、接着/接合や転写(変形)加工などに利用されている。加圧加熱技術と自動化について解説する。 (1)加圧加熱技術の概要解説 次のような加工プロセスで加圧加熱技術(ホットプレス技術)が適応されている。 1) 精密加工(切削、研削など)の場合の被削ワークと加工治具の接着(図1a)) 2) 2枚のガラス基板を数μmのギャップを持たせて接着(液晶素子など) 3) COG(Chip On Glass)などの実装接合 4) 微細なパターンの転写加工(マイクロ・ナノインプリントなど)(図1b))タグ:
- ねじ締結自動化での画像処理による検査として、ねじ部品の外観検査(異物、バリ、変形など)と締結後の状態検査が挙げられる。ゼロディフェクト(ゼロ不良)が要求される中で、人の検査のバラツキを回避する手段としても画像処理による検査の技術高度化が求められる。 (1)画像処理による検査の必要性 人の目視検査では次のような問題が挙げられるため、画像処理による検査が求められる。 検査作業者の感覚的判断による検査と成りがちで個人差が避けられない。 検査作業による疲労により判断基準が変動する。 視認検査の長時間作業は労働環境的に限界がある。 検査者の習熟度の違いで検査生産性の差が大きく人件費への影響が大きい。 (2)画像検査の自動化の難しさと色々な技法 ・外観検査は、単純な異物混入の判別から汚れなどの定性的感覚的な判断まで色々とあり、それぞれの検査項目に応じた画像検出センサと検査判別アルゴリズム/プログラムが必要となる。 ・このため、投資対効果の点から外観検査の自動化が敬遠される場合が少なくない。タグ:
- 部品移送の自動化でトラブル対策にパワフルな生産技術に画像処理技術がある。整列機やコンベア上での搬送部品の姿勢不良や位置決めミスのトラブル対策のほかに異物混入対策にも効果が高い。画像処理技術の概要を解説する。 (1)自動化と画像処理 ・生産ラインでは、搬送、加工/組立、検査の全ての工程で視覚検査の機能として画像処理技術が活用できる。 ・位置決めミスのトラブル対策として、位置決めステージの前でねじ部品の位置や姿勢の適正さを計測し、不適切な姿勢部品を排除する(図1)。 ・異物混入のトラブル対策として、検査品の外形をパターン認識させておき、異なるパターン部品(異物)を排除する。 ・検査への応用では、ねじ締結後の外観状態を画像処理技術で検査する事例などがある。タグ:
- ここではねじ締め自動化作業のトラブルの発生率の高いねじ位置決めミスに付いて解説する。 (1)ねじ位置決めミスとトラブル要因 ねじの位置決めミスの要因は、ねじ形状やねじを締めつけるワーク側の両者の特性要因もあるが、自動化装置側の要因がそれ以上に大きい。図1にねじ位置決めミスの要因を示した。タグ:
- ここではねじ締め自動化作業のトラブルの発生率NO.2のねじ部品供給ミスに付いて解説する。 (1)ねじ部品の供給ミスとトラブル要因 ・前回のねじ締結不良と今回のねじ部品の供給ミスのトラブルが、ねじ締め自動化におけるトラブルの約50%を占めている。 ・使用されるねじ形状(ねじ径、長さ、特殊ねじ、座金付き、他)が非常に多種であることや処理タクトが短いなどの要因も影響してくる。 ・このねじ部品の多種性を下記に示した。 ・このねじの多種性以外のトラブル要因として、加工法の違いで生じる外周部のバリや製作ロット毎のねじ品質のバラツキなども無視できない。タグ:
- 前回のねじ締め自動化作業のトラブル分析から、(1)締結不良、(2)ねじ部品供給ミス、(3)ねじの位置決めミス等に対する対策が、ねじ締め自動化装置側に求められることが分かった。ここでは締結不良に付いて解説する。 (1)ねじ締め品質の評価について ・ねじ締め自動化の締結不良の対策を考える参考情報として、ねじ締結の評価方法を整理した(図1)。 ・ねじ部品の評価はねじの生産時の造り込みとの関係が殆どだが、この品質は間接的に締結部品質に影響を及ぼす。 (2)ねじ締結不良のトラブル対策 ・ねじの締結不良の発生要因を発生率(%)順に図2に示した。このグラフより、下穴加工やねじ外形品質以外の不良要因(矢印)は、ねじ締め自動化装置側で対策が必要なことが分かる。タグ:
- ねじによる2部品の締結法は、締付のためのねじ回転運動と締結信頼性のための締結トルクの制御が必要となるが、環境問題の背景等から改めて重要な自動化技術と成っている。 (1)ねじ締め自動化の構成要素 ねじ締め自動化の構成要素は、締結装置と部品供給装置からなるハードウェアと、締結トルクなどの締結条件の制御とその管理からなるソフトウェアの2つから構成されている(図1)。タグ:
- (1)かたより誤差の要因の詳細解説 ここでは実際の計測機器を事例として「かたより誤差」の要因と対策の理解度向上を図る。タグ:
- (1)かたより誤差とその基本対策 ・位置決め精度は、「かたより誤差」と「バラツキ誤差」の2つの誤差で構成されている。 位置決め精度=「かたより誤差」+「バラツキ誤差」 ・「かたより誤差」は位置計測と制御で位置決め目標に近づけることができる。一般的には位置決め初期の位置決め精度の結果を測定し、目標位置に対する誤差を位置決め補正する等の作業で補正ができる。タグ:
- ・自動化機器の高精度化は、位置決め精度の高精度化と表現できる。しかし、位置決め精度の高精度化を劣化させる要因は多岐におよぶため非常に難しい生産技術と受け止めるべきであろう。 ・複数回(n回)の位置決め作業を行った時の位置決め精度は、n個の位置決めバラツキを持つこととなる。この場合の典型的な位置決めバラツキをグラフで表すと図1のようになる。 ・図1より、位置決め精度は、位置決め目標値に対する誤差の「かたより誤差」と位置決め精度の制約(位置決め公差)に対する誤差の「バラツキ誤差」の2つの誤差で構成されている。タグ:
- ・ここでは長時間連続加工時の稼働安定性を高めるために1本のレーザ光を分光したレーザ光のエネルギー分布形状の最適化について解説する。 ・1本のレーザ光を加工可能な4本のレーザ光に分光するためにはレーザ発振器のパワーアップが必要となるが、オーバーSPECを可能な限り避けて投資抑制をすることが担当技術者の重要なテーマとなる。 ・また、レーザ光のエネルギーが強すぎる場合、透過光や反射光により予期せぬトラブル(例:レーザ光成形スリッタの損傷、透過光によるテーブル損傷)に繋がるため、レーザ光のエネルギー形状を最適化することが好ましい。 ・図1にレーザ光の形状と加工品質を維持するためのレーザ光位置ズレの許容幅の関係を示した。図1より、レーザ光位置ズレの許容幅は次式となる。タグ:
- 能率(efficiency)とは、規定の時間に所与の仕事を果たす能力の程度を示す指標である。高能率化を実現するには下記の3項目が課題となる。 1.時間当りの生産能力の向上(タクトタイム短縮) 2.規定時間内の機械稼働率の向上 3.ムダの排除 当然、品質保証が前提となるため採用する生産方式は、精度バラツキが小さく無検査で品質が保証できる性能(いわゆる工程能力Cp)を持たなければならない。以下ではレーザ加工を事例に高能率化の課題1の対応設計について解説した。 (1)時間当りの生産能力の向上(タクトタイム短縮)の対応設計 ・一般に加工作業では、a)付加価値を作り出す加工作業(主作業)とb)加工作業以外の作業(付随作業)の2種で成り立っている。ここではa)主作業の高能率化について解説する。 ・レーザ光で多数本の直線加工を行う場合、1本のレーザ光で加工を行った後に加工物を移動させ隣の直線加工を行う単発レーザ加工(図1a))と、レーザ光を複数本のレーザ光に分光しマルチ加工化により加工時間を短縮化する方式(図1b))がある。タグ:
- (1)高速化対応設計の課題 ・自動化機器の高速駆動化に伴う課題として、次の項目を念頭に置く必要がある。 a)高速駆動対応アクチュエータの選定と使いこなし b)高速駆動に対応できる機構部特性 ・2つの課題a)、b)は相互に関係して最適な高速化対応設計を行うことが非常に重要となる。 ・2つの課題が個別に対処すると、b) の機構設計者は高精度で高剛性機構を目指して、重たい構造物となりがちで、他方a)の駆動制御設計者は高精度制御かつハイパワー駆動が可能な高額なシステム設計となりがちである。 ・a)とb)の両課題を同時に検討し最適設計する考えからは、次のようなコンセプトの装置開発を進めることができる。このコンセプトから軽量高剛性でアクチュエータの運動特性と機構構造の最適化を設計に盛り込むことが可能となる。 高速化のための最適な装置コンセプト・・・・消費エネルギー最少化を実現する高速化装置 (2)高速化対応の機構設計の勘所 ・高速化対応の機構設計の勘所は以下の6項目が挙げられる。タグ:
