めっき皮膜は、それぞれの金属あるいは合金特有の色がありますが、より多彩な色彩を求める場合には、金属着色や塗装を行います。
(1)化成処理とめっき
めっき皮膜を直接着色する方法として、亜鉛めっき製品を特殊な染料溶液に浸漬して青や赤など鮮やかな色調を得ることが行なわれています。 金属質の感じを強調する方法として、ニッケルめっきや銀めっき上に特殊な硫化物浴で化成皮膜を生成させる方法が実用化されています。色調も独特で、浸漬→時間の経過と共に、薄金→金色→赤金→赤紫(ワインカラー)→青紫→青(ネイビーブルー)と変化します。 工程が簡単で、色調管理も容易、色ムラもないなどの点が評価されて利用範囲は広がっています。最後にクリアー塗装をして耐久性を向上させます。 |
(2)塗装とめっき
(1)亜鉛めっき・黒色電着塗装
重度の耐食性と黒色が求められる自動車部品や電子機器部品などでは、黒色電着塗装(塗膜厚さ10〜20マイクロメータ)だけでは十分な耐食性が得られないので、亜鉛めっき後に黒色カチオン電着塗装を行なっています。 |
(2)装飾的電着塗装
ニッケルめっきなど無彩色めっき皮膜の上に有彩色のカチオン電着塗装を施すと、めっき製品のカラー化が実現します。 |
※ | 電着塗装とは: 水溶性塗料を水に溶かした電解槽に、製品を入れて直流電解をするとイオン化した塗料成分が製品表面に析出して塗膜を形成します。塗料成分が陰イオンになる塗料がアニオン電着塗装、陽イオンになるものがカチオン電着塗装です。カチオン電着では製品が陰極になりますので、めっき皮膜の溶解が起きません。 |