アルゴリズム(algorithm)とは、計算方法のことです。金型設計を行うためには様々な技術項目を検討し、計算し、判断して最終的な設計を完成させます。この一連の設計作業は、単純にステップごとに検討を進めればよいわけではなく、一度検討した結果であっても、別の検討の結果によってはもう一度検討をやりなおさなければならないこともたくさんあり、複雑な計算判断の流れになっています。単純に流れ作業で検討を積み重ねれば終了ではないので、金型設計の技術を身に付けるためには比較的長い習得期間が必要になります。
計算は、利害得失を時間軸、その他の事業との兼ね合い、競争相手との戦略的優劣関係などを総合的に考える必要があります。
以下にプラスチック射出成形金型設計のアルゴリズムを紹介します。
<検討&判断項目>
- 成形品仕様
- 成形材料仕様
- 材料歩留まり
- 月間生産数量
- 年間生産数量
- 生産納期
- 射出成形機仕様
- キャビティ取数
- 技術的難易度
- キャビティ配置
- ゲート方式―コールドランナーorホットランナー
- パーティングライン
- キャビティ分割
- アンダーカット処理構造
- 成形品概略サイズ
- ゲートサイズ
- ランナーサイズ
- ランナー配置
- 金型温度調節方式
- キャビティ寸法
- モールドベース寸法
- エジェクタ方法
- ガイド方式
- 調芯アライメント方式
- エアベント
- 金型修正
- 金型部品の位置固定方法
- 耐食性
- 重量、重心位置、慣性力
- メンテナンス性
- 品質安定性