- 市場環境の厳しさから、自動機製作の条件(Q、C、D)も非常にハードルの高い内容が要求されている。自動化機器の高速化ニーズは、時間当りの生産性向上以外に、商品の品質(外観品質など)向上のために従来工法よりも高密度な加工処理が必要となり、この高密度対応を短時間で行うための手段としても求められてくる。以下では、自動化機器の高速化対応設計について解説した。 (1)高速化対応設計の課題 自動化機器の高速駆動化に伴う課題として、次の項目を念頭に置く必要がある。 a)高速駆動対応アクチュエータの選定と使いこなし b)高速駆動に対応できる機構部特性 ここではa) 高速駆動対応アクチュエータの選定と使いこなしについて解説する。タグ:
- 1)グラナイト石材の特徴 ・大型XYテーブルの素材に採用したグラナイト石材は、1.経時変化が極めて小さい、2.熱膨張率が小さい、3.振動減衰性がある、など長所がある反面、材料強度が金属に比べて小さいために曲げ剛性が弱い短所がある。 ・したがって、開発技術として、グラナイト石材を用いた高剛性化構造の考案が必要となった。以下では、大型テーブルの高剛性化構造について解説した。 2)大型化対応設計の高剛性化構造について ・一般的な加工寸法(加工エリア:A4~A3サイズ程度)の場合のXYテーブルの直線案内の構造図を図1に示した。空気静圧軸受を採用しているため、図1のような軸受形状となっている。タグ:
- 市場環境の厳しさから、自動機で製作する商品も多品種対応かつ高品質・高性能・低コスト対応が求められており、これらのニーズ対応として自動化機器への要求性能(Q、C、D)も非常にハードルの高い内容が求められている。しかし、高度な自動化機器の開発には技術的に相反する性能の実現が求められる場合が多くある。以下では失敗しない自動化機器開発の進め方について解説した。 (1)自動化機器の構想段階でなすべきこと ・新しい自動化機器の設計仕様の内容には互いに相反するものがある。例えば、高速化と高精度化と大型化の要求ニーズは、相反する難しさを有している。 ・例えば、大型化は駆動距離が長くなるため組立精度が出しにくくなり、装置重量が増すため加減速度の制御も難しく高速化しづらい。また、高速化させると慣性力の影響等で変形力が作用するため高精度化の難易度が高くなる。 ・したがって、新技術導入を必要とする自動化機器の場合、構想段階で自動化機器の開発の進め方を色々と考察した上で、相反する性能実現の方針を定めることが重要。タグ:
- 概要 小ロットの洗浄処理のための簡易洗浄器の仕様と洗浄工程設計について解説し、この結果から描ける簡易洗浄器の構想図案(簡易自動化も可能)を示した。 解説 (1)小ロット生産の洗浄に適した簡易洗浄器の仕様 1)装置サイズ 簡易洗浄器は小型加工機で加工する時間内で加工機操作者が手動または簡易自動で洗浄を終えなければならない。このため、簡易洗浄器は加工機の操作場所から手が届く範囲に設置できる装置サイズでなければならない。 2)洗浄品質 簡易洗浄器であっても、その加工工程で除去すべきものは安定して洗浄除去できなければならない。したがって、洗浄用ブラシの駆動は電動モータで安定させるのが好ましい。 3)ワークの移動 ワークの周囲全体を洗浄するために1方向の移動運動が必要となる。装置の軽量小型・単純化のため、構想図はリニアブシュ程度の簡易直動案内の手動運動方式としているが、簡易自動化も有効。 4)カバー 透明カバーは洗浄状況が見えるのが好ましい。カバー内壁のコーナー部や隙間に汚れを残存させない形状や材質的対応が汚れに再付着を少なくする。タグ: