プラ型用部品
- 医療用具にはプラスチックがたくさん使用されています。その生産方法としては射出成形が多数採用されています。 したがって、医療用具のかなりの部分は、金型を使用して生産が行われているとも言えましょう。 代表的なプラスチック製医療用具には、下記に示すようなものがあります。 注射器のシリンジ(注射筒):PP、PE 注射器のピストン:PP ピペットチップ:PP カテーテル:PVC、PC 採血試験管:PC 培養用シャーレ:PS 医療用具に使用されるプラスチック材料は、用途によって、薬事法や厚生労働省の品質規格を満足したものしか使用が認められていません。紫外線照射やガンマ線照射による滅菌・減菌処理に耐えられたり、人体に対する血液凝固反応やアレルギー反応などの臨床試験をクリアーした樹脂材料に限定されます。 また、基本的に使い捨てになりますから、燃焼処理において環境破壊を起こしにくい素材でもなければなりません。タグ:
- プラスチックマグネットは、磁石の粉末を樹脂やエラストマーに混ぜた成形材料です。射出成形加工によって、形状の自由度の高い磁石成形品を生産することが可能です。 焼結磁石に比較すると、軽量で薄肉形状の製品にも対応が可能です。しかし、磁力そのものは焼結磁石の方が大きな値を示します。 磁石の粉末には、下記のような種類が使用されています。 (1)フェライト系 バリウム・フェライト ストロンチウム・フェライト (2)希土類系 サマリウム・コバルト サマリウム・鉄・窒素 ネオジウム・鉄・ボロン またバインダーとしてはPA6、PA66、PA12等のポリアミド(ナイロン)が使用されています。 PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PVC(ポリ塩化ビニル)をバインダーとして使う場合もあります。タグ:
- 新しい金型を開発したり、研究したりする場合には、今までに誰も考えつかなかったアイデアや着想が生み出されることがあります。 全く新しい技術的な創作は、知的財産権として保護を受けることができます。 知的財産権とは、人間の知的な創造活動から生み出された発明やデザインなどを法律によって保護し、一定期間、独占的に実施できる権利のことです。 知的財産権は、日本では以下の権利が法律で保護の対象となっています。(金型に直接関連の深いものに限ります) 特許権(保護対象:発明=自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの) 実用新案権(保護対象:考案=自然法則を利用した技術的思想の創作) 意匠権(保護対象:工業上利用できる意匠) 著作権(保護対象:著作物など) これらの権利は、権利を国に登録請求することによって、一定の登録要件を満たした場合に一定期間の権利を認めるもの(特許権、実用新案権、意匠権)と、著作物を創作した時点で権利が発生するものがあります。タグ:
- 熱可塑性プラスチックは、ご存知のように冷却固化する過程において成形収縮が発生します。 成形収縮の度合いは成形収縮率と呼ばれており、プラスチックの種類によって概ねの値が知られています。 ガラス繊維等の充填物(フィラー)が含まれていないナチュラル材料では、成形収縮は、あらゆる方向について、ほぼ均等に収縮が発生すると考えて、金型設計の際には、キャビティの寸法を計算していますが、ガラス繊維等が含まれている場合には話が違ってきますので、要注意です。 つまり、ガラス繊維の入っているプラスチックでは、成形収縮が全ての方向に均等に発生せず、流動方向に大きく依存することが知られています。 これは、流動の際に配向(はいこう)が発生し、プラスチックの分子とガラス繊維が一定方向にそろってしまうことが原因になります。 どのぐらいの数値で異なってくるのか、以下に一例を挙げてみます。タグ:
- 金型設計は、成形品を所望の仕様で、要求されたコスト内に収まるように金型のアイデアを具現化していく思考作業ですが、検討すべき内容は、以下のような要素に分類されると思います。タグ:
- 超精密金型を設計し、金型を立ち上げねばならない場合、キャビティ・コアの設計や機械加工には、細心の注意を払わねばなりません。 しかし、うっかりしてしまうのが、エジェクタピンの取り付け孔の加工精度と、エジェクタピン自身の寸法精度です。 エジェクタピンは、成形品の一部を押すために、キャビティ空間に接する位置に配置されますから、エジェクタピンとコアの取付孔のクリアランス部分には、樹脂が入り込む可能性があります。 精密成形品の場合、このクリアランスをミクロンレベルで管理しないと、成形品の品質維持が困難になる場合が増えてきています。タグ:
- スライドコアがかじりを起こして、金型を破損してしまった経験はありませんか? スライドコアは、毎ショットごとに作動を繰り返し、スライドコアとスライドプレートやガイドレールの側面に接触を繰り返します。その間に、クリアランス部にはガスや脂(やに)、水分などが付着して、異常摩耗を起こし易い環境が徐々に形成されて行きます。 さらに、金型温度が上昇してゆくと、スライドコア自身や金型の部分が熱膨張していきますから、クリアランスの状態が常温状態とはだんだん異なってきます。 かじりが発生するのは、それらの悪条件が蓄積していき、耐えられなくなった時です。 かじりを防止するためには、スライドコアが異常摩耗しないような構造上の工夫やメンテナンスが大切ですが、決定的な決め技があるわけではなく、考えられる最良の手段を組み合わせて発生確率を低減させることが実務的な方法です。 そこで、ご紹介するものが「潤滑剤−スライドコア専用かじり止めグリスタイプ−」です。タグ:
- 「ピンポイントゲートブシュ-小径タイプ-」は、精密小型のピンポイントゲート構造金型向けに開発された新商品です。 超小型サイズの歯車や時計部品、電子部品、精密機械部品などでは、ゲートブッシュの外径寸法がφ2mm以下でないと金型に配置できない事例が増えてきています。 その背景には、成形品の小型化、薄肉化、軽量化などのトレンドが影響しているものと推察されます。 ミスミのブシュは、段付き構造になっていますが、先端部の外径寸法は、φ1.5、φ1.6、φ1.8の3タイプです。 最小径はφ1.5mmですから、かなり小さなサイズのキャビティにも取付ができます。 ゲート先端径は、φ0.3、φ0.4、φ0.5の中から選択できます(種類によって限定されます) 材質は、 PGHSタイプ SKH51(59〜61HRC) PGKSタイプ 高硬度ニッケル合金(58〜62HRC) PGESタイプ ニッケル合金(内面55〜60HRC) です。タグ:
- 「エジェクタプレート戻り確認スイッチ」は、エジェクタプレートが元の位置に完全に復帰していることを確認するための装置です。 最近の射出成形機は、全電動式が主流になり、ハイサイクルで成形が可能になりました。その反面、金型が異常なく作動をしてくれないと、金型が破損してしまう可能性が高くなったとも言えるでしょう。 射出成形金型は、連続して成形加工を続けていますと「やに」やガス成分が金型の摺動部分に凝着し、作動不良やかじりを発生することがあり得ます。 無人成形加工を行っている場合や夜間などは、そのような状態に金型が陥った場合、金型を無理に閉じてしまったために金型を破損してしまうことになります。タグ:
- 「エジェクタプレート早戻し装置」は、エジェクタプレートを、金型のパーティング面が閉じるよりも前に、元の位置へ復帰させるための装置です。 金型の構造によっては、スライドコアの移動ストロークの途中にエジェクタピンを配置しなければならない場合があります。このような構造の場合は、スライドコアが戻るよりも前にエジェクタピンが元の位置へ復帰していないとスライドコアとぶつかってしまい、金型を破損してしまいます。 そこで、エジェクタピンを先に戻すためには、この商品を使用すると問題は解決します。 また、リターンピンのスプリングが寿命で弱くなってしまっている場合やそもそもスプリング自体の強度が不足している場合にも、この商品を採用しておけば、不測の金型破損事故を未然に防止することができます。タグ:
- 「ミニスライドコアユニット」は、成形品の外側アンダーカット部分を処理するためのスライドコア機構をコンパクトなユニットとした商品です。 従来のスライドコア機構は、 スライドコア ロッキングブロック アンギュラピン ガイドレール、センターレール バッキングプレート ボールプランジャ 等を組み合わせて設計製作するケースが大半でした。 特に、スライドコアとロッキングブロックの合わせ部分の精密テーパ加工や、スライドコアとガイドレールのクリアランス管理は、2以上の部品同士の組合せ精度を維持する必要があるために、神経を使った設計と機械加工と仕上げ調整が不可欠でした。 また、アンギュラピンやロッキングブロックを使用するために、スライドコア機構全体が大きくなってしまい、金型をコンパクト化する際の障害ともなっていました。 ミスミのミニスライドコアユニットは、下記の様な特徴を備えています。タグ:
- スライドコア用のセンターレールは、比較的幅の広いスライドコアの往復運動の精密位置決めに用いられる部品です。 スライドコアは、射出成形時に金型が開閉する度に、往復運動をして、成形品のアンダーカット部分の金型からの取り出しを可能とする金型部品ですが、往復運動を繰り返しているうちに焼き付きや「かじり」が発生して、金型が動かなくなってしまったり、金型が破損してしまう事故が起きることもあります。 このような事故が発生する原因としては、以下の理由が考えられます。タグ:
- プラスチック射出成形金型の設計において、最も重要な事項に成形収縮率があります。 成形収縮率αは、次式で表現することができます。 α=(L0-L)/L0タグ:
- プラスチック成形金型用非鉄金属の特性について解説します。 プラスチック成形金型には、一般に炭素鋼や特殊鋼が使用されていますが、熱伝導効率や軽量化を目的として非鉄金属が使用されることもあります。 主要な金型用非鉄金属の特徴は以下の通りです。タグ:
- プラスチック射出成形金型は、量産の成形加工で使用されますと、摩耗や錆び等の原因によって金型の機能が低下してゆきます。これらの機能低下を修復するためには、メンテナンス(保守管理)が必要です。 プラスチック射出成形金型のメンテナンスの重要ポイントとしては、下記のような箇所に留意することが推奨されます。
- 問題 ABS樹脂(ナチュラル材)を使用する射出成形金型において、樹脂温度が240℃、冷却水の温度調節器設定温度が60℃であった場合、キャビティ表面温度は何度になっていると推測されるか? ただし、キャビティ材質はS50Cとし、金型の冷却回路は、キャビティの大きさに対して十分な冷却能力があるものと仮定する。タグ:
- 問題 【図1】に示すサイドゲートのゲートシール時間は何秒ぐらいと予測されるか? ただし、成形材料はABS樹脂(ナチュラル)、溶融樹脂温度230℃、成形品取り出し温度90℃、キャビティ表面温度50℃とする。 解答例 サイドゲートのゲートシール時間は、次式で予測できます。 ゲート形状が長方形の場合(サイドゲートやアンダーゲートゲート)には、次式が使用されています。タグ:
- 問題 【図1】に示すピンポイントゲートのゲートシール時間は何秒ぐらいと予測されるか? ただし、成形材料はABS樹脂(ナチュラル)、溶融樹脂温度230℃、成形品取り出し温度90℃、キャビティ表面温度50℃とする。 解答例 ピンポイントゲートのゲートシール時間は、次式で予測できます。タグ: