前回のねじ締め自動化作業のトラブル分析から、(1)締結不良、(2)ねじ部品供給ミス、(3)ねじの位置決めミス等に対する対策が、ねじ締め自動化装置側に求められることが分かった。ここでは締結不良に付いて解説する。
(1)ねじ締め品質の評価について
・ねじ締め自動化の締結不良の対策を考える参考情報として、ねじ締結の評価方法を整理した(図1)。
・ねじ部品の評価はねじの生産時の造り込みとの関係が殆どだが、この品質は間接的に締結部品質に影響を及ぼす。
(2)ねじ締結不良のトラブル対策
・ねじの締結不良の発生要因を発生率(%)順に図2に示した。このグラフより、下穴加工やねじ外形品質以外の不良要因(矢印)は、ねじ締め自動化装置側で対策が必要なことが分かる。
・装置要因のNO.1のビットすべりは、ねじ穴に対してねじ位置がずれた場合やねじ頭の十字穴形状とビット形状の不適合などの単純な複合要因で生じる重大不良である。
・したがって、ビットは、初期の最適形状のノウハウ的追求と摩耗対策などの耐久品質が重要。
・また、ねじのハンドリング部には、信頼度が極めて高い把持性能が得られるねじクランプ機構の採用が重要となる。