クランク回転を直線変換し、その直線運動のストロークを2倍に増長させる「からくり治具の素」を紹介します。
【図1】がその機構図です。
構造は、「回転→直線変換機構1(からくり治具の素)」の標準的なスライダ・クランク機構のスライダを歯車に置き換え、さらに、スライダのガイド構造を固定ラックと可動ラック構造に変えたもの。原動軸側のクランク運動が歯車に伝達され、この歯車が固定ラック上を回転転動するストローク(L)の2倍のストローク(2L)を歯車の上部に設けた可動ラックが移動します。
(1)応用例
空気圧シリンダとスライドウェイ(直動案内)やモータとボールねじの連結構造を採用すると構造が長くなる。短くコンパクトに治具を設計する必要がある場合に有効です。
応用例
- 加工機の揺動運動
- 1個流し生産治具の往復直線運動機構
(印刷、拭き取り、加圧、その他) - 検査治具
(2)標準部品の選定のアドバイス
【図1】のすべての部品(1〜5)が標準部品で構成できます。ここでは歯車とラックについて解説します。
歯車とラックの組合せはモジュール(m)のカタログ値で選定します。2部品のモジュール値の同じものを選定すれば組合せて使用(下表)できます。
部番 | 名称 | 選定標準部品候補 |
3 | 歯車 | GEAS1.0(モジュール値)-40(歯数)-10(歯幅)-10 |
4 | 固定ラック | RGEA1.0-500(呼び)・・穴加工なし <購入後追加工> |
5 | 可動ラック | 上記ラックを切断し分割使用 <歯数159を53-4用と106-5用に切断> |