加圧法が圧力プロファイルを決めるといってよい。しかし、加圧法が同じでも(1)被加工物のサイズに対する加圧面の大きさや(2)圧力緩衝材の弾性特性などで加圧プロファイルは変化する。加工法と圧力プロファイルについて解説する。
(1)加工法と圧力プロファイル
1)加圧法-Aの場合
・加圧法-Aは被加工物の外周より内側の領域を加圧する場合で、被加工物の内側を加圧緩衝材で加圧している。
・この場合の圧力プロファイルを図の下に示した。加圧緩衝材の外周端で接触応力が最大となり、中心方向に接触応力が減少する。
・加圧緩衝材を介することで、加圧プレートとベースプレートの対抗面の必要平行精度と機構全体の剛性にある程度の余裕を持たせることができる。
2)加圧法-Bの場合
・加工法-Bは被加工物の全域を加圧する場合で、被加工物よりも加圧緩衝材が大きな関係で加圧している(図2)。
・この場、圧力緩衝材は被加工物の外周エッジ部で赤矢印方向に集中的な接触応力が作用する。このエッジ部での集中的な接触応力のため、エッジ部の内側部で加圧緩衝材が局所的に変形し、その結果として外周の隣接内側で接触応力が急激に減少する状況となる(図3)。
・この外周の隣接内側での接触応力低下現象は、製品品質への影響として接着の不均一や2枚のガラス基板の微小隙間の不均一などが生じる(図4)。
・圧力緩衝材の硬さなどの弾性特性を適切に選ぶことで、外周隣接内側での接触応力の減少をある程度まで抑えることが出来るが原理的対策はできない。
・加工法-A,Bともに被加工物のコーナー部で接触応力の分布状態が複雑となり精度が劣化しやすい。
・また、圧力緩衝材(ゴム弾性体)は、熱処理工程での熱の影響や経年変化で硬さが変化したり変形が戻らなくなるなど品質バラツキ要因を持つため、定期的な交換などの管理が必要。