メカニカル部品
- ・2個の部品の位置調整後の位置決め方法として、紫外線硬化樹脂を採用する場合が多い(図1、2)。 ・これは、紫外線硬化樹脂の採用により次のような利点を得ることができる。 1) 樹脂硬化が短い時間でできる 2) 樹脂硬化時の熱変形が回避できる 3) 紫外線が透過できれば(例:ガラス板など)裏面側での硬化接着ができるタグ:
- 「構造軽量化技術-最適形状の設計(軽量化技術-14)」の構造軽量化技術で、断面二次モーメント(I)について解説しました。タグ:
- 構造物に力が作用すると構造物はその反力の作用に応じた変形を生じます。機械装置の設計段階では、この変形量を算出し、その結果に応じた構造寸法の設計や材料の選定を行います。ここでははりのたわみ(変形)について解説します。 (1)「はり」のたわみ ・下図のa)、b)のように、はりが荷重を受けて変形した状態のとき、初期のABのはりのラインがA’B’に湾曲した曲線を「たわみ曲線」と呼びます。 ・このABとA' B' の変形量の差を「たわみ」と呼びます。 ・a)の片持ちばりでは固定端のたわみはゼロで、自由端のたわみが最大となります。 ・b)の単純支持ばりでは、中央に荷重がある場合は最大たわみも中央に生じます。 ・最大たわみδmax(デルタマックス)は次式で算出できます。タグ:
- 構造物に力が作用するとその反力の作用により構造物は力のつりあい状態で安定します。「はり」構造の場合のつりあい状態について解説します。 (1)「はり」のつりあい 「はり」に加えられるいろいろな荷重に応じてはりの支点に反力が生じます。この荷重と反力により力がつりあいの状態となります。このつりあいの状態が成り立つには次の条件が必要です。 =はりのつりあい条件=タグ:
- 構造物では「はり:beam」の構成で構造物の強度を作り出します。同じ考えが機械装置の筐体設計に活用されます。ここでははりの種類と荷重について解説します。 (1)「はり」の種類 代表的なはりの種類に次の5種類があります。 a)片持ばり・・・一端側が固定されている「はり」構造で、固定側を固定端、その反対側を自由端 b)単純支持ばり・・・はりの両端が単純支持されている「はり」構造 c)張出いばり・・・支点の外側に荷重が加わっている「はり」構造 d)固定ばり・・・両端ともに固定支持された「はり」構造 e)連続ばり・・・3個以上の支点で支えられた「はり」構造 解説: ・単純はりは、スカラー型ロボットアームやピック&プレースユニットのクランプアーム機構(下図a))に当たります。タグ:
- ここでは機械の可動部が持つエネルギー(運動エネルギー)について解説します。 (1)運動エネルギー 運動する物体が持っているエネルギーを運動エネルギーEk(Kinetic energy)といいます。 運動エネルギ-の単位は{J:ジュール}で現します。 1J(ジュール)とは、1N(ニュートン)の力を物体に働いて1mの距離を移動したときの仕事に当たります。 質量m(Kg)の物体が、速度v(m/s)で運動しているときに持つ運動エネルギーEk(J:ジュール)は次式で現せます。タグ:
- ここでは運動の第三法則:作用反作用の法則について解説します。 (1)運動の法則 3)運動の第三法則・・作用反作用の法則といわれます。 ・「物体Aが物体Bに力を働かせたときは、同時に物体Bも物体Aに力を働かせた状態であり、両者の力の大きさは等しく方向が反対である。」 ・船から別の船を押すと、同じ力で両方の船は反対方向に離れます。 ・作用反作用の法則は当たり前のためピンと来ない法則ですが、加速度が大きい乗り物の急発進時に体で感じ取ることができます。 ・座席シートに押し付けられる力の作用が、乗り物が動く力に対する反作用の力です。 ・この反作用の力が、駆動機構の場合の支持構造体に必要な強度の値となります。タグ:
- ここでは運動の第二法則について解説します。この法則で、加速度と質量が設計条件の場合の必要な可動力を算出することができます。タグ:
- 運動する物体(可動体)には力が作用します。この可動体に作用する力は機械装置の設計には常識レベルに必要とされる知識です。特に慣性の法則は、高速駆動機構の設計では重要です。 (1)運動の法則 1)運動の第一法則・・・慣性の法則といわれます。 「物体に外から力が働かない限りその運動は変化なく変わらない。」 運動している物体(可動体)は、外力が働かなければ、動いている状態の場合は等速運動を続け、静止している状態の場合は静止状態のままであること。 この様な運動の性質を慣性と呼び、この法則を慣性の法則とも呼ばれます。タグ:
- 可動部の運動状態を知るための運動の基礎について解説します。 (1)運動の基礎 ・運動とは・・物体が時間と共に位置をかえること ・変位とは・・物体の位置の変化;(大きさと向きを持つので合成や分解が可能) ・速度とは・・時間に対する変位の割合;(大きさと向きを持つので合成や分解が可能) 単位=m/s ・等速度運動とは・・速度が一定の運動。 V(速度)=S(移動距離)÷t(時間)で表現できる。 ・加速度とは・・時間に対して速度が変化する割合。 A(加速度)={V-V0(初速度)}÷t 単位=m/s2 ・等加速度運動とは・・加速度が一定の運動。 t秒後の速度は V=V0+A・t t秒後の移動距離は S=V0・t+(1/2)A・t2 速度や移動距離などは、直進運動の機構設計の時などに作業タクト(時間)の推定やしゅう動距離に対する寿命時間の推定、また慣性力によるモーメントの影響などに利用します。タグ:
- 機械装置の構造設計の場合、全体の重心に対する支持脚(キャスター)の配置設計や可動体の低重心化設計など、重心の位置を考慮する必要があります。この重心について解説します。 (1)重心とは ・物体には、その物体がどのような姿勢状態にあってもかならずつりあいを保つ点があります。即ち、この点で物体を支えると、どのような姿勢状態でもその物体は安定して静止状態を保つことができます。このような点を重心(または、質量中心)といいます。 ・球の重心は球の中心点。平面の四角形の重心は対角線の交点。三角形の重心は中線の交点。 ・複雑な形状の場合は、複数の部分的な物体の集合体とみなして重心を考えます。 ・下図は3個の四角形(A,B,C)の集合体。それぞれの重心は対角線の交点となります。この3つの重心にそれぞれの重量の力が作用すると考えて、この3つの力の合力の作用点が重心となります。タグ:
- 物体に対して異なる作用点に力が働く場合の力のつりあいについて解説します。 (1)異なる作用点に力が働く場合の力のつりあい ・下図のように円盤に4つの力が異なる作用点に働いた場合、この円盤は反時計方向に回転運動するとわかります。したがって、この力の作用状態は力はつりあい状態にはありません。 ・下図のように上図と同じ作用点に違う方向の力が働くと、円盤は回転せずに静止状態となります。したがって、この力の作用状態は異なる作用点に働く力がつりあい状態にあるといえます。タグ:
- 1点に働く力のつりあい 力のつりあいと機械装置の事例 物体に2つ以上の力が働いていても運動しない状態にある場合、これらの力はつりあいの状態にあるといいます。 1点に働く力のつりあい ・綱引きの場合に1本の縄を反対方向に同じ力で引っ張りあった状態では、綱の位置は動きません。この状態が力のつりあい状態です(下図)。 ・同一線上での綱引きでなくても、合力が反対方向で同じ大きさの力の場合にはつりあいます。タグ:
- ベアリングにかかる荷重がベアリングガイドの壁面にどのような力で作用するかなどの解析の場合に、力の分解の考え方が役に立ちます。力の分解について解説します。 (1)力の分解とは 1つの力を、この力と同じ作用を持つ2つ以上の力に分けて現すことを力の分解といいます。 1つの力を分けた力のことを分力といいます。タグ:
- b)3つ以上の力の合力 ・球の中心の1点に対して、同じ平面上に働く多くの力の合成について解説します。 ・上の図では、F1、F2、F3、F4の4つの異なる力(ベクトル)が球の中心Oに作用しています。 ・この場合の合力は4つのベクトルを多角形状に連結させた最終辺の矢印が合力となります。タグ:
- 全ての機械装置は、仕事をする機構部だけではなく、構造体の全てで力の伝達と耐久の作用が生じています。ここでは、力の伝達の考え方を“力の合成と分解”の関係で解説します。 (1)力の合成 一般には、機構部分に複数の力が働きます。この複数の力の効果は、1つの合成された力で表すことができます。この合成された力を合力といいます。 a) 作用線が同一線でなく交わる2つの力の合力 下の図のように、球にF1とF2の2つの力(方向と大きさ)を与えたときに、球がどの方向に、どの大きさの力を受けるかを知ることが力の合力で理解できます。タグ:
- 自動機の設計には、力とその合力の作用やモーメント更には、運動に伴う速度や加速度の影響などを理解する必要があります。ここでは、機械工学と自動機設計について解説します。 (1)機械装置と力学 機械装置は次の構成で成り立っています。 この構成部分のうちで、後ろの2つは運動を伴わない静的な力学に関係が強い機構部といえます。力と合力や力の分解を理解することで、機構部の設計品質が向上できます。タグ:
- 機械装置などによる操作者等への事故を完全に防止する方法として、人体の各部位が機械類の隙間に入らない寸法で設計製作することが挙げられます。JIS B9711に定められています。 (1)人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま 機械装置による人体の押しつぶし事故は、次の2種類の機構で生じます。 ア)2個の可動部が向き合って動く機構 イ)1個の可動部が固定部に向かって動く機構 このような機構部の“最小すきま”を次表のように規定することで、押しつぶし事故を回避する機構設計を行うことが推奨されます。 備考 1)この“最小すきま”の規定は、押しつぶしのみに効果があるもので他の危険源(衝撃、引込み、せん断など)には効果はありません。 2)対象者の特徴を考慮する必要がある場合があります。 例: グローバル環境下での民族的な人体サイズの違い 子供などが危険性に関与する可能性がある場合 などタグ: