[2024/8/7公開]
Question
ワーク上面の加工を行う際に刃物と治具が干渉しないクランプ方法はありますか。
- ワークの上面加工を行う際に治具が干渉して加工がうまくできない。
- 段取り替えが必要になり、加工時間が長くなってしまう。
Answer
ワークより高い位置に飛び出さない治具やクランプ方法を用いる。
ワーク上面加工時に起こり得る干渉の問題
上面の加工が必要なワークに対して上からのクランプをしてしまうと、治具で抑えている部分は加工ができない領域になってしまいます。
また、上面以外をクランプしていても、ボルトなどがワークより高い位置に飛び出してしまっていると、フェイスミルで平面切削を行う場合などに、飛び出した部分が刃物や主軸に干渉してしまう可能性があります。
刃物と治具の干渉を避けるには
使用する治具やクランプの位置を工夫することで、干渉を避けて加工を行うことができるようになります。
ここでは具体的に3つの方法に分けて解説します。
①ワーク下面から引き込んでクランプする
ワークを下面からクランプすることで、ワーク上面には干渉物が何もない状態を作ることができます。
また、クランプ箇所がワーク下面のみとなることで、5面を1段取りで加工することも可能になります。
下面から引き込んでクランプできる治具としては
・バキュームチャック (真空チャック)
・マグネットチャック
・その他引き込みクランプ治具
が例として挙げられます。
②ワークを側面からクランプする
ワークを側面からクランプすることで、ワーク上面に治具がかかることなく、刃物との干渉を気にせず上面全体を加工することができるようになります。
③嵩(かさ)の低い治具を使用する
高さの出ない治具を使用することで治具本体やボルトの飛び出しを防ぎ、フェイスミルなどの干渉を避けることができます。
使用する治具やクランプ方法を見直すことで、段取り工数を削減して生産効率を大幅に向上させることができます。
加工環境の現状を見直し、常に改善していくことで、より多くの仕事をこなせる環境を構築することができます。
使用事例
ワーク上面の干渉を避けたクランプ事例
バキュームチャックを使用して底面からクランプ
上面をフリーにした横押しクランプで小物多数個取り
側面クランプ 紹介動画
出典:株式会社ナベヤ