プラスチック成形品の精度を保証するためには、金型のキャビティ、コアやモールドベース等の金型部品を精度良く機械工作する必要があります。工作機械は、金型部品の形状や材質、硬度などによって選択されますが、工作機械や工作法自身の要因によって加工精度には上限があります。
どの工作機械であれば、どの程度までの精度で機械工作ができるのか?を金型設計者は熟知しておかねばなりません。
工作精度は、金型の製作コストにも関連します。精度の高い工作機械を使用すると機械加工コストは増大します。一方、粗取り加工などでは低い精度であっても十分で低コストで機械加工が可能です。
工作機械の選定にはこのように複眼的な検討をして選定する必要があります。
以下に、金型部品の加工に用いられる工作機械とその加工精度について、一例を示します。
プラスチック金型用工作機械と加工精度
工作機械名 | 一般加工精度 | 精密加工精度 |
汎用フライス盤 | ±0.02 | ±0.01 |
NCフライス盤 | ±0.02 | ±0.005 |
マシニングセンタ | ±0.02 | ±0.005 |
倣いフライス盤 | ±0.1 | ±0.05 |
成形研削盤 | ±0.01 | ±0.002 |
光学倣い研削盤 | ±0.01 | ±0.003 |
ジグ研削盤 | ±0.005 | ±0.002 |
形彫り放電加工機 | ±0.02 | ±0.01 |
ワイヤ放電加工機 | ±0.01 | ±0.002 |
深穴加工機 | ±0.01 |