切削加工:基礎知識
- [2024/8/7公開] Question ワーク上面の加工を行う際に刃物と治具が干渉しないクランプ方法はありますか。 ワークの上面加工を行う際に治具が干渉して加工がうまくできない。 段取り替えが必要になり、加工時間が長くなってしまう。 Answer ワークより高い位置に飛び出さない治具やクランプ方法を用いる。 ワーク上面加工時に起こり得る干渉の問題 上面の加工が必要なワークに対して上からのクランプをしてしまうと、治具で抑えている部分は加工ができない領域になってしまいます。 また、上面以外をクランプしていても、ボルトなどがワークより高い位置に飛び出してしまっていると、フェイスミルで平面切削を行う場合などに、飛び出した部分が刃物や主軸に干渉してしまう可能性があります。タグ:
- [2024/8/7公開] Question 専用治具を搭載している機械の稼働率を上げる方法はありますか。 汎用機に専用治具を搭載し専用機として加工を行っている。 ワークの種類や数量によって、機械の稼働率にバラつきが生じている。 Answer 交換可能な専用治具による稼働率の向上 ワーク数量などの条件に合わせて専用治具を載せ替えることができれば、汎用的に使用することができます。 汎用機であるマシニングセンタを専用機として運用する際に起こり得る問題 量産加工において、ワークに応じた専用治具を据置き、専用機としてマシニングセンタを運用している場合、ワークの種類や数量によって、機械の仕事量にバラつきが出てしまうことがあります。 結果として、工場全体としての機械稼働率が向上せず、生産効率が下がってしまいます。タグ:
- [2024/7/09公開] Question 自動盤の工具交換作業を効率化する方法はありませんか? 機内の狭い自動盤での工具交換は煩雑で手間の多く時間がかかっています。 Answer 近年普及が進んでいる自動盤用ヘッド交換式工具を使用することで、自動盤での工具交換作業を効率化できます。またヘッド交換式工具を上手く活用することで、機外での工具段取りも可能になります。 自動盤加工における機械稼働率の重要性 加工現場において、生産性の最大化とコスト効率の向上は永遠の課題です。 この目標を達成する1つの鍵は、機械稼働率の最大化にあります。小物の量産加工を行う自動盤においては、機械稼働率の向上はより重要な要素になります。タグ:
- [2024/7/09公開] Question マシンダウンタイムを削減する方法は何ですか? 小物部品を量産する機会が多く、自動盤の機械稼働率を向上させたいです。 Answer 近年普及が進んでいる自動盤用ヘッド交換式工具を使用することで、自動盤での工具交換作業を効率化し、マシンダウンタイムの削減が可能です。 マシンダウンタイムの試算 現在かかっているマシンダウンタイムを把握したい場合は、以下のような計算式で算出することが可能です。 計算式①: ホルダ5本 × 1日2回 × インサート交換時間 92秒 × 年稼働日数 300日 × 機械台数10台 ÷ 3600 秒/時 ≒ 760時間 ホルダ5本のインサート交換を1日2回行う場合、年間のインサート交換時間は約760時間にもなります。タグ:
- [2024/2/6公開] Question 旋削チップ(またはインサート)の選び方を教えてください インサートの種類がたくさんあり、材種とブレーカーの組み合わせのどれがベストなのか分からない Answer メーカー推奨のインサート材種とブレーカーの組み合わせを参考にしてください。 三菱マテリアルの旋削加工用インサートの「おすすめ組み合わせリスト」をご用意しました。
- [2023/10/26公開] Question 旋削チップの選定方法を教えて ホルダに合った旋削チップを探していますが、旋削チップの型番に□□や**などが記載されていて、型番がわかりません。旋削チップの選定方法を教えてもらえますか? Answer チップ形状とブレーカタイプ、チップの材種を特定して選定します チップ形状は取り付けるホルダから特定します。ブレーカタイプは荒、中、軽(仕上げ)などの加工用途により選び、チップ材種は被削材種と連続、断続などの加工状態から特定します。 以下に詳細選定方法を記載します。 (1)チップ形状タグ:
- [2023/10/19公開] Question 低コスト、短時間で行えるマシニングセンタの予知保全はありますか? 日々の稼働で機械を長時間止めて保全ができないが、突然のトラブルで稼働停止は困るので良い方法を知りたい。 Answer 主軸の振れ精度をチェックすれば、マシニングセンタ駆動部全ての劣化を推定することができます マシニングセンタ駆動部で最も酷使されるユニットは機械主軸ですので、劣化は主軸の精度に現れます。 主軸の振れが大きいということは、駆動系を主とする構成部品が消耗・経年劣化しているサインと判断できます。タグ:
- [2023/10/17公開] Question フライス工具の送り条件はどのような事に注意して決定すればいいですか? さまざまなフライス工具の種類がありますが、送り条件を決定する際の注意点を教えて欲しい。 Answer 送り条件の決定には、切取り厚さの概念を知ることが重要です。 切取り厚さとは 切取り厚さとは切れ刃に直行する厚み、下の図では『t』を指します。 切取り厚さは、1つの切れ刃が切る取る際の切りくずの厚みになります。 この切りくずの厚みをコントロールすることは、切削抵抗・寸法調整、または工具寿命の管理などを行うのに重要な要素になってきます。タグ:
- [2023/8/29公開] Question 外径バイトの選定を行う際に考えるポイントは何ですか? さまざまな外径バイトがありますが、選定する際の注意点を教えて欲しい。 Answer 外径バイトの選定で重要になるポイントは切込み角です。切込み角の特性を理解することで、より適切な工具選定とその特性を活かした使いこなしが可能になります。 外径バイトの種類と切込み角 外径バイトはJISで定義された歯形形状記号で定義づけされていますが、これらは切込み角が異なります。 切込み角とは、”ワーク外径と切れ刃からなる角”で定義づけられ、切削特性に影響を与える重要な要素です。 切込み角が切削特性に与える影響 切込み角は、おもに「切取り厚さ」と「切削力の向き」に影響を与えます。タグ:
- [2023/8/24公開] Question 外径溝入れ加工を行う際に気を付けるポイントは何ですか? さまざまな外径溝入れ工具がありますが、選定する際の注意点を教えて欲しい。 Answer 外径溝入れ加工を行う際は、用途に応じた適切な工具選定と使用上の注意点を意識して用いることが重要です。 また溝入れ加工に限らず、溝入れ工具を旋削加工に用いることで工具集約による加工時間の低減も可能です。 外径溝入れ・横送り加工用工具の選定 溝加工の状況により「クランプオン式」「セルフクランプ式」「スクリュークランプ式」から適切な方式の溝入れ工具を選定してください。 溝幅の精度 加工する溝幅の精度により、「型押し品」「研削品」のインサートを使い分けてください。 横送り加工 溝入れ加工に限らず、溝入れ工具を旋削加工に用いることで工具集約による加工時間の低減も可能です。溝入れ工具で横送り加工を行う際は、工具やツールパスの面で注意点が多いため、これら注意点を守った加工の実施が必要です。タグ:
- [2023/7/24公開] Question フライス工具の選定時には何に気を付けて工具を選定すればいいですか? さまざまなフライス工具の種類がありますが、選定する際の注意点を教えて欲しい。 Answer フライス工具を選定する際には、切込み角を理解した上で工具選定をすることが重要です。 代表的なフライス工具の種類 代表的なカッタの種類には、直角肩削りカッタ、正面フライスカッタ、高送りカッタがあります。 これら工具の違いは切込み角にあります。 切込み角 切込み角とは、切れ刃と加工底面の平行線からなる角度です。切込み角が変わることでカッタの切削特性が大きく変化することから、フライス工具には重要なパラメータです。 切込み角が切削特性に与える影響 ①切取り厚さ 切込み角が変わると切取り厚さが変わります。切取り厚さは送りの限界を決めるため、切込み角の異なるカッタで適用可能な送りが変わります。タグ:
- [2023/7/4公開] Question 突切り加工において正しい工具選定の方法や、加工時に注意すべきポイントは何でしょうか? 突発的なインサート欠損などのトラブルが生じていて、工具選定が悪いのか加工方法が悪いのか判断ができない。 Answer 工具のセッティング方法、工具選定、加工時のポイントなどを注意することで安定的な加工が行えます。 ・工具のセッティング 溝入れ工具を使用する際、工具のセッティングが非常に重要なポイント 回転軸に対してインサートを垂直(90°)に取り付け、刃先高さ(芯高)は±0.1mm以下に設定することが重要 ・突切り幅の選定 突切り幅の広さによって、歩留まりや工具特性にメリットやデメリットが生じます。 加工するワークに応じて、安定した加工ができるインサートの選択が重要です。タグ:
- [2023/7/3公開] Question エンドミル加工に使う保持具を教えて エンドミル加工に使う保持具は色々と種類があるようですが、選定方法や特徴を教えてもらえますか? Answer エンドミルなど回転工具は保持具(ツーリングとも呼ばれます)で保持され適用されます。 この保持具を選定するには、1.テーパ部 2.保持方式 3.保持具の首下長さ 4.把握径(工具のシャンク径)を決めてから選定します 1.テーパ部 工作機械のシャンク規格についてはこちらをご参照ください。
- [2023/7/3公開] Question 直刃エンドミルとは何ですか?メリットや用途を教えてください。 エンドミル選定相談時に直刃なら対応可能と言われたことがあります。 直刃エンドミルとは何ですか?どのようなメリット・デメリットがありますか? Answer ねじれのない(ねじれ角=0°)エンドミルを直刃エンドミルと呼びます。 下図のように側刃にねじれ角を持たないエンドミルを直刃エンドミルと呼びます。 直刃のメリット・デメリット(ねじれ刃と比較) 直刃エンドミルはねじれ角を有するエンドミルと比較すると以下のメリット・デメリットがあります。
- [2023/7/3公開] Question フライス加工での上面クランプの種類とコツを教えて フライス加工で被削材を上から固定するのにクランプをよく使います。古く傷ついたので買い換えを考えていますがどんな種類がありますか?また、特長やコツがありましたら教えてください。 Answer 上面固定クランプの種類 上面固定クランプのコツの紹介 上面固定クランプの種類 1. サポート部違いと 2. 先端形状違いで、代表的なクランプを紹介いたします。
- [2023/6/22公開] Question フライス加工でびびりが発生し、工具寿命も短いです。 フライス工具を選定する際に何に気を付ければいいですか? Answer フライス工具を選定する際には、『同時切削刃数』を確認することが重要です
- [2023/3/16公開] Question ボールエンドミル加工のピックフィードの目安とは? CAMでツールパスデータを作製していますが、中粗加工と仕上げ加工のピックフィードを設定する目安はありますか? Answer ピックフィードはカスプハイト(理論加工面粗さ)を目安に設定します ピックフィードとカスプハイト(理論加工面粗さ)の関係 ピックフィードは大きくすると、加工面粗さが大きくなり仕上げ研磨工程の工数が多くなります。また必要以上にピックフィードを小さくすると、切削加工工程の工数が多くなります。適したピックフィードの選定は、中粗加工と仕上げ加工それぞれの面粗さを設定してから、ピックフィードを決めます。 ボールエンドミルのカスプハイト(理論加工面粗さ)の算出
- [2023/01/26公開] Question エンドミルで加工する際、ビビリを抑える方法はありますか? ビビリの発生により、仕上がりの悪化や、工具の欠けが発生して困っています。エンドミルのビビリを抑えるポイントを教えてください。 Answer 振動している部位の特定と振動対策 まずは被削材が振動しているか工具が振動しているか見極めるため、プラスチックハンマーなどで被削材を叩いてみて被削材の固定を確認してみます。被削材が振動している場合はクランプ方法の改善を検討するため、被削材が振動していた場合の対処方法を参照してください。 被削材が振動しておらず、工具が振動していると考えられる場合は、工具剛性を高める手段と、振動のメカニズムを抑える手段があるため、切削条件及び工具・ツーリングが原因の場合の対処方法を参照してください。タグ:
- [2022/10/04公開] 「面取りとは?」という基本的な内容から、種類や加工方法などを解説します。 面取りとは 面取りの種類 面取りの目的 面取りの加工方法 おすすめ商品 面取りとは 面取り(めんとり、chamfering)とは素材に角度のある面を設けることです。 具体的には、鋭利な角部分をC面(角面)やR面(丸面)といった角度のある平面、またはR凸形状に加工します。タグ: