電気めっき
- (2)めっきの電流密度 めっき槽内で、陽極から陰極に向かって流れる電流の強さは一様ではありません。両極の形状や表面積、1本の引っ掛けでは、懸垂されている上下の位置、両極の相対する距離、めっき液の流動状態や温度分布などによって異なります。 そしてめっき皮膜の電着速度に最も大きな影響を与えるのが、陰極電流密度(A/dm2)です。 【図1】に、これらの関係を示しました。 電気の性質として、当然、尖った部分には電流が集中しますし(高電流密度)、凹んだ部分には電流が弱く(低電流密度)、時には全く流れません。この結果は、品物の各部位のめっき皮膜の厚さのバラツキとなって表れます。電流の流れない部分には、めっきが付きません。
- (1)引っ掛けの電気抵抗 電気めっきの方法を大別すると、引っ掛け(ラック)めっきとバレル(回転)めっきにわけられます。引っ掛けめっきの場合を例に、バラツキの発生する要因を説明します。 通常、電気めっきは、【図1】に示すように、めっき浴を満たしためっき槽に、めっきする製品(品物)を引っ掛けにセットして浸漬し陰極とし、一方めっきする金属を浸漬して陽極とし、両極間に直流電源(整流器など)から直流を通電してめっきします。
- 所望のめっき厚を得るための、めっき条件を考えてみましょう。 (4)陰極電流密度の設定 めっきする製品に適用する陰極電流(A/dm2)をどの位にするかは、実験結果によります。通常電気めっき関係では、ハルセル試験という試験によって、光沢・平滑さ・皮膜厚さ・陰極電流効率などを陰極電流密度との関係において測定できますので、使用するめっき浴について、その結果を適用します。その値は通常、添加剤などのメーカーから推奨値が提供されています。 一例として光沢ニッケルめっき浴であれば、2〜5A/dm2が採用されているようです。 (5)バラツキを考慮しためっき厚の設定 いま10μmのニッケルめっき厚が要求されとします。製品の形状や通電方法などにより、製品の部位によって、めっき厚にバラツキを生じますので、所望のめっき厚は、10%増の11μmとします。(バラツキが小さい場合)タグ:
- めっき皮膜の膜厚管理 めっき皮膜の品質管理のなかで、最も重視されるのは、皮膜厚さの管理です。10μmの亜鉛めっきを発注したのに、納入された製品の膜厚は8μmくらいしかなかったなど、昔から今日に至るまで、この種のトラブルはなくなってはいません。そこで、皮膜厚さの管理はどのように行われるか、をみてみましょう。
- 適用範囲 用語の定義 等級・種類および記号 クロメート皮膜の耐食性 クロメート皮膜の呼び方 クロメート皮膜の質量測定方法(JIS H 8625(1993) 附属書1より) 適用範囲 この規格は、電気亜鉛めっきおよび電気カドミウムめっきに防食の目的で施した有効面*1のクロメート皮膜について規定する。
- 硝酸ばっ気試験方法(有孔度試験)[附属書1(規定)] 耐食性試験 下地めっきの種類および最小厚さ [附属書2(参考)] 硝酸ばっ気試験方法(有孔度試験)[附属書1(規定)] 適用範囲 金属および非金属素地上に行った工業用金および金合金めっきの有孔度を、硝酸蒸気の雰囲気中で暴露する試験によって調べる方法について規定する。 使用器具 容器は、試験片に適切な大きさのデシケーターを使用する。 操作 1) 試験片の汚れをエタノール、ベンジン、ガソリンなどの溶剤を用いて除去し乾燥させる。 2) デシケーターの底部に適量の硝酸を入れ、磁製板の上に試験片を載せ、ふたをする。 3) 約23℃で1時間放置する。 4) 試験片をデシケーターから取出して、静かに水洗いして乾燥する。
- 適用範囲 定義 品質 めっきの呼び方 適用範囲 この規格は、金属および非金属素地上に工業用の目的 (1) で行った、有効面の厚さ0.2μm以上の金および金合金電気めっきについて規定する。 注釈タグ:
- 適用範囲 各種密着性試験法へのめっきの適用例 密着性試験方法のあらまし テープ試験方法 曲げ試験方法 熱衝撃試験 適用範囲 この規格は、金属素地上に施した電気めっきおよび化学めっきの密着性試験方法について規定する。
- 適用範囲 めっきの等級およびめっきの最小厚さ 品質 めっきの呼び方(JIS H 0404による) 適用範囲 この規格は、電気部品などのはんだぬれ性、防食性などの向上の目的で金属素地上に行った有効面の電気すずめっきについて規定する。 めっきの等級およびめっきの最小厚さ めっきの等級は表のとおりとし、めっきの最小厚さによって5等級に分ける。 単位:μm
- 適用範囲 銅-ニッケルめっきの等級と記号(鉄鋼素地) ニッケル-クロムめっきの等級と記号(鉄鋼素地) めっきのタイプを表す記号(JIS H 0404:1988より抜粋)と上表使用記号の説明 適用範囲 この規格は、鉄および鋼、銅および銅合金、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金素地上に防食並びに装飾の目的で行った有効面のニッケルめっき、銅-ニッケルめっき、ニッケルークロムめっきおよび銅-ニッケル-クロムめっきについて規定する。(※本記事は鉄鋼素地のみ)
- 適用範囲 めっきの記号 品質 めっきの呼び方 めっきの用途およびめっきの厚さの例 適用範囲 この規格は、鉄、鋼および非鉄金属素地上に耐摩耗性などの工業用の目的で行った有効面の電気クロムめっきについて規定する。 めっきの記号 めっきの記号は、クロムめっきの元素記号Crの前に工業用を表す記号Iをつけて表す。ほか、JIS H 0404および下表による。
- めっきの発注・受注をするとき、最も重要な仕様は、めっき皮膜の厚さでしょう。めっき製品の使用環境・使用目的等から、めっきの種類や厚さが決定されるわけですが、今回は、めっき厚さの測定方法について述べます。 (1)厚さ試験方法 JISでは、めっきの厚さ試験方法として、次の方法を規定しています。タグ:
- 適用範囲 定義 中性塩水噴霧試験方法 酢酸酸性塩水噴霧試験方法 キャス試験方法 コロードコート試験方法 二酸化硫黄ガス試験方法 適用範囲 この規格は、めっきおよびそれを施したものの耐食性試験方法について規定する。 なお、めっきとは、電気めっき、無電解めっき、気相めっきおよび溶融めっきなどをいう。
- 適用範囲 めっきの記号による表示方法 記号 電気めっきの記号による表示例 適用範囲 この規格は、電気めっき(自己触媒型の無電解めっきを含む)の記号による表示方法について規定する。 めっきの記号による表示方法 めっきの記号による表示方法は、以下「記号」に規定する記号を用い、下記[1]に示す順序による。 ただし、当分の間、[2]に示す順序によってもよい。 なお、特に表示の必要がない記号は省略してもよい。
- ここでは、従来不可能であった新しいめっき技術をみてみましょう。 高機能性ガラスへのめっき 石英ガラス、硼硅酸ガラス(パイレックス)など高機能ガラスの特性を生かしながら、他の金属やセラミックスと接合したり、表面に電子回路や電極を形成するために、直接無電解めっきを行います。 従来、ガラス表面へのめっきは、真空蒸着やスパッタリングなどの乾式めっきが行なわれていましたが、ガラスとの密着性が良好でないことや、コストの高いことが問題でした。 新しいめっき技術は、ガラスの表面を粗面化して、めっき皮膜とのアンカー効果で密着性を高めるのではなく、ガラスとめっき皮膜を化学的に結合する方法です。 ガラス表面を清浄化して湿潤化し、化学的結合を強化する処理を行った後、触媒活性化処理をして無電解ニッケルめっきを施します。 その後、用途に応じて、各種の電気めっきや無電解めっきが施されます。 応用例としては、パイレックスガラス管の内外に、ニッケル・金めっきを施した圧力センサーや、通信用石英光ファイバーの外周に、光の散乱防止やノイズ防止のために無電解ニッケルめっきが施されています。タグ: