通常、キャビティ・コアは、モールドベースの型板やバッキンクグプレートに締結されますが、その締結方法として代表的な例を紹介します。
【図1】に4種類の事例の説明図を示します。
A.ボルト締結
ボルト締結は、キャビティ・コアにねじ穴やボルト固定穴が、スペース的に設けられる大きさの金型で多用されている方法です。
ねじにより強固に締結することが可能です。パーティング面側からボルト締めする方法と型板裏面側からボルト締めする方法が考えられます。状況により適宜、ボルト締め方向は選択されます。
ねじは、通常メートル並目ねじを使用します。場合によってはメートル細目ねじを使用します。
ボルト締結では、キャビティ・コアの位置決めが精密でなければならない金型では位置ずれの危険性を含んでいます。ねじの締める順番やねじ締め時の回転方向によって位置が0.01mmレベルでずれる場合がありますので、キー止めによる位置ずれ防止構造等を併用します。
B.つば止め
つば止めは、キャビティ・コアにねじ穴やボルト固定穴を設けるスペースが十分に確保できない場合に採用される方法です。
つばは、両側つばと片側つばの2種類が通常用いられます。
つばのひっかかり量は、1〜2mm程度で、つば高さは、3〜10mm程度の範囲を用いており、キャビティ・コアの大きさにより選択します。
つばは、現場用語で「はかま」と呼ぶ場合もあります。
C.キー止め
キー止めは、つば止めやボルト締結が困難な、多数の部品を締結する場合にしばしば採用される方法です。
キーの形状は「コの字形状」、直線キー、丸キーなどの種類があります。
キーのはめあい寸法を考慮する必要があります。
多数個取り金型では、キーにそれぞれ番号をマーキングしておいて、再現性を確保することも大切です。
D.圧入
圧入は、大形の金型において多用されている締結方法です。パーティング面側から彫られたポケットに「しまりばめ」のはめあいとなるよう、キャビティ・コアの外径寸法を機械加工し、プラスチックハンマー等で圧入します。
この方法ですと、メンテナンス時にはキャビティ・コアの分解が困難となりますので、分解用の叩き穴をポケット底面に設けておく場合もあります